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レッスン中はもちろん言葉を使います。

わたしは日本語しか話せないので
日本語で伝えるのですが、
アレクサンダーテクニークは
オーストラリア人のアレクサンダーさんが
英語、もっというとオーストラリア訛りの
英語で考えていったものです。

身体文化として、元々あった
オーストラリアの文化と
英語が持つ文化とが混じり合って
出来上がったもので考えたんだと思います。


言葉はモノにラベリングしていく。

世界を切り取っていく。
部分に分けていく。

私たちの身体も、
「カラダ」という一個のものから
頭、上半身、下半身、四肢、
言葉によって分けられていく。

その時、元々一つのものを
分ける時には、境目というものができます。

例えば、
上半身と腕の境目はどこでしょうか。
マジックペンで線を引いてください。
と言われた時、私たちは困ってしまいます。
それは線を引くことなんてできないからです。

言葉によって分けられている気になれている。

元々ない境目なので曖昧なんです。
境目を作れている気になっているだけ。

だから色々な言い方で解ろうとするんです。
ボディマッピングや骨格、筋肉などで分けることで
境目をはっきりさせようとする。

元々一つだったものを
わざわざ言葉によって分けて、
それからまた元の一つに戻す。
なんてめんどうくさいことをやっているんでしょ。

こんなことをしていたら、
分けてしまってできた境目が
こんがらがるのは当たり前ですよね。


解剖学者の養老孟司さんが
こういう考え方はアルファベットの人の考え方だ。
とおっしゃっていて、あーなるほどな、と。

「d」「o」「g」がそれぞれあって
それが正しく並ぶと、
だしぬけに「dog」になる。

アルファベットでは
何かを構成している下位のものがあると考えている。
「dog」を構成するものがある。
身体を言葉によって分けていくのはこういうことらしい。


レッスンしていく中で難しいのは
やはり境目のことが多いですね。

足と言っても、
境目はどこでしょうか。

色々考えられますよね。
 座っているときに折り曲がっているところ、
大腿骨と骨盤の関節しているところ、
腸腰筋も含めると横隔膜の近く、
捉え方によってさまざまあります。

ここまで書いておいてなんなんですけれど、
境目をはっきりさせることは目的ではありません。

今あなたが持っている境目のイメージ、
これをどうするか、です。

もし何か不具合があるなら変えましょう。
それだけです。

不具合が出ない動きを体験、経験していくことで、
その認識を変えていき、自分で
不具合が出ないように動けるようにしていく。

この過程で色々な障害があるので
レッスンをしていきましょう。ということなんです。

必要があれば細かく見たりもしますけど、
最終的には一つのものとして
捉えていけるようにしていきます。

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