詩 2つ

脆い雨と四月の初めの湿気


しと しと

落ちて

ぽたり

流れて

つたう

あつい さむい

ざら ざら

ノイズ

どこへいくの

まえにはすすめない

どうしたいの

むかしにはもどれない

てをつないで

きっと きっと

飛べないって思い込んで

それから

いきをするのも

なんだか くるしくて

「きみはどうしてここにいる?」

自分の意思で囚われて

なさけないね 手も出ないね

しと しと

ぽつ ぽつ

ざら ざら

それじゃあ、

またね。


22/03/05 04:30

愚かで愛しい九龍城砦

あの日の血飛沫がナイフに反射し
抑えきれぬ衝動を薬飲んで誤魔化す
回らない頭揺らし酩酊堕落飄々
死んだ胎児胎の中で息をそっと吹き返す
路地裏から地下帝国の迷宮に繋がる
狭い道をいつも通り足を浮かせ歩く
俺だけの美しく最低な天国
花はやがて枯れて落ちて土に還る幻想
不安抱え独り泣いてそんな夜を繰り返す
きっと誰も自分だけがいつも大事なんだと
気づかない癡鈍の手はやがて虚空を掴む
君が神であると真に証明して頂戴
たった今の沈黙さえ過ぎてとうに昔
君の髪の長い黒は誓いを立てた証
ありがとうは最期まで 取っておくよ
22/03/05 05:01

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