詩まとめ

箱庭夜空

月も見えないこの街で
あたし千鳥足になりました
覚束無い人生に嫌気がさして
路地裏で塵と眠りました

そのうち雨が降ってきて
あたしは蹲って鴉にこう言った
「観客は手を叩いて笑った、見世物だって」
鴉は一言カァカァと鳴いて
暗闇の中金色の目を光らせた

あのピアノの音色も
透き通った水の感覚も
窓から入る風の匂いも
全部もうなくしてしまったんだ

もう二度と期待なんてしないで
星も見えないこの街で
あたし涙も出なくなりました

21/12/13 22:37

下校途中

くずれおちた4時すぎの太陽
中身はがらんどう

錆びた熱が彼らを照らしている

地中から這いずり出た
からからの蚯蚓を踏んで笑う

ランドセルを背負って
今日はどの子の家に行こか?

小さな果実や花の蜜の味は
こどもだけがしっている

21/12/09 15:53

怠惰

惰性で生きている
今日も布団に横になり
ぼんやりと浮かぶ死にたいを
温度でごまかしておやすみ

惰性で生きている
この先のことを考えて
不安でいっぱいになって
人を妬み嫉み
そうやって落ちぶれてさよなら

惰性で生きている
朝起きたら
私の呼吸が止まっていたらいいのにな

21/12/04 01:16

遠い旅行

「さよなら」じゃなくて「またね」だからと
涙を拭いてくれた
あれから私はずっと
あなたの居た世界を探してる
例えばこの流れる雲を
色づいていく広い空を
あなたにも見えていますか
あなたもぬくもりを感じていますか
枯葉が落ちて
澄んだ空気と冷えた手帳に
あの日の思い出の栞が挟まっていた
お元気ですか
風邪など引いていませんか
お身体を大事にして
今日も生きてください
きっといつか私も
あなたのいる場所に還りますが
そのときは
おかえりと優しく迎えてください

21/11/02 13:59

ツキ

もってないもの ほしがったって
たりない

あたしのなにかが 失われていく。
無くなる 消える 奪われる?


ねえ教えて
どうして生きてるの?

笑うことしか出来ないあたしを
脳みそがぐわぁんとするほど殴ってよ!

乾いて 水を求めたけど
欲しいのはてめーの涙じゃないんだ って

満たされないまま夜がくる
月の光がやけに明るいんだ
星なんかひとつも見えやしないの

一心不乱に駆け出して
白いワンピースをはためかせ

裏切りの上に薄く重ねた嘘を
見え透いてるくせに君が言うから
まことに馬鹿みたいで反吐が出るよ

夢なんてみれないくせに

夢を見たいと思ったことも無いくせに

よくもそんなことが言えたものね

私はおびえて 深い 海馬のおくにダイブする
いつかの君が溶けて浴槽に溜まってる
するとどうだい 頭から浴びてみると
案外きみって奴は、僕のことを想ってないらしい

遠くで暮らそう
猫を一匹飼って
歌を歌うから
君がギターを弾いて

そんな夜でいいかな

21/09/15 05:22

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下に行くほど古くて、長い気がする。迷走していたから。詩ってなに?私には書けない、才能ない。って思ってた時期に書いてたのが下の方にあるやつ。他にも駄作が沢山ある。

2021/12/17 2:27


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