【体を柔らかくするストレッチ①】筋肉の長さに合わせたストレッチをしよう
ここでは、ストレッチのコツ=「筋肉の長さに合わせてストレッチをする方法」について解説していきます。
「ストレッチをしているけど、あまり効果を感じられない」という人は、”筋肉の長さ”を無視しているからかも知れません。
自分の筋肉の長さに合わせてストレッチをすることができれば、あなたの体はみるみるうちに柔らかくなるでしょう。
1.「筋肉の長さ」とは?
まずは、前提のお話。
筋肉はゴムのような性質を持っています。
つまり、筋肉は”骨から骨へと関節をまたぐように付着”していて、筋肉が縮むことで、関節を動かすことができるんです。
(そして、縮んだ筋肉の反対側にある筋肉は伸びます)
上腕二頭筋が縮み(→肘関節の屈曲)、上腕三頭筋が伸びる▽
そして、全身の筋肉にはそれぞれ「適切な長さ」というものがあります(レングステンションリレーションシップ)。
筋肉の長さが適切なら、
・筋肉が支える骨格が正しい位置に保たれる
(=良い姿勢)
・筋肉が力を発揮しやすくなる
(=体が動きやすい・疲れにくい)
という状態になります。
逆に、筋肉が「縮んで硬直&伸びて硬直」すると、
・骨格が歪む
(=悪い姿勢)
・筋肉は力を発揮しづらくなる
(=体が動きづらい・硬直しやすい)
という状態になります。
筋肉の長さが適切なら健康に、長さが違うと不調になりやすい▽
そして筋肉は、
・縮めっぱなしだと→縮んで硬直
・伸ばしっぱなしだと→伸びて硬直
という風に、簡単に長さが変わってしまいます。
2. 筋肉の長さを判別する方法
「縮めっぱなし・伸ばしっぱなしって、どういう状態?」
「筋肉が伸びてる・縮んでるって、どうやって判断するの?」
と疑問に思いますよね。
以下の例をイメージすると、わかりやすいと思います。
パソコンを見ている時
・頭が前に出る=首の後ろが縮み、前が伸びる
・腕を前に伸ばす=胸が縮み、肩甲骨の内側が伸びる
・背中が丸まる=背中が伸びて、お腹が縮む
子供を抱っこしている時
・肩が前に入る=胸が縮み、肩甲骨の内側が伸びる
・下を向く=首の前が縮み、後ろが伸びる
・肩が上がる=肩甲骨の上が縮み、下が伸びる
ヒールを履く時
・腰が反る=腰が縮んで、お腹が伸びる
・骨盤が過前傾する=前ももが縮んで、裏ももが伸びる
長時間座っている
・骨盤が広がる=お尻横が縮み、内ももが伸びる
右側に寄りかかって座る
・上体が右に傾く=右腰が縮み、左腰が伸びる
「骨の位置(歪み)」を見れば、どこの筋肉が伸びて、どこが縮んでいるのかがわかる▽
これらの悪い姿勢も、短時間なら問題はありません。
しかし現代人の多くは、”長時間同じ姿勢(悪い姿勢)”でいることが多いので、筋肉の長さもちぐはぐになっている方が多いんですね。
そして、筋肉の長さを無視してストレッチをする、
例えば、「伸びている筋肉を、さらに伸ばすストレッチをする」と、あまり意味がないどころから、逆効果になることもあるのです。
3. 筋肉の長さに合わせてストレッチをする方法
というわけで、「骨の位置=筋肉の長さ」に合わせて、ストレッチをしましょう。
つまり、
・縮んだ筋肉は→伸ばすストレッチをする
・伸びた筋肉は→縮めるストレッチをする
という風に。
(ただ、”ガチガチに硬直した筋肉”は、「伸ばす&縮めるの両方行う」・「マッサージで事前に緩める」必要があります)
例えば、猫背の方の場合。
縮んだ筋肉→伸ばすストレッチを多めに行う
・首後ろ
・胸
・お腹
・お尻
・裏もも
伸びた筋肉→縮めるストレッチを多めに行う
・首前
・肩甲骨の内側
・背中
・腰
・前もも
具体的には、猫背を改善するなら以下のようなストレッチを行います。
【肩甲骨内転ストレッチ】伸びた”肩甲骨の内側筋肉”を縮めるようにストレッチ▽
【猫の背伸びストレッチ】
伸びた”背中を筋肉”を縮めるストレッチ(ただ、脊椎を圧迫しないように、背骨をスラリと伸ばす意識でストレッチする)▽
【腰裏ねじりストレッチ】縮んだ”胸の筋肉”を伸ばし、伸びた”腰の筋肉”を縮めることができる▽
また、肩こりの方は、首肩甲骨の筋肉がガチガチに硬直していて、
腰痛の方は、腰周辺の筋肉がガチガチに硬直しています。
こういう「コリ型・ハリ型の硬直」の場合は、”伸ばす&縮めるストレッチ”の両方行うのがオススメです。
【首横ムービング】右の首肩を伸ばしつつ、左の首肩を縮めるストレッチ▽
【ヒップサークル】腰の筋肉を伸び縮みさせることで、腰痛を解消できる▽
【腰横ストレッチ】左右差があれば、「キツく伸びる方」を長めにキープしよう▽
4. まとめ|体を柔らかくするストレッチ
今回解説したことを簡単にまとめます。
①筋肉の硬直の仕方には「縮んで硬直」と「伸びて硬直」がある
②縮んだ筋肉は伸ばす、伸びた筋肉は縮めると、柔らかくなりやすい
③「筋肉の長さ」は、あなたの骨の位置(普段の姿勢)で判別しよう
いろいろとややこしいですね。
さらに簡単にまとめると、
「伸ばすストレッチだけじゃなく縮めるストレッチもすると、体が柔らかくなりやすい」
ということですね。
本当に硬くなった筋肉は、伸ばすだけでも縮めるだけでも柔らかくなりにくいので、
「ここの筋肉、硬いなぁ」
「なかなか、柔らかくならないなぁ」
と感じたら、”伸ばす&縮める”の両方のストレッチを試してみてください。
そして、カラダの声を聴きながら、
「右腰の方がキツく伸びるから、長めに伸ばそう」
「背中は縮めるストレッチをしたほうがスッキリする」
と、あなたの体に合わせたストレッチをしてあげましょう。
あなたの体が柔らかくなりますように。
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