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【体を柔らかくする応用知識②】硬い筋肉が緩む「原因筋」の探し方

まず【原因筋】とは、”体の硬直(不調)の原因となる筋肉”のことです。

基本的には、「硬いポイント」=原因筋なので、硬いポイントをマッサージやストレッチで緩めれば、筋肉は緩みます。

ただ、「硬いポイント」にアプローチしても硬い部分が緩まないことも多いです。

例えば、

・肩こりポイントをいくらほぐしても、肩こりが解消しない(柔らかくならない)
・腰痛ポイントをいくら緩めても、腰痛が解消しない(腰が柔らかくならない)
・股関節をいくらストレッチしても、股関節が柔らかくならない

という風に。

そんな時は、【関連筋】=硬いポイントとつながる筋肉の中から、【原因筋】を探し出しましょう

あなたの不調や硬い部位の元になっている筋肉=原因筋を見つけ、そこにアプローチすれば、あなたの体は劇的に柔らかくなるから。

今回は、原因筋の探し方について、僕のセラピストとしての経験をもとに、わかりやすく解説していきます。

1. 原因筋とは?

硬いポイント(A)とは離れたポイント(B)を緩めることで、(A)が緩むことがよくあります。

この時、「(B)が(A)の原因筋」ということになります。

(説明が下手すぎて涙が出てきます。)

例えば、肩こりを解消するために

・腕を緩めると肩こりが解消する
=腕が肩こりの原因筋
・脇を緩めると肩こりが解消する
=脇が肩こりの原因筋
・首の前側を緩めると肩こりが解消する
=首の前側が肩こりの原因筋

ということですね。

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これはあらゆる「不調(痛み)」や「硬い部位(柔軟性の欠如)」に共通します。

つまり、

・首肩こり
・腰痛
・頭痛
・背中の張り
・脚の張り
・腕の張り

といった「不調」は”不調の原因筋”にアプローチすることで解消します

また、

・前屈が苦手
・後屈が苦手
・開脚が苦手
・肩が上がりづらい
・足が上がりづらい

といった「体の硬さ」は”体の硬さの原因筋”にアプローチすることで体は柔らかくなります

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では具体的に、原因筋はどのように探し出せばいいのでしょうか?

方法はシンプルで、

「関連筋にアプローチして→反応を確かめる」

これだけです。

これは、僕が不調や体の硬さに悩むお客さんを施術する時の流れでもあります。


2. 僕(施術者)の原因筋の探し方

まずは、「辛い(硬い)ポイント」をほぐしたり伸ばしたりします。

例えば、

・肩こり→肩こりを感じる部位をほぐす&伸ばす
・腰痛→腰痛を感じる部位をほぐす&伸ばす
・頭痛→頭をほぐす
・股関節の硬さ→股関節を伸ばす&ほぐす
・裏ももの硬さ→裏ももを伸ばす&ほぐす

という風に。

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前述の通り、「辛い(硬い)ポイント=原因筋」であることが多いので、
その部位を時間をかけてマッサージやストレッチで緩めれば、筋肉は柔らかくなります。

ただ、「辛い(硬い)ポイント」にアプローチしても柔らかくならない場合、
「そのポイントの関連筋」にアプローチして、反応を確かめます。

例えば、以下のような感じ。

・肩こりの関連筋
=首・肩甲骨・背中・脇・腕をほぐす&伸ばす
→肩こりが解消したか(肩こりポイントが柔らかくなったか)確認する
・腰痛の関連筋
=腰・背中・お尻・股関節・お腹をほぐす&伸ばす
→腰痛が解消したか(腰痛ポイントが柔らかくなったか)確認する
・頭痛の関連筋
=頭・顔・首・肩甲骨をほぐす&伸ばす
→頭痛が解消したか(頭が柔らかくなったか)確認する
・股関節の関連筋
=お尻・腰・太もも(前もも・裏もも・内もも・外もも)・ふくらはぎをほぐす&伸ばす
→股関節が柔らかくなったかを確認する
・裏もも(前屈)の関連筋
=太もも(前もも・裏もも・内もも・外もも)お尻・腰・ふくらはぎをほぐす&伸ばす
→裏ももが柔らかくなったかを確認する

という流れですね。

途方もない作業ですが、宝探しみたいで面白くもあります。

僕を含め、整体院やサロンの施術者は、あなたの不調を解消するために、60分かけて「あなたの不調の原因筋探し」をしているわけですね。

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実験をするように原因筋を探そう!

あなたが自分で体を柔らかくする時・不調を解消する時も、同じような流れで色々と実験をしてみてください。

原因筋探しの流れを整理すると、

⑴目的を明確にする
⑵不調(硬い)ポイントにアプローチする
⑶不調(硬い)ポイントの関連筋にアプローチする

の3つに分けられます。

①目標を明確にする

ただ、漠然と「体を柔らかくしたい」・「不調を解消したい」だけだと、実験をしても、振り返りができません。

あなたは「どこの部位・どのくらい柔らかくしたいのか?」を明確にしましょう。

例えば、

・肩こりを解消するため
・腰痛を解消するため
・股関節を120度開いたまま、前屈をできるようにするため
・立った状態の前屈で、手のひらをべったりと床につけるため

という風に。

目標は何でもいいので、「具体的に・分かりやすい目標」を作れると、実験結果を検証しやすいです。

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②不調ポイントに直接アプローチする

前述の通り、基本的に「不調(硬い)ポイント=原因筋」であることが多いので、まずはそこにアプローチしましょう。

・肩こり解消目標なら→肩こりポイントをほぐす・伸ばす
・腰痛解消目標なら→腰痛ポイントをほぐす・伸ばす
・開脚ベッタリ目標なら→股関節(内もも)を伸ばす
・前屈ベッタリ目標なら→裏ももを伸ばす

「不調(硬い)ポイント」にアプローチして、それで不調が解消すれば万々歳です。

解消しなくても、「不調ポイントの硬さ=現状」の確認になります。

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③関連筋にアプローチする

「不調(硬い)ポイント」にアプローチしても、不調が解消しない場合・体が柔らかくならない場合の理由は4つ。

①部位が違う
→原因筋を探す
②部位が足りない
→色々な関連筋を緩める
③量が足りない
→もっと時間をかけて緩める
④方法が足りない
→ストレッチ(伸ばす)だけじゃなく、マッサージ(ほぐす)・エクササイズ(伸ばす)もする


今回の趣旨は①・②についてですね。

まずは、「不調(硬い)ポイント」に近い関連筋からアプローチしていきます。

・肩こりポイントに近い関連筋
→首・肩甲骨をほぐす・伸ばす
・腰痛ポイントに近い関連筋
→お尻・背中をほぐす・伸ばす
・開脚ポイントに近い関連筋
→お尻・太ももをほぐす・伸ばす
・前屈ポイントに近い関連筋
→腰・お尻・太ももをほぐす・伸ばす

関連筋を緩めたら、「硬い(不調)ポイントの反応」を確かめます。

「首をほぐしたら肩こりが楽になった!」
→首があなたの肩こりの原因筋

「肩甲骨を伸ばしても肩こりが解消しない…」
→首・腕・背中・胸が肩こりの原因筋かも

「お尻を伸ばしたら開脚しやすくなった!」
→お尻があなたの開脚ポイントの原因筋

「太ももを伸ばしても前屈しやすくならない…」
→腰・お尻・ふくらはぎが前屈ネックの原因筋かも

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「不調(硬い)ポイント&近い関連筋」にアプローチしても緩まない場合は、徐々にアプローチする部位を広げていきます。

・肩こりポイントから遠い関連筋
→腕・頭・胸をほぐす・伸ばす
・腰痛ポイントから遠い関連筋
→お腹・太もも・ふくらはぎをほぐす・伸ばす
・開脚ポイントから遠い関連筋
→背中・腰・ふくらはぎをほぐす・伸ばす
・前屈ポイントから遠い関連筋
→背中・首・ふくらはぎをほぐす・伸ばす

さらに、原因筋は一つとは限らないので、

・首&肩甲骨&腕を緩めたら→肩こりが解消した
・背中&腰&お尻&太ももを緩めたら→腰痛が解消した

ということもよくあります。

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長々と解説しましたが、「原因筋探し」について簡単にまとめると、

「いろいろな部位を緩めれば、不調(硬さ)が解消する」

「体の反応を確かめながら、アプローチしよう」

ということですね。

まとめ|原因筋探しはカラダとの対話

「様々なアプローチをして→カラダの反応を確かめる」

これは、あらゆる不調を解消するための基本的な考え方で、「カラダとの対話」です。

料理とも似ていますね。

「様々な味付けを試して→あなた好みの味付けを見つける」

味・具材・調理方法の好みが人によって違うように、体を柔らかくする方法も人によって違う▽

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不調(硬さ)を解消する方法=正解はあなたのカラダだけが知っています。

「万人ウケする美味しさ=基本の不調解消法」もありますが、

「もう少し薄味が好きだな」

「もう少し柔らかめの食感が好きだな」

という風に、人によって味の好みが違うように、

「肩甲骨をこうやって動かすと肩こりが解消する」

「太もものこのラインを伸ばすと前屈がラクになる」

という風に、人によってカラダの反応(不調を解消する方法)も変わってきます。

(さらに深い話をすると、その日の体調によって味の好みが変わるように、その日の体の状態・過ごし方によって、どうすれば緩むのかも変わります。)


これまでは、「施術者(体のプロ)」が、あなたのカラダと対話を繰り返してきましたが、
これからは、「あなた自身」が、あなたのカラダと対話をできるようになれば嬉しいです。

あなたのカラダと一生寄り添っていられるのは、あなた自身だから。

あなたのカラダが柔らかくなりますように。

サポート!ありがとうございます☺︎