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ことばは変わる

ファミコン言葉ってご存じですか?

現代語の一つで、ファミリーレストランやコンビニのアルバイトの方々が、少しでも感じよく接客しようと、一生懸命がんばって編み出した接客用語と言われています。

「ご注文はコーヒーでよろしかったでしょうか」
「こちらが新発売のおにぎりになります」
「カードの方でお支払いになると10%割引きできる形になっております」

今では毎日聞くことば、すっかり定着していますね。

ただ、こういった話し方は世代間でギャップがあり、若い方には違和感はないようですが、年代が高くなるにつれて、「今からコーヒーを頼むのに“コーヒーでよろしかったでしょうか”と過去形になるのは違和感がある」と感じる人も多いのではないでしょうか。

ぜひ「ご注文はコーヒーでよろしいですか」と現在形にしてほしいところです。

「こちらが新発売のおにぎりになります」という言い方ですが、
「~になる」というのは、基本的には変化するときに使うことばで、
「まもなく8時になります」といった時に使います。
おにぎりはラーメンにはならないので「こちらが新発売のおにぎりです」と断定して話します。

「カードの方でお支払いになると10%割引きできる形になっております」という言い方ですが、
「~の方」というのは、本来は方角(東西南北・前後や左右など)を示す時や、二つ以上の選択肢がある場合「○と○のどちらの方がいいですか」といった使い方をすることばだと言われています。

「カードでお支払いになると10%割引になります」というシンプルな言い方で十分感じよく伝わります。

合わせ技でくる人もいます。                          「カードをお忘れになった場合は、ポイントの方がつかない形となりますがよろしかったでしょうか」・・ 一見プロっぽい感じはしますが、こういったことばがずっと続くと、なんだか疲れます・・


年代関係なく定着した「ら抜き言葉」


テレビの街頭インタビューなどを聞いていると、「食べれます」「見れます」という言い方をほとんどの方が使っていて、すっかり市民権を得た感じです。

が、画面の下に出てくるテロップでは、必ず「食べられます」「見られます」と訂正して表示されているのはお気づきですか?

どうしてこういった使い分けをするのか難しいのですが、このような説明があります。
  動詞に「〜ない」をつけて未然形の形にする
   ⇒ 「〜ない」の直前が何段になっているか確認する
   ⇒ イ段エ段の場合は「られる」を、ア段の場合は「れる」をつけ る

「食べれる」の場合は、
⇒ 「食べぇない」とエ段ですから「られる」をつける。        「食べられない」となる・・ということで す。 

「書く」⇒「かかぁない」とア段なので「書ける」というわけです。

日本語ってむずかしいですね・・
皆さんはどのくらい意識して話していますか?

ことばは生き物! 時代と共に進化する。

昔「とんでもないことでございます」という言い方が正しい言い方だったと聞いたことがありますが、
今では「とんでもないです」も正しい言い方として正式に認められています。

私自身「とんでもないことでございます」は、ちょっと気恥ずかしくて使えない・・と思っていました。

しかし先日、ネットバンキングの使い方が分からず、カスタマーサポートセンターに電話して教えてもらった時のことです。

20分位だったでしょうか。四苦八苦してやっと解決したとき、嬉しくて「お手数かけましたね、本当にありがとう」とお礼を言ったら、若い方でしたけど「とんでもないことでございます。私も嬉しいです」と言われたんです。

なんて美しい響きのことばでしょうか。                      そして、そんなことばを使うあなたはなんてすばらしいんでしょう。   私も嬉しいです・・って言えるあなたはなんてステキなんでしょう!

年上の者として、「使うのが口はばったい」などと思っていたことがとても恥ずかしくなりました。
日本語は美しい・・  いいことばは使い続けなくちゃ・・ と反省、勉強させられました。

ことばの勉強は生涯学習

社会人になりたての頃は、敬語などのことばづかいに苦労するものですね。

でも、コミュニケーションの大きな部分を占める「ことば」というツールは、大人になっても学び続ける生涯学習といってもいいでしょう。

どんな言葉を使うかによって人生が変わっていく・・と聞いたことがあります。どんな言葉を選ぶかは自分の心が決めていく。ことばは心そのものなんですね。

きれいなことば、正しい敬語、感じのいい話し方、いろんなことばがありますが、なにより気持ちがこもっているかどうか・・ということが大切だと思います。

話す相手にとって一番マッチする話し方ができること。         その人のためにどんなことばを選ぶのか。「ことばの前に思いやり」ってことでしょうか・・

どんなに正しい敬語で話されても、笑顔もなく、冷たいトーンという気持ちのないものでは全く印象がよくありません。
逆に、少しくらい敬語が間違っていても、一生懸命に対応してくれる方がすごくうれしい・・

あぁ、だからベテランで、仕事は小慣れていて頼りにはなるけど心には残らないという方がいる一方、少々たどたどしいけど「半人前だからせめて気持ちでカバーしよう」という熱意ある新人さんの方が好きだったりするのか・・
そんなこと、いっぱいあります。

ことばづかいは勉強すればすぐに身につくというものではありません。
毎日の中で、「今の言い方はどうだったかな」「敬語はできていたかな」と、少しずつに正しい使い方を覚えていくものです。          結局 ”心を磨いていく” ということなのかもしれませんね。

いいことばは、気持ちがこめられているから人をきれいに見せてくれます。
若い皆さん、少々の間違いを恐れることなく、心をこめてということを大事にしてくださいね。

私もまだまだ勉強して、少しでも成長していきたいです!(^^)!

今年の暑さは大変です。皆さんくれぐれもご自愛ください。

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