接遇って完璧じゃなくてもいいんだよ
「とりあえず精神」が大事!
接遇といえば顧客満足につながる重要なサービスツール。
自分の言動で相手に不快感を与えるなんてことがあってはいけない、
絶対に! ・・ 多くの方がそう思っているでしょう。
特に私のように接遇の仕事をしている講師なら「ちゃんとできるようにしましょう!」と言うのがいうのが当然です。
でも恐れずに言います。
「失敗もあるよ。人間なんだから・・完璧じゃなくていいんだよ」
「とりあえず頑張ってみよう」が大事だよ!
なぜこんなことを言うのか、
いつものように医療現場でよくある事例からご説明したいと思います。
病院では 「比較的空いてる曜日はありますか」とか、
「手術したらどのくらいの費用がかかりますか」といった質問がよく聞かれますが、スタッフからは「お答えするのは難しい」「何とも言えない」といった答えがよく返ってきます。
会話の中でこういった言葉が何回か繰り返されると「患者の立場で考えてくれない」「誠意がない」「不親切」といった印象が強くなってしまいます。
また、患者にとって大きな悩みである待ち時間。
何の説明もなく待たされていると、「すみません。もう1時間以上待ってるんですがあとどのくらいかかりますか」と遠慮がちに聞かれる方がいます。
「今日は混んでるのでだいぶんお待たせしているんですよ。もうすぐ呼ばれると思いますのでもう少し待っててもらっていいですか」。
だいたいこんな返事が聞かれるのではないでしょうか。
結局患者は、あとどのくらい待つのかも分からないまま、ため息をつくしかありません。聞いていた他の患者さんもきっとがっかりしているでしょう。
こういった対応は「いい加減なことをいうと迷惑をかける」「クレームになったら困る」「忙しいからそこそこに話を終わらせたい」などいろんな理由があると思いますが、結局は自分の立場を守っているといえます。
最初から100%でなくていい
こんな時私は、最初から100%完璧な対応を目指すと動きが取りにくくなると感じています。
例えば、山登りも最初から頂上だけを目指して必死に登るのではなく、木々の緑や爽やかな風を楽しみながら一歩一歩進んでいけば、視野も広がり、気持ちにも余裕が持てます。
言い方は悪いかもしれませんが、まずは「とりあえず登ってみよう」というように、「とりあえず調べてみよう」と、相手の立場に立って行動してみることが大切です。
たとえその時に期待外れのお返事しかできないとしても、相手の心情を大切にお話をすればいいのです。
大事なのはどう行動するか。そのプロセスではないでしょうか。
あなたならどうする?
例えばこんな対応はどうでしょうか。
「お待たせして申し訳ございません。今日は患者さんが多くていつもより込み合ってあっております。あとどのくらいかかりそうか調べてみますね」
あるいは時計を何度も見て時間を気にしている方に気づいたら、聞かれなくても状況を調べて、「大変お待たせしております。今受付から診察までおよそ30分待ちとなっております。ご都合は大丈夫ですか」といった具合に相手の立場に立って行動し、少しでも安心して気持ちよく待っていただくようにします。
そんな誠意が相手の心を和ませ納得していただくことにつながるのです。
最初から「お答えできかねる」ではなく、
「とりあえず行動してみる」
「とりあえず相手の立場に立って考えてみる」ことが大切ではないでしょうか。
ベストを目指すために、一つひとつの応対をベターにしていこうとする気持ち、その誠意が一番大切であり、そのプロセスが大事なのだと思います。
最初から完璧でなくてもいい。
ぜひカッコつけず力まずに、心をニュートラルにしてあなたらしい接遇を始めてみて下さい。
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