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手段が目的化している具体事例

前回の記事は、
手段が目的になっていないか?
というテーマでお伝えしました。

恥ずかしながら、
私自身もふと気づくと
手段が目的になっていることが
本当によくあります。

とはいうものの
それに気づいている、意識している
ということはよいことですね。


今回の記事では、
私自身や私の周りで
手段が目的化している具体事例
をいくつかご紹介したいと思います。

■ DX(デジタルトランスフォーメーション)化が目的になってしまっている

最近多いですね。
業務のデジタル化による効率アップのことです。

手段が目的化してしまう事例としては、
今一番多いのではないでしょうか?

DXはほぼバズワードに近いと思っています。

もちろん、DXで業務効率を向上し、
業績を向上させている企業は多々あります。
そのような企業は、DXを採り入れる以前に目的や課題が明確です。
その手段としてDXを検討しているからうまくいっているのです。

逆に言うと、DXを導入したのにうまく行っていない企業は、
DXの導入自体が目的になってしまっています。

「世の中DXだ! うちも遅れないようにDXを導入しよう!」
世の中の流れだけではうまく行きませんよね。

高い費用をかけてDXを導入したのに全く使われなかったり、
逆に効率が悪化してしまうというケースも少なくありません。

DXは手段です。
必ず目的を明確にし
手段としてDXを検討していきましょう。

■ データ活用することが目的になってしまっている

少し前に騒がれたワードですね。
ビッグデータ活用とも言われていました。

私は前職ソニーでの最後の仕事が、業務用機器の特殊機能を
ライセンスとして顧客に提供する事業の立ち上げでした。

Webプラットフォームも運用していたので、
顧客の情報やどのライセンスや
どの機能がよく使われているかなどの情報が
蓄積されていくわけです。

ちょうどそのころ、
この“ビッグデータ”がほぼバズワードのようになっていて、
「ビッグデータを活用しろ!」
という指令が各事業部の企画やマーケティングチームに
飛んでいました。

そのため
いろいろな事業部から相談を受けて、
ビッグデータをどう活用していくか
トライアルしていくのですが

うまく進む部署はやはり目的、
つまり知りたいことや仮説が
しっかりしています。

逆に
データ活用をすることが目的になってしまっていると、
一生懸命にデータを分析したのにその結果を見て、
「ふーん、なるほど」
くらいで終わってしまうことがよくありました。

前回の記事で事例としてあげた
「ユーザー調査」も同じです。

データ活用する、データ分析するときは、
まず「何を知りたいのか」を具体化し
その上で仮説をたてて
その検証のためにデータを活用しましょう。

■ フレームワークを活用することが目的となってしまっている

フレームワークの活用も手段が目的化してしまうことがあります。

フレームワーク自体はどれもよくできていますが、
フレームワークを埋めたからそれで完成ではありません。

フレームワークを埋めることが目的になってしまい、
それで終わってしまうことがよくあります。

フレームワークを使って考え、
そこからヒントを得たり、
自身の企画の抜け漏れをチェックする
企画を研ぎ澄ましていく
という目的で使いましょう。

■ 1on1ミーティングが目的となってしまっている

私はコーチングスクールの講師もしているので、
この1on1ミーティングの話は本当によく出ますし、
相談をうけることもしばしばです。

先日も大手企業の管理職をつとめる友人と、
こんな会話がありました。

「白神さぁ、今流行りの1on1ミーティングをしろ、
という号令があって、始めたんだけど、
全くうまくいかないんだよ。」

「ほう、よく聞く話しだね。
その1on1ミーティングは、
どんな目的で実施しろという
号令になってるの?」

「いや、人事からは
“1on1ミーティングを実施するように”
という指示だけだよ。」

「そうか。 それはつらいね。 あるあるだよね。」

「指示だけ」は本当にあるあるです。

他の企業でうまく行ったと聞いたから、
今流行っているからという理由だけで
1on1ミーティングを実施すると
全くうまくいきません。

自社の課題は何で、
1on1ミーティングをすることで
何を達成したいのかを明確にし
ルールを設定する。

そして
関係者間ですべてを共有した上で
実施する必要があります。

1on1ミーティングにも
課題や目的によって
いろいろなやり方や事例があります。

その友人にも色々な事例を紹介し、
1on1ミーティング自体はとても効果の高いものなので、
少なくとも自部署だけでもその目的や目指したいことを
チームで共有したらどうかと提案しました。

1on1ミーティングは典型的な手段です。
目的化しないように気を付けましょう。

■ 理由・目的を明確にしてから活用する

いかがでしたでしょうか?
他にも手段が目的化してしまっている事例はたくさんあります。

大きなタスクから小さなタスクまで、
何かうまく進まなかったり、しっくりこないときは、
「そもそも、俺たち何の目的でこれをやってるんだろう?」
と、そのタスクの目的を再確認してみるとよいかもしれません。

目的は当然企業によって、人によって異なります。
また、目的は一つではなく、複数ある場合もあります。

目的と手段を意識しながら、効率よく行きましょう!

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