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新規事業開発・商品企画開発プロジェクトのヒント

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ソニー(株)で約25年、独立して4年約30社の新規事業・商品企画に携わってきた経験から、企画やプロジェクト現場へのヒントになる記事をまとめています
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#ソニー

失敗に敏感になりすぎてはいませんか?

「新規事業開発での失敗事例を教えて下さい」 というリクエストを企業さんやプロジェクトチームの方から 受けることがあります。 また、セミナーのご依頼の際には 「失敗しない新規事業開発のコツ」 といったタイトルのご指定を受けることもあります。 今回は新規事業開発・商品企画を進める上で ”失敗する” ということの捉え方についてお伝えします。 |失敗と捉えるか、検証と捉えるか 新規事業に限らず 人は "失敗" にはどうしても敏感になりますね。 新規事業に失敗はつきもの 失敗は

我が社の役割ってなんですか?

私が新規プロジェクトに伴走支援で関わらせていただくときは 様々な企業の事例や関わったプロジェクトの事例の紹介だけでなく 必ずミッション・ビジョンの話をします。 成文化されたその会社のミッション・ビジョンと そこで働く社員各人が会社の役割をどのようにとらえているか この2つの観点については、興味深いエピソードがあり 私はよく次のような話をします。 |ソニー社員が思うソニーの役割 私がいたソニーでは、社風といえるかもしれませんが 「何か新しいことをやる」 「世の中にまだな

企画に必要なヒアリングの回数は?

企画現場をサポートしていると ヒアリングが必要な場面がでてきます。 「ヒアリングは何回したらよいのでしょう?」 こんな質問にお答えします。 |なんとなく分かってくるヒアリングすべき回数 企画は現場! 企画は足で稼ぐ! と私はいつも皆さんにお伝えします。 すると 「ヒアリングは何件すればよいでしょうか?」 「現場はいくつまわればよいでしょうか?」 とよく聞かれます。 実際どうなのでしょう。 一般には 100聞け、とか、300聞け とか言われています。 ですが企画に

これぞ”企画マインド”! ソニーで培った企画マンに必要なマインドとは?

企画マンに必要なものは何だと思いますか? もちろんスキルや知識は大切ですが、 それ以前に持っていておくべきものーそれは ”企画マインド” であると私は思っています。 私のソニー時代の経験を交え 今回は企画マインドについてお伝えします。 |知識・スキルより まずは企画マインド 「企画に必要なスキルは何でしょうか?」 新規事業や商品開発のサポートでこんな質問を受け、 いろいろお話する機会がありました。 企画と言えばやはり ・企画プロセス ・ビジネスモデル ・マーケ

製造業のサービス化で大切なこと ~私の体験から~

最近よくお問い合わせをいただいたり、ご支援の中で話題に上るテーマに 製造業のサービス化(サービタイゼーション) があります。 製造業大手さんのサポートでは、ほとんどがこのテーマがらみです。 今回は「製造業のサービス化」について実例を交えてお話します。 |製造業のサービス化のパターン 製造業のサービス化とは つくり手視点で言うと 商品(プロダクト)の製造販売にサービスの要素を付加するビジネスモデル のことです。 最近注目されているビジネスモデルですね。 「モ

孫正義さんの3つのアイデア発想法

ここのところメンタル系や精神論系の話題がつづいたので 今回はノウハウ系の話をお伝えします。 |孫正義さんの3つのアイデア発想法 企画はやはりアイデアが大切ですよね。 先日の勉強会で ソフトバンク 孫正義さんのアイデア発想法の話を聞きました。 孫正義さんの発想法は3つだそうです。 ① 問題解決発想法 ② 逆転発想法 ③ 複合連結法 常にこの3つを意識していろいろな発想をし、 事業を展開されているとのこと。 ひとつづつ見ていきましょう。 ① 問題解決発想法 顧客課

成功を狙うなら、プロジェクトには名前を付けろ!

私が新規事業開発や商品企画の プロジェクトをサポートするとき 必ず「プロジェクト名をつけましょう!」 とお伝えしています。 理由はたくさんありますが、大きく2つ、 1)親しみやすくなる 2)想いが伝わる があります。 では、具体的にお話していきましょう。 ◇1)親しみやすくなる ◇ プロジェクトは、いろいろな関係者を巻き込んで、 味方にしていかなければなりません。 名前が無いプロジェクト、 たとえばヘルスケアの開発プロジェクトなら 「ヘルスケア 新規事業開発プ

アイデアはつくるもの~その2~(前半)

前回の記事では”アイデアはつくるもの”という概念で 「ノックスライド式USBメモリー」の商品企画についてご紹介しました。 その記事はこちら 今回はもうひとつの私自身の体験談として 「聴診音のAI診断支援」という企画を どのように進めていったのかについてお伝えします。 残念ながら この企画はソニーは最終的に手を引く形となり パートナー企業に推進を引き継ぎました。 とはいうものの、アイデアの形が変わりながら企画が進んでいった よい事例だと思いますのでご紹介します。 ◇サ

マーケットイン派?プロダクトアウト派?

先日の記事は 「顧客に尋ねたら、『もっと速い馬車が欲しい』と答えただろう」 というテーマでした。 顧客は答えをもっていません. 顧客ヒアリングやユーザー調査では答えを求めず、 答えにつながるかもしれないヒントを探しましょう。 と、この記事の内容に対して あるメーカーの方から以下のようなご意見をいただきました。 これは本当に大切ですよね。 先日、新規事業開発に関するセミナーに参加した際も セミナーの講師の方が 「プロダクトアウトはダメ。 必ずマーケットインの発想で行く

商品・サービスには顧客価値を定義しよう!

今回は「顧客価値を定義しよう」 というテーマについてです。 先日企画サポートをしているお客様の会議で 顧客価値(お客様にとっての価値)の話になりました。 顧客ベネフィットとも言いますね。 ◇つくる側の視点、顧客側の視点◇ お客様の会議の中で 特長あるとてもよいアイデアが出たのですが 「いいですね!じゃ顧客価値はどうなるでしょう?」 の問うと、 「う~ん… たしかに…」 となり みんなで悩みました。 つくる側の視点から入ると どうしても商品の性能やスペックが優先され 顧

企画に必要なのは10%のクリエイティビティと90%のパワーだ!

◆企画は10%のクリエイティビティと90%のパワー◆ この言葉は、私がソニーの企画チームに参加して、いきなりある商品の企画を任され、右も左も分からず途方に暮れていたときに、他部署の企画の先輩に教えてもらったものです。 当時、私は企画のいろはも分からず、企画の先輩たちに「企画ってどうやって進めるんですか??」と聞きまわっていました。 おそらく、いろんな方にいろんなことを教えていただいたと思うのですが、 「企画は10%のクリエイティビティと90%のパワー!」 この言葉が、

プロジェクトはミッションで強くなる!

このnoteを読んで下さっている皆さんは企画、プロジェクトに興味をお持ちだったり、実際にお仕事として企画を進めていらっしゃる方だったりするのではないでしょうか? 今回は ミッションや理念を明確にするとプロジェクトが強くなる ことについてお伝えします。 ◆ミッションや理念を明確にするとプロジェクトが強くなる◆ 市場を創造していく新規事業開発のような、比較的大きなプロジェクトの場合には、そのプロジェクトのミッションや理念を明確にし、ぜひ明文化してみてください。 その効果は