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苦しんだ2023年9月期通期決算についての思い

上期はナレッジスイート株式会社、下期はBBDイニシアティブ株式会社として変則的な第一期を終えることができました。
非常に苦しんだ年だったと感じています。
2023年9月通期決算資料
何故苦しんだ年だったのか?を数字の意味を嘘偽りなくお話をさせていただきます。
ナレッジスイート株式会社として不甲斐ない年を送っていたことは言うまでもありません。
ただ一貫して言えたことは、当社は「クラウド(SaaS)開発ベンダー」であるということの誇りを持つ
2006年日本で国産で初めて、マルチテナント型のSaaSを開発しリリースしたという誇りです。
この誇りが経営に大きくのしかかり、呪縛へと変わっていったこと。
1.開発は先端を進むための研究開発と開発主導の経営を行う。
2.良いものを作れば自然と売れる。
3.良い開発環境があれば採用も離職も少ないはず。

その環境と体制は身の丈を無視し、投資を続けてきました。
その結果、特に研究開発費が大きく膨らんでいきました。
更に皆さんが期待する成長を狙うが為に、過剰なプロモーション投資、営業投資を繰り返し、まだまだ他社と比べても売上規模が小さい当社は、無理な成長を狙うが為に利益を大きく犠牲にする必要が出てきました。それも中途半端な投資で…
大きな開発投資をし続けながら、「売上を伸ばさなければいけない」更に「利益を残さないといけない」という呪縛です。
元々背伸びし続けていたことは承知しております。身の丈に合わない投資をし続けてきたことへの反省です。
売上7億円強でマザーズに上場し、5倍10倍の売上を持つ会社と同様の開発投資を続けてきました。
上場したからこそ、売上を大きく伸ばし、利益拡大を狙う。
これがなかなかできませんでした。
上場前から抱えていた問題を含め、
「上場時にSaaS売上の50%あった某企業の成長スピードが非常に遅かった」ことで、売上全体の伸びが鈍化して見えてしまっていたことへの懸念。
ようは当社直販のSaaSが150%で成長していても、某企業の代理店としての売上成長率が105%なら合わせると127%「(150%+105%)/2」しか成長できていないことになってしまう懸念をネガティブなこととして説明できなかった。
「売上は成長するが、利益がほとんどない事業をどうすれば良いのか?」事業を整理すると売上が大きく沈んでしまう懸念から、捨てる勇気が持てなかった。
「最新のテクノロジーを実装し進化し続けてきた各SaaSの価値」をどう見極めるか?実際は使えなかった最新のテクノロジーを使った進化は、旧サービスの技術を採用せざる負えない開発途中のサービスもいくつかあったこと。
また「単独で売れなかったサービスを、現在のSaaSや新KSへの実装を進めて続け、負の資産が生まれる予兆」があったこと。
「新テクノロジーの検証やそれらを活用した研究開発、またサービスへの実装検証など、莫大な開発投資を繰り返してきました。」いつか大きな成果が出る、また当社の規模が大きく成れば、それら研究開発費を吸収できる時が来る。と身の丈以上の投資をしナレッジスイート株式会社時代に続けてきました。完全に経営判断ミスであり、10年後の自分たちの姿を夢見て気が大きくなっていたのかもしれません。
以前から言い続けている、SaaS企業なら最低でも営業利益10%を出す必要がある。
1年以上前から考えていたホールディングス化を迎えるにあたり、最低でも営業利益10%以上でスタートしたい。
その為に必要な、取り組み及び施策を第一期中に全て終わらせること。
これが経営者として大きな決断でした。

2023年9月期、取り組んできたこと

今決算の内容は、それらの実行成果を反映されたものになります。
売上も不採算事業からの撤退を行った結果。
逆に成長が止まっているまたは成長が衰退している利益率の高い事業も、効率的ではないと判断し撤退を決断しました。
実際には不採算事業の整理は2023年9月期では90%ほどが実行され、もう少しで終わるといった状況になります。

取り組みと目的

それにより事業の選択と集中に向けた大幅な人事異動を実行し続けており、これにより不採算事業やサービスによる減損処理を行いました。

業績ハイライト

2023年9月の細かい説明はここでは割愛させていただきますが、サブスクはわからず順調に伸びているということだけはお伝えさせていただきます。

では痛みによる効果は実際どうなのか?
取り組んできた詳細を列挙し実現可能な根拠を説明します。

実現可能な根拠

前期及び前々期の決算資料を見ていただければわかる部分もありますが、重くのしかかっていた開発投資及び採用を、過剰だった投資を身の丈に合わせたました。またホールディングス化に伴い社員の人事異動を積極的に行い、選択と集中路線に切り替え、現在も人事異動及び組織改編を進めております。

成果のコミット

ただ計画の数字を作ることだけでは、どんな企業も発表することは簡単にできます。
その実現性を更に上げる為に、実行した根拠を説明し、またはじめての株主還元を実施することで、物足りなさもあると思いますが、初配の配当性向20%を計画とその実現性の高さを示させていただければと決断しました。将来的には配当性向50%を目標に、今までのナレッジスイート株式会社だった良いところも悪いところも忘れ、BBDイニシアティブ株式会社として通期で迎える実質第一期を進めていきます。

今まで不甲斐ない株価。そして営業利益率。この2023年9月期で実行した痛みは、今期営業利益10%を確実なものにする取り組みであったこと。将来配当性向50%に向けて、今期実態収益力をお見せする大切な年を確実に成果を出すことが重要だと考えております。

業績予想

皆さんが考えている、また言いたいと思っている覚悟はできております。
まず確実に営業利益10%以上をコミットしたいと思います。
また今期は良い発表ができるよう努めます。
宜しくお願いします。


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