喘息の4つのタイプとアプローチ方法

皆さんおはようございます!

整体院「感喜」の金子です!



今回は喘息のタイプについてお話したいと思います。

実は喘息といっても様々なタイプがあり、それぞれのタイプで特徴があります。その特徴を知ることでどのような対策をすればよういのかが分かりますので、喘息の方は是非確認していただきたいなと思います。



喘息の4つのタイプ

喘息には以下の4タイプがあり、それぞれ解説していきたいと思います。

表現型

自然史と臨床的特徴


病理学と

バイオマーカー

早期発症アレルギー性

早期発症、軽症から重症の症状;アトピーを伴うことが多い

総/特異的 IgE;Th2サイトカイン;肥厚したSBM

遅発性

好酸球性

成人発症;しばしば重篤な症状;喀痰中の好酸球増加;少ない

アレルギー性;AERDを含む

CS抵抗性

好酸球増加; IL-5

運動誘発性

運動による間欠性;軽い症状

肥満細胞活性化; Th2

サイトカイン; システイニル,ロイコトリエン

肥満関連

成人発症;女性;OCS使用増加

使用;非アトピー

Th2バイオマーカーの欠如;酸化ストレス

好中球性

低FEV1;著しい空気捕捉;

頻回のOCS使用

喀痰好中球増加;

Th17経路;IL-8



早期アレルギー性(Early-onset allergic)タイプ

このタイプはIgEというアレルゲン(簡単に言うと自分の細胞以外の物質)を攻撃する免疫物質が血液の中に多くあるタイプです。この早期アレルギー性では症状は軽度から重度までありアトピーを伴うことが多いです。また気道が肥厚しやすいという特徴もあります。


このタイプはアレルゲンを吸い込みこれを自分の免疫細胞が気道で攻撃して炎症が起こり気管狭窄や分泌物増加により呼吸が苦しくなり、咳や痰が発生してしまいます。西洋医学的にはこのタイプの喘息は吸入ステロイドなどが効きやすいとされています。またこのタイプは小児が発症する年齢は年々下がっているとの報告もあり子どもにも発生しやすいタイプとも言えます。


そして、非アレルギー性喘息というものもあり、これは疲労やストレス、アルコールの摂取などアレルゲンが原因ではないタイプも存在します。



早期アレルギー性の場合は特定のアレルゲンに対するIgEが多いのが特徴なので、身近な環境でアレルゲンになる物資がないかを見つけておく必要があります。例えば、ほこり、ハウスダスト、動物のふけ、ダニ、真菌類(カビ)、花粉などがあります。まずはこういう要因を排除していくことが必要になります。




遅延型好酸球性タイプ

このタイプは成人発症すると治療が難しく持続的な呼吸困難感が出現し、頻回に症状が増悪するタイプです。また副鼻腔炎や鼻ポリープを併発しやすいのも呼吸困難の一員になっているようです。また症状だけだと慢性閉塞性肺疾患(COPD)と誤診されやすいとも言われています。


このタイプはステロイドが効きにくいという特徴もあり、症状の増悪が起こりやすくなります。

ちなみに、僕の喘息はこのタイプだったと思います(血液検査をしたときに好酸球値がかなり高値になっていましたので)。


さらにこのタイプは好酸球が上昇するタイプなので好酸球について説明します。


※点線内の内容は少し難しいの読み飛ばしても大丈夫です。

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好酸球は、エオシンでピンク色に染まる好酸性顆粒を持ち、骨髄造血幹細胞からGM-CSF、IL-3、IL-5の刺激によって分化増殖し、血中、粘膜へ分布していく。特にIL-5の作用は好酸球に選択的に重要であり、実際、抗IL-5抗体(mepolizumab)や抗IL-5受容体抗体(benralizumab)投与により末梢血や喘息患者の喀痰中の好酸球は激減します。



血液中の好酸球は、血管内皮細胞のp-selectinを感知して血管壁を転がり、好酸球表面のLFA-1、VLA-4を介してそれぞれ血管内皮細胞のICAM-1とVCAM-1に結合して血管壁へ接着し、血管内皮を通過する。さらに好酸球表面のケモカイン受容体CCR3を介してeotaxin、RANTES、MCP-4などの濃度勾配により病変局所へ遊走する。



好酸球はIL-5やGM-CSFなどによって活性化され、好酸球顆粒に存在するmajor basic protein(MBP)、マトリクスに存在するeosinophil cationic protein(ECP)などを放出する。これらは寄生虫障害作用を持つとともに、組織障害活性を持ち、好酸球による病態を形成する。また、好酸球からのleukotriene C4(LTC4)、LTB4、platelet activating factor(PAF)などの脂質メディエーター放出は、気道収縮や血管透過性亢進を促し病態を修飾する。



つまり、好酸球は炎症を起こす物質(炎症性サイトカインと呼びます)がきっかけで増殖して、異物がある組織へ移動していき活性酸素を使い異物を排除します。特にIL-5(インターロイキン-5)というサイトカインに反応することが分かっており、このサイトカインを抑える薬剤を使用すると好酸球が減少するということが分かっています。


また、好酸球はアニサキスのような寄生虫の排除で働きます。

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また、好酸球が増加する原因として、アレルギーや寄生虫感染以外にも薬剤アレルギーなどがあります。

この薬剤アレルギーは末梢血好酸球が2000/μl以上の好酸球増加の原因として頻度が最も多いと報告されている。好酸球増加の場合、まず薬剤を疑うべきである。と大阪大学大学院医学研究科が報告しています。



ここで視点を変て考えてほしいのは、現代の薬剤は元は石油から作られています。また石油は農薬や食品添加物にも使用されています。つまり、薬剤=農薬=食品添加物とも捉えることができるのです(現代科学や西洋医学はそうは考えませんが)。



なので、クスリなんて飲んでいない健康な人でも農薬付きの作物や食品添加物が含まれている食材を摂取すれば好酸球が上昇する可能性もあるので、このタイプはアレルゲン以外にも特に食事に気を付ける必要があるのではと考えられます。



運動誘発性タイプ

このタイプは運動により発作が起こるタイプで、運動すると呼吸数が増えます。それにより気道粘膜が刺激され気管狭窄が起こってしまい呼吸が苦しくなります。なので、乾燥していたり、空気が冷たい冬にはこのタイプの喘息は起こりやすいです。


このタイプは気道の過敏性がありますので、抗炎症作用がある食材などを摂取しておく必要があります。

実際、このタイプはかなりの炎症性サイトカインが放出されることが分かっていますので抗炎症対策は重要になってきます。



肥満関連タイプ

このタイプは成人に起こりやすく、また女性が発症しやすいタイプです。このタイプはアトピーの発症はなく経口ステロイドの使用頻度が多くなる傾向にあります。


肥満になると脂肪細胞(特に白色脂肪細胞)が多くなり炎症物質を放出しやすくなります。その結果、気道に炎症が起こると炎症が過剰に起こり気道狭窄が発生してしまいます。


このタイプの方は減量や抗酸化物質を摂取することが必要になってきます。



好中球性タイプ

このタイプは1秒間で息を吐きだせる量が低下しているタイプです。また経口ステロイドの使用が多くなる傾向にあります。

また好中球は交感神経が優位になると増加することが安保徹先生の研究で分かっていますので、このタイプはストレスが長期間かかっている方に発症しやすいと考えられます。


逆に言えば、このタイプの方はストレスへの対応や交感神経の働きを抑えることをしてあげるとよいとも言えますね。




栄養学的なアプローチ

今まで4つの喘息のタイプについてお話してきました、それぞれ、症状の出方が違いますが、元は免疫のバランスが崩れてしまい、炎症が過剰に起こってしまっている状態、別の言い方すると気道に触れた異物に対して自分の気道を傷つけるまでして排除しようとしている状態。



なので、感情や精神的な考え方は今回は置いておいて栄養学的に考えると炎症コントロールをしたり、気道(粘膜)の状態をよくしてあげるような栄養素を摂ってあげて、炎症や酸化を起こすものをなくしていく必要があります。



まず、炎症をコントロールするためにグルテンカゼインフリーをして、動物性食品を少なくして、精製された炭水化物(白米、砂糖、パンなど)、トランス脂肪酸(ショートニング、マーガリン、コーヒー屋にあるミルクもどき、植物性油脂)、農薬、化学性の食品添加物をできる限り排除していく。そして、魚や野菜、果物を多く摂取していくことが必要になります。



また、オメガ3(品質に注意)やビタミンC、E、ビタミンD、グルタチオン(N-アセチルシステインがよいです)、SAMeなどをサプリメントで摂取するのも炎症コントロールに役立ちます。



また気道の状態をよくするために良質なアミノ酸や鉄(微量、またはタンポポの根など)、ビタミンC、ビタミンAを摂取すると気道(粘膜)の状態の改善に役立ちますのでこれらを普段の食事にプラスして摂取するのもよいかもしれません。



注意として、ビタミンAは単独で摂取すると肺がんの発症リスクが高まることが示唆されいます、またビタミンCは血中濃度が高くないと抗酸化作用が発揮されにくので、リポソーマル化されているビタミンCなどを長時間血中に残り作用するタイプのビタミンCを使用するとよいです。




本日はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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