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若い世代の人達の甲状腺がんの原因とは?

今回はチェルノブイリ事故からの様々な研究から甲状腺がんの原因をお話します。



まずチェルノブイリ事故により放出された放射性物質には、ヨウ素-131、セシウム-137、ストロンチウム-90がありました。



当時、緊急時の発電所の約600人の労働者は、非常に高線量の放射線を受け、放射線障害に苦しんでいました。


6グレイ(Gy)を超える放射線を受けた人は全員、すぐに非常に病気になり、その後死亡しました。被爆が4Gy未満の人は、生存の可能性が高かったようです。


※グレイ(Gy)は、人の体が吸収する放射線の量の尺度です。



事故後も数年間にクリーンアップクルーの一部として働いていた何十万人もの人々が、1986年の約0.14Gyから1989年の0.04Gyまでの低い外部線量の電離放射線にさらされ、白血病のリスクの増加しました。


チェルノブイリ周辺の汚染地域の約650万人の住民は、はるかに少ない量の放射線を受けましたが、1986年から2005年まで、これらの人々は外部被爆および内部被爆により累積平均線量0.0092Gyを受け、ヨウ素-131に曝露された子供と青年は、甲状腺がんを発症するリスクの増加を示しました。



放射線がヨウ素-131の半分(半減期)に減少するのにかかる時間はわずか8日ですが、それが引き起こす損傷は、最初の被曝後何年もの間甲状腺がんのリスクを高める可能性があります。



つまり、低線量の被爆であっても長期間被爆し続けると危険であり、放射性物質がデトックスしきれていないことが分かります。


国立がん研究所(NCI)の研究者が主導した研究では、チェルノブイリ事故で高線量のヨウ素-131(平均0.65 Gy)に被曝した時点で18歳未満の12,500人以上が追跡されました。


1998年から2007年の間に、この集団で合計65の甲状腺がんの新規症例が発見されました。これらの新規症例の約半分はヨウ素-131曝露に起因していました。研究者らは、ヨウ素-131の線量が高いほど、甲状腺がんになる可能性が高いことを発見しました(1 Gyの被ばくはリスクの倍増に関連しています)。


彼らはまた、このリスクが少なくとも20年間高いままであることを発見しました。


放射線関連のがんおよびその他の疾患の疫学研究では、放射線疫学部門(REB)の科学者は、1986年のウクライナのチェルノブイリ事故の影響を受けた人々の甲状腺疾患と白血病の疫学研究を実施するために、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの研究者や科学者と数年間多国間協力を行ってきました。



チェルノブイリ事故により、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアの多くの人々が放射性ヨウ素、主に甲状腺に集中するヨウ素-131にさらされました(Hatch、et al。、2005; Cardis and Hatch、2011)。


1998年から2007/8年まで、ウクライナとベラルーシで子供または青年として事故にさらされた約25,000人を対象に、隔年で甲状腺スクリーニング検査が実施されました。ウクライナからの最初の報告は、事故当時若かった人々の甲状腺がんの5倍または6倍の放射線関連の増加に関する以前の報告を支持する説得力のある証拠を提供し、すべての被験者の個別の線量推定値を含みます。データは、強力でほぼ線形の用量反応関係を示しています。



つまり、放射性ヨウ素の曝露は子どもや青年の甲状腺がんの発症リスクが高まるということです。



またウクライナでの他の研究には、甲状腺腫瘍のリスクが高い可能性のある放射性ヨウ素に子宮内で曝露された人も含まれます。


このように放射性ヨウ素は甲状腺がんの原因になるのですが、ヨウ素自体は体内で作られるホルモンの材料になるものもあります。


つまり、放射性ヨウ素に高レベルで被爆すると体内のヨウ素よりも甲状腺に蓄積してしまい、そこで活性酸素を作ったり、甲状腺の細胞のDNAを傷つけてがんになります。



ですので、もし放射性ヨウ素の被爆するリスクがある場合はヨウ化カリウムを摂取する必要がでてきます。


実際に米連邦議会が作成した報告書には、原子力発電所の近くで暮らす40歳未満の人は、全員ヨウ化カリウム錠を常備しておくことが望ましいと書かれています。



最近は30代40代と若い人達のがんが増えています。昔では50代でがんでも早いと言われていました。



つまり、現代の若い世代のがん、特に甲状腺がんになった人達は放射能が原因かもしれないということであり、治療を放射能のデトックスをしなければならないと言うことになります。


この場合は決して抗がん剤や手術、ましてや放射線治療などは無意味であり、まさに百害あって一利なしでしょう。


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