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鋭利なチクワ

屈強な男たちに取り押さえられ、ここまで連れて来られた
泣こうが喚こうが、助けが来る可能性はゼロだ

奥の方に般若の面をかぶった者が座っていた

「お前たち2人は生きて帰ることはできない」

冗談じゃない
しかし、たぶん助からない
頭に「粛々」という2文字が浮かんだ

目の前には、先端を鋭く尖らせ同じ長さに切りそろえられた竹が何100本も埋められていた
血が飛び散っている

甲冑をまとい、血のついた日本刀を持った男たちが現れた

変なにおいがする 
血だらけの動物の首が転がっていた
目をそむける前に、目隠しをされた

「まずお前だ」
首に冷たい金属を感じたと思ったら、日本刀の男が「スウェー」と大声をあげた
鈍い音がした

「お前はこっちだ」
声を出す間もなく、後ろからどんと思い切り突き飛ばされた

残虐な殺人に見えながら、事件解決は難航をきわめた
凶器が不可思議であったためだ
1人は、水に濡れたタオルを首にあてたまま死亡、もう一人は、鋭利なチクワに横たわって死亡したらしい
(412字)

2022年8月20日以来、以下の企画にて、ふだん全く考えもしない、ありえないことを大胆にテーマとして軽い怪奇ショートを書いてみようとしております。今回のお題は「鋭利なチクワ」をワードもしくはテーマとして含む作品で、した。どうぞよろしくお願いいたします。

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