見出し画像

メタバース鬼平

火付盗賊改、長谷川平蔵である
こたびの火付け、覚えがあろう
神妙にいたせ!

メタバース江戸では、頻繁に炎上の風景が見られた
失火ではない
ほぼ全部が焼身自殺もしくは放火の事件だった
自然に鎮火するため、め組など町火消しの出番はなかった

だが、ついにネット炎上の実行犯たちが鬼平の手にかかった

その方ども、なぜ火付けの大罪を犯したのか、わけがあれば聞こう
申せ!

恐れながら申し上げます
かつてソーシャルネットワーク黎明期、Facebook なるものがございました
人相書きのような画像データを介して、電脳空間上の隣組をつくり、相方を集めるカラクリでございます
商売人脈を広げることに使おうとする者もおります
バーチャル放火、バーチャル焼身自殺など、衆目が集まり、インプレッションやエンゲージメント率を稼げます
要は、売名を望む者がおり、そのため、炎上の仕掛けを請け負った次第にござります

おのれ、火付けの大罪を犯しながら、小賢しく正当化しおって、許せん!
メタバース鈴ヶ森にて、八百屋お七同様、明日にも火あぶりじゃ

じゃが、それほど売名を望むのであれば、明日の火あぶりの動画を Youtubeでメタバース江戸中に拡散してやろう
それだけでなく、その方どもの首をNFTにして、どこでも買えるようにしてやろう
そうじゃ、メタバース顔自動販売機じゃ

引っ立てい!

メタバース鬼平は、今日も江戸市中の悪と戦い続けるのであった
(584字)

2022年8月頃から、毎週、以下の企画に参加させて頂いています。ずっと土曜日に投稿していましたが、最近月曜日にシフトしました。今回のお題は「顔自動販売機」でした。どうぞよろしくお願いいたします。

初めての皆様へ

皆様には、桜井健次のエッセイのマガジン「群盲評象」をお薦めしております。どんな記事が出ているか、代表的なものを「群盲評象ショーケース(無料)」に収めております。もし、こういうものを毎日お読みになりたいという方は、1年分ずっと読める「群盲評象2023」を、また、お試しで1か月だけ読んでみようかという方は「月刊群盲評象」をどうぞ。毎日、マガジンご購読の皆様にむけて、ぜひシェアしたいと思うことを語っております。

ここから先は

54字

本マガジンでは、桜井健次の記事をとりあえず、お試しで読んでみたい方を歓迎します。毎日ほぼ1記事以上を寄稿いたします。とりあえず、1カ月でもお試しになりませんか。

現代は科学が進歩した時代だとよく言われます。知識を獲得するほど新たな謎が深まり、広大な未知の世界が広がります。知は無知とセットになっていま…

いつもお読みくださり、ありがとうございます。もし私の記事にご興味をお持ちいただけるようでしたら、ぜひマガジンをご検討いただけないでしょうか。毎日書いております。見本は「群盲評象ショーケース(無料)」をご覧になってください。