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昇進、昇天

辞令が交付された

課長に任命する
職務に専念せよ

大昔、平社員が課長になると祝福されたものだった
サラリーマンは、いくら昇進してもサラリーマンには違いはない
多少給与が増え、管理職手当も支給されるだろうが、その分、責任や義務も増える
本当は割に合わないこともよくあった
だが、課長という職名にころっと騙される者が多かった

産業社会はその後、変貌した
ほとんどの実務はロボットとAIが行う
ホワイトカラーのサラリーマンはほぼ姿を消したと言ってよいだろうか
仕事と言えば、ロボットのメンテナンス、AIの学習訓練とその周辺業務だ

そんな日々の仕事をこなし、ある年齢になった頃に課長辞令が出る
名前のない課で、部下のいない課長だ

実は課長とは、ドローンのことだ
辞令を受け取ると、その日から人間をやめ、ドローンとして生まれ変わる
かつても課長になることを昇進と呼ぶことが多かったが、今度は変身して空にむけて上昇するのだから、こっちが本物の昇進だ

ドローンの課長、がんばれ!
(415字)

2022年8月20日以来、以下の企画に毎週参加させて頂いており、ついに1周年、当初予定ではもう打ち切りですが、今回はとりあえず続行。以前は410字前後を大幅に超えることもありましたが、短く収まるようにしたいと思っています。今回のお題は「ドローンの課長」をワードもしくはテーマとして含む作品でした。どうぞよろしくお願いいたします。


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