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誘拐されて

2023年2月から、毎週金曜日、「金」または「経済問題」または「錬金術」または「金星」または「金曜」に関係するワードをテーマに含む短めの記事を書くことにしております。この頃は、現代のマネーに翻弄される人々の姿に重なる愚かな守銭奴たちを描写した近代文芸作品を取り上げることが多くなっています。

19世紀スコットランドの作家、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの作品、"Kidnapped" (誘拐されて)は、実話をもとに作られた小説で、主人公デイヴィッド・バルフォーが数奇な体験を回想する物語です。両親を失ったデイヴィッドは、叔父のエベネザーに身を寄せましたが、そこから災難が始まります。エベネザーは異常な金の亡者です。遺産相続の思惑から、デイヴィッドは家の中で殺されかけます。その危地を逃れたに見えましたが、そこからがそれこそ大冒険の始まりでした。乱暴な方法で拉致、誘拐され、奴隷船に乗せられてしまいました。その奴隷船は座礁し、さらに種々の事件に巻き込まれます。

この物語は、最後の最後では、逆転があります。そこまで金に執着した浅はかな男、エベネザーは、悲しいかな、結局は自分の思った通りにはなりません。そのことにいつまでも気づくことができず、無為に人生を終えてゆきます。


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