漢方仙人による漢方逸話『辛いおなかにくる風邪には柴胡桂枝湯じゃ』の巻
今回は柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)について説明するとしよう。
この処方は「胃腸型のかぜ」に使うのう。
秋から初冬にかけては胃腸型のかぜが流行する季節で、西洋医学的にもノロウイルスなどが活発になる時期と言われておる。
柴胡桂枝湯はかぜのひき始めのみではなく、こじれた状態にも使用できる便利な漢方薬じゃ。
そして、そのような状態で特に胃腸型のかぜに最適で、まさにもってこいの処方じゃ。
症状としては発熱、下痢、嘔吐、腹痛などが目安じゃのう。
ネーミングに出てくる柴胡はこじれたかぜに、桂枝はひき始めに対応する生薬とされておる。
漢方的には柴胡は内臓一般に広がった炎症を取り、桂枝は体を温めながら発汗解熱をしておるのじゃ。
柴胡という生薬はこじれた風邪にも使うのじゃが、精神安定作用もあり、日本では人気のある生薬の一つじゃ。
更年期障害によく使われる加味逍遙散(かみしょうようさん)にも含まれておる生薬じゃ。
胃腸の働きを調節するのは人参なのじゃが、食べる野菜の人参はセリ科のニンジンで1年草じゃ。
一方、生薬の人参はウコギ科のオタネニンジンというもので低木で多年木の根じゃ。
現在は天然物はなく、栽培品となっておる。
胃腸を整えながら「気」を増やす作用があるとされておるぞい。
今回はここまでじゃ。
読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しく思うのう。
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