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公社が3月に観たい演劇

今月は、大激戦。何故なら佐藤佐吉演劇祭がいよいよ大挙してやってくるから。あと、私もいるから最後まで読んでね。

不条理コントユニットMELT『スネーク・オイル』
3/6〜10(会場:王子小劇場)
スタイリッシュなコントで高い評価を獲得。せんがわ劇場演劇コンクール一次審査も突破した、若手が3回目の本公演で早くも佐藤佐吉演劇祭選出。死後転生が当たり前の世界で不審死を遂げた妻やロボットを描くSF。最後に涙するコントとは。

エンニュイ『口』
3/5〜10(会場:王子スタジオ1)
独自な言語センスで新たな静かな演劇を作り続ける。『きく』でCoRich舞台芸術まつり!を受賞し賞レース初戴冠。割りかしこのテイストの劇団が佐吉祭に来るのはちょっと意外。病気にまつわる作品らしい。

夜明吐息公演vol.1 『ワニ随ににまにま』
3/9〜10(会場:イズモギャラリー)
原マリコと古本ミユによる新ユニット。古本が脚本を担当する連作短編集。原が住む犬種のわからない犬のいるアパートを舞台にした短編たちとのことだが、演出は古本に加え、松森モヘー(中野坂上デーモンズ) 、高橋一八(劇団武蔵野ハンバーグ) 、寝屋川真之介、鳥山フキ(ワワフラミンゴ)といった豪華メンバー勢揃い。1話ごとに変わる演出で、演劇の奥深さを出現させる。

B子『精神明晰サバナに没す』『さんぽハイ』「日めくりカレンダーAタイプ読み聞かせ」「日めくりカレンダーBタイプ読み聞かせ」
3/11(会場:王子小劇場)
佐吉祭最大の博打。奇妙な一人芝居をたった1日だけ上演し続ける、孤高のオルタナティブ演劇が若手の登竜門にやってくる。エンニュイが王子スタジオ1でB子が王子小劇場なのは間違ってる気もするし大正解な気もする。今回は再演作品2本に新作2本の4本立てを休憩なしのループ上演。幻想都市演劇の『さんぽハイ』を筆頭にしたシュールなイマジネーション脳内世界。

キルハトッテ『そろそろダンス』
3/14〜17(王子小劇場)
マジックリアリズムの手法で女性の心理ドラマを描く若手四天王。佐藤佐吉演劇祭「見本市」での旗揚げを経て今回は正式参加。昨年の公演中止を経て、待望の新作。今までは食物をモチーフにしていたが今回はアイドルがテーマの新境地?アイドルの引退スピーチで描かれる一代記、とのことだが嘘や可能性をコラージュして描かれるとのことで、この劇団の幻想性はどう進化するのか。

名前のない俳優たち
3/14〜21(会場:スタジオ空洞)
名前のない演劇祭主導の一般公募の俳優たちによるワークショップ公演。毎回豪華なメンバーを揃えてきているが、今回は、
社会の生きづらさをイマジネーション広がる空間芸術で描く児玉健吾(かまどキッチン)『人人人人人←根を張って聳える杉っぽい』
ナンセンスな味わいの後に形容詞のない悲しみがやってくる菊池穂波(排気口)『その後にちょうどいい涙というのがあって』
「殺陣祭りが選ぶ演劇賞」受賞作品​を引っ提げてやってくるオールラウンダー金子賢太郎(演人の夜)『長い友達』 

宇宙論☆講座宇宙論☆講座 the BEST & the WORST』
3/14〜17(王子小劇場)
破壊力のあるグダグダミュージカルで激しい賛否両論を巻き起こすパクチーみたいなオルギア系劇団。佐吉祭参加作は、これまでのベストスーンとワーストシーンを抜粋した公演。とのことだが近年の宇宙論は公演そのものをギミックにしたメタ演劇を上演しており、もしかして今回も?

演劇ユニットタイダン 『ホームシック!?』
3/15〜17(会場:荻窪小劇場)
今年の王子小劇場「見本市」で演劇の面白さを詰め込んだおもちゃ箱のような作品を上演した彼女たちが早々と本公演。今回も愉快そうな雰囲気が伝わってくる。

日本のラジオ『蛇ヲ産ム』
3/15〜19(会場:新宿眼科画廊スペース地下)
さわやかな惨劇でお馴染みのノワール劇団。今回はとある薬品会社を巡る業の話だそうだが、あらすじの時点で実子の肉を特効薬としてという恐ろしい一文が描かれているのだが。日本のラジオの恐怖は直接的なものではなく、真綿でじわじわ首を絞めるような湿っぽい闇。それが味わえそう。

かながわパフォーミングアーツアワード
3/16〜17(会場:KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ)
若手演劇人三冠の一つ。
神奈川県立厚木高等学校演劇部(3月16)
日々輝学園高等学校横浜校演劇部(3月17)
三冠唯一の高校演劇枠を導入しているのは変わらないのは嬉しい。
DANCE PJ REVO
数々の受賞歴を誇るダンサー田村興一郎プロデュースカンパニー。シビウ国際演劇祭でも上演し、金沢21世紀美術館のアンド21にも選出の実力派。
世界劇団
せんがわでオーディエンス賞を受賞した愛媛の幻想劇団。オールドスクールな構えで描くファンタジーの中には現代社会の叫びが込められている。
サンロク
福島の佐藤真喜子、千葉の松崎義邦(東京デスロック)、兵庫の山田遥野(青年団)よるユニット。昨年は集団制作による作品を手掛けているらしいが。
老若男女未来学園
昨年、高評価を獲得。今年行った東京公演『球ーkyu』も素晴らしい。人間ドラマに映像も使った妙に緩いユーモアを取り込む空間芸術。2連続選出は勢いの証。
譜面絵画
戯曲コンペに2回選出されたがついに本選ファイナリスト。現代口語で評価された劇団は戯曲の構造に意識的、観客における新たな体験性を作り出す。
神田 初音ファレル
横浜ダンスコレクションで奨励賞を獲得したダンサーは、刀剣乱舞や緑黄色社会との共演活動を広げる。しかし、今回唯一のソロダンサーとして賞取りに挑む。

排気口 『光だと気づいた順に触れる指たち』
3/20〜24
ナンセンスな味わいの後に形容詞のない悲しみがやってくる、って上の紹介文と一緒。なんと、名前のない俳優たちと被る形で劇団本公演も上演する。外部公演の劇団公演が同じ日に上演されるなんて珍しいというか、化け物か菊池穂波。

TeXi’s『Oh so shake it!』
3/20〜24(北とぴあ カナリアホール)
抽象的な物語に手数の多い演出で生きづらさを描き出す、若手劇団四天王筆頭。佐吉祭上演作は、生前の人物にまつわる作品だそう。この劇団は、劇中の小技以外にも広い会場を使った演出もより強固になっており新たな空間芸術を作り出す。

いいへんじ『友達じゃない』
3/20〜24(北とぴあ カナリアホール)
岸田國士戯曲賞候補にも上がった若手劇団。生きづらさを優しい眼差しで描く。すでに人気は若手トップクラスで、この団体が佐吉祭に出るとは今回1番のサプライズ。友達とは思える人がいない悩みを抱える吉村は、偶然出会った彼女の「また会えるかも」という一言で友達になりたい思う。 

優しい劇団『歌っておくれよ、マウンテン』東京公演
3/20(会場:高円寺K'sスタジオ)
今、エモーショナルな演劇で東京演劇界で話題の名古屋若手劇団。ニ都市ツアーの東京公演は初の劇場公演。これまで野外劇で東京公演をしてきた彼らが初めて屋根の下で上演する。荒唐無稽な冒険活劇を、驚きの無料投げ銭式で上演。なお、昼公演と夜公演でそれぞれゲストが出演。13時回は公社流体力学、下野はな。17時回はるい乃あゆ、玉城栄琉が出演する。
あっ私の名前がある。

南極ゴジラ『(あたらしい)ジュラシックパーク』
3/28〜31(会場:王子小劇場)
前回は、佐藤佐吉演劇祭「見本市」参加。その後佐藤佐吉賞作品賞を受賞し、堂々と佐藤佐吉演劇祭凱旋。今やエンタメ劇団として新世代のスターになりつつ中でお送りするのは、ジュラシックパークをモチーフにしたテーマパークで働く人々と恐竜と改造人間。様々な要素が入り乱れる事件の終着点は。

ロリィタ短歌朗読ライブ『衣装箪笥のアリス』
3/30〜31(会場:御茶ノ水RITTOR BASE)
歌人として歌集『Lilith』により第65回現代歌人協会賞受賞。小説家として『Blue』で芥川賞候補。と、多彩な川野芽生によるロリィタ短歌をPSYCHOSISなどで活躍する女優の嬉野ゆうが演出。女優たちが読み上げるロリィタの世界とは。文芸とまた違う朗読芸術の短歌が持つ深淵の一つ。

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新作公演 『上演したら死ぬ演劇』
2/17、
3/2、3/9(会場:ときわ座)
上演したら死ぬ演劇の話をオカルトライターの飯田さんから聞き、台本を入手したので上演します。
でも、稽古を始めてから不自然な不幸が立て続けに起きて死に死にかけたんだけど、視界の端々に映るものがきっかけで違和感を抱く。
そもそもなぜこの作品が死ぬ演劇となったのか。
懸命の調査で明らかになった、呪いの真実とは。
三部立てでお送りする呪いの物語
第一部 上演したら死ぬ演劇
第二部 公社流体力学のマジで死にかけた話
第三部 実録、上演したら死ぬ演劇 は何故生まれたのか
売名行為なので、止める気はないですが死んだら上演しません。

佐藤佐吉演劇祭に呼ばれなかったのでブチギレて演劇祭をぶち壊そうと思いあえて演劇祭の時期にぶつけました。
毎回私の趣味と被るのは3割くらいなので、観劇に影響しないと思ったのですが、ラインナップ発表されたら9割観たい劇団というある意味引の弱さを発揮。観劇スケジュール組むのに精一杯。
喧嘩は売るもんじゃないね。

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