公社流体力学

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『上演したら死ぬ演劇』 呪って何

呪いの新作公演をやるので、解説記事。 まず最初に公演情報から  『上演したら死ぬ演劇』 作・演出・出演/公社流体力学 2/17、 3/2、 3/9(会場:ときわ座) 料金 2000円 2/17のみ初日割 1500円 上演したら死ぬ演劇の話をオカルトライターの飯田さんから聞き、台本を入手したので上演します。でも、稽古を始めてから不自然な不幸が立て続けに起きて死にかけたのでそれを混ぜたセルフドキュメンタリーです。売名行為なので、止める気はないですが死んだら上演しません。

    • コンプソンズ『岸辺のベストアルバム!』 の感想

      作・演出/金子鈴幸(会場:下北沢 B1) これから上演される演劇は私が作った演劇。 見知らぬ少女と出会う少年、偶然出会ったママ友、歌舞伎町に秘められた秘密。暗躍する存在の目的は一体。 傑作。 いくつもの物語が同時進行し、やがてひと繋がりになるという構造はすでにやり尽くされているが、フィクションの世界で自由奔放に暴れ散らかして見たことない破壊力。 幸せそうに見えたママ友たちは、疎遠なり問題を抱える。歌舞伎町には人ならざる存在が支配するファンタジー展開。しかもそれってだれかの脳

      • 宇宙論☆講座『宇宙論☆講座 the BEST & the WORST』 の感想

        作・演出/宇宙論☆講座(会場:北とぴあカナリアホール) 上演しようと思ったが、出演者のぺけが寝坊で遅刻してしまったため開演時刻10分推しのアナウンスをする。しかし、劇団側の都合で推すことにブチギレた観客が抗議をする。そんな彼に、過去の上演を思い出す提案をする。 これまでの良かったシーンだけを抜粋というコンセプトだが、近年メタ演劇を主軸にしている宇宙論なので、ただの総集編にしないだろうと思ったがこういう構造。 五十部さんのマイブームの変遷が語られていき、劇中歌もどんど歌われ

        • かながわパフォーミングアーツアワード2024 の感想

          かながわパフォーミングアーツアワードのコンペの感想。 元々、神奈川かもめ演劇祭として始まり、かながわ短編演劇アワードになり2回目の改名。安定しないねぇ。 元々アート色の強いコンテストだったが、この改名はその表れか。 6団体の作品が上演され、グランプリを目指す。 またコンペ外である高校演劇2校、神奈川県立厚木高等学校演劇部(3月16)日々輝学園高等学校横浜校演劇部(3月17)も上演される。これが変わらないのは嬉しい。 DANCE PJ REVO「STUMP PUMP YOKO

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          公社が5月に見たい演劇

          CHAiroiPLIN おどる落語『らくだ』 4/27〜5/5(会場:三鷹市芸術文化センター 星のホール) シェイクスピアや太宰治などの名作をダンスに再構築する人気カンパニー。今回おどる落語シリーズの第2弾。急死した乱暴者の葬儀を巡るドタバタ騒ぎだが、落語屈指の高難易度噺で大ネタと知られる。どうダンスにするのか。 晩盆奇談怪談 -The Real Nightmare- 4/30(会場:ときわ座) 盛夏火の金内健樹、鳥居トリイ、女優の中村ナツ子を中心に行われる怪談スペース。初

          公社が5月に見たい演劇

          小劇場演劇 賞レース受賞歴一覧1988〜2024

          小劇場演劇にまつわる賞の受賞結果と それに類する上演企画の選出劇団をまとめました。 趣味で作った物なので私の趣味である東京小劇場界隈に偏ってます。東京より西の方は別の方がやればいいと思います。スタートが1988なのはパル多摩が始まった年だからです。 なお、受賞結果が発表されるたびに毎年更新されます。趣味なので。 記事公開記念イベントとして 『公社流体力学が、1988年以降の演劇賞レースを語る』 をやりました(動画6分から)。 目次 2024年岸田國士戯曲賞 池田亮(ゆう

          小劇場演劇 賞レース受賞歴一覧1988〜2024

          公社が4月に見たい演劇

          大乱闘だった3月に比べ穏やかな4月。 舞台『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』 4/1~14(会場:日本青年館ホール) 海外奇想小説好きの公社が大学時代に読んで印象に残ったアンドリュー・カウフマンの小説を演劇化。銀行強盗により魂を盗まれた人々の身に起こる不条理を描いた連作短編。奇妙と悲しみに溢れた豊穣な物語群。谷原章介主演と中々の規模。ただ、夫婦の愛と奇跡の物語と紹介で書かれていてそんな話だったけ?と。 エトエ『もうグレイテストヒッツ』 4/5〜4/6(会場:武蔵野

          公社が4月に見たい演劇

          B子『さんぽハイ』  の感想

          作・演出・出演/B子 (会場:イズモギャラリー) 温泉で乳繰り合う男女を覗き見。女の体を触る男に女は趣味の散歩の話をするが、どこかおかしい。彼女の語る場所は住んでる街には存在しない場所で 今回で見るのは3作目だが、一番強烈。 覗き見男と男女の話を主軸に様々なエピソードが入り乱れる。濁流のように奇想天外が訪れ、B子の脳みその中。無秩序に非現実的な光景が入り乱れてくる。しかし、これは女が散歩する世界の話なのか。 高いビルへ登ると女は言うが、そんなビル街には存在しないと男はいう。

          B子『さんぽハイ』  の感想

          若手演出家コンクールの感想(2024)

          毎年恒例の若手演劇人三冠の一つ。 割と不作気味の年が多いが今年はどうか 鈴木あいれ(コメディアス)『キャッチミー開封ユーキャン RTA』 借金を抱えた人間が挑む人生を賭けたゲーム。それは1時間以内に狭い箱から脱出すること。ようやく手を一本出せる穴から手を伸ばし、箱の壁面にあるギミックを解いていくが・・・。 彼らの出世作を、コンクールの制限時間1時間のタイムリミットにリメイク。リアルタイムで役者たちが仕掛けを操作していくが手一本だけで操作するため予期せぬトラブルが起きるがタ

          若手演出家コンクールの感想(2024)

          老若男女未来学園『球(kyu)』 の感想

          作/森悟 、 演出/山﨑陶熙(会場:新宿眼科画廊) 男は大学の友人に会いに来たが彼が住んでいたマンションは無い。近くの喫煙所にやってきた地元の男女に尋ねてみるが、分からない。女性は人生相談が得意らしく、試しに友人と過ごした大学時代の思い出を話してみる。 過去への悔恨。過ぎ去ってしまった大学生時代、自堕落な学生時代に寄り添ってくれた友人への思い。 と、ドラマティックになりそうな内容だが、なんだかとぼけた登場人物たちが登場し雰囲気は緩い。ポイントポイントのワードや無理のある課

          老若男女未来学園『球(kyu)』 の感想

          公社が3月に観たい演劇

          今月は、大激戦。何故なら佐藤佐吉演劇祭がいよいよ大挙してやってくるから。あと、私もいるから最後まで読んでね。 不条理コントユニットMELT『スネーク・オイル』 3/6〜10(会場:王子小劇場) スタイリッシュなコントで高い評価を獲得。せんがわ劇場演劇コンクール一次審査も突破した、若手が3回目の本公演で早くも佐藤佐吉演劇祭選出。死後転生が当たり前の世界で不審死を遂げた妻やロボットを描くSF。最後に涙するコントとは。 エンニュイ『口』 3/5〜10(会場:王子スタジオ1) 独

          公社が3月に観たい演劇

          若手演劇人三冠2024(若手演出家、かながわパフォーミング、せんがわ劇場)

          若手演劇人三冠とは、若手演劇人が取るべき登竜門的3つの賞 若手演出家コンクール かながわパフォーミングアーツアワード せんがわ劇場演劇コンクール のことである。 東京圏の賞だが全国の劇団が対象であり、上演主体のコンテストで戯曲賞でもお題の戯曲があるわけでも、無名有名バイアスもかからない。そんな賞がこの三つ。 文学賞とかスポーツとか映画にはあるのに演劇には三冠がないから私が勝手に呼び始めた。今年のファイナリストが全て決まったので紹介。 去年の 若手演出家コンクール2/27〜3

          若手演劇人三冠2024(若手演出家、かながわパフォーミング、せんがわ劇場)

          第68回岸田國士戯曲賞 候補者を紹介する記事

          岸田賞の候補作が発表されたので紹介という名の雑文 去年のはこれ 安藤奎(劇団アンパサンド)初候補 『地上の骨』 ナンセンスな演劇で注目が上昇していたが、昨年はMITAKA "Next" Selection選出・外部団体に提供した『デンジャラス・ドア』がドラマ化など大躍進を遂げてその果てに候補入り。ナンセンス系は岸田と相性悪いと思っていたが、なんのなんの勢いに乗っての候補入り。今回はオフィスを舞台に不条理が巻き起こる。 池田亮(ゆうめい)『ハートランド』初候補 池田本人や家

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          TeXi’s『夢のナカのもくもく』 の感想

          作・演出/テヅカアヤノ 12/26〜31 (会場:北千住 BUoY 2F) とある学校で、盲目の少女に惹かれる。応援するのは彼女が推しだから。 同じ学校の二組も友達の関係で軋轢を抱えていて。 と、同時に『春琴抄』の物語が重ねられていく。 せんがわ劇場演劇コンクールで上演した短編を長編化。元々はそういう説明だったが全くの別物。3姉妹の話は学園を舞台にした物語となっており、モチーフは共通するものの設定がすべて違う。 『春琴抄』をベースに献身というテーマを、学校の中での親密な交

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          公社が2月に見たい演劇

          岡本セキユ『寿司の女』 2/4・2/12(APOCシアター) くらやみダンス主宰が、一人芝居の祭典アポフェスで上演する作品。恋人たちが別れようとしているときに突如寿司が現れるという作品。私がこの作品を注目しているのは、宣伝美術。ここ5年の中で特に好きなチラシ。一目見てこのお芝居見たいと思わせる。私、こういうパロディ好き。 劇団ヅッカ+Paul.U『登録された鉄の隙間、風の子たちのステップ』 2/11(Tranffic Tokyo六本木) リフレインを生かした独自の奇想演劇を

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          王子小劇場『見本市』 の感想

          王子小劇場が主宰となり開催する、無名の若手劇団限定ショーケース。 第1回は強烈な面白さのオドルニクを始め、紙魚、食む派、南極ゴジラ、キルハトッテ、海ねこ症候群などその後1年で人気を急上昇させた劇団が参加。全団体面白いショーケース史に残るとんでもない高レベルだった。 2年ぶり第二回。今回は前回を超えるか。 Aグループふわふラプニカ 『出血大サービス‼︎天使の羽根もぎもぎ放題〜ただいまセール中〜』 作・演出:おさべせりな  加虐思考を持つ女性は、殴られてもいいと語る後輩と出会い

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