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FRBの言うことには注意を払う②

5月19日は、2021年の経済・金融の大きなニュースのランキングに残るであろう一日でした。

一つは、いつも注視を怠ってはいけないアメリカのFOMC(Federal Open Market Comittee:米連邦公開市場委員会)の4月度の議事録に変化があったこと。もう一つは盛り上がっていた仮想通貨バブルが崩壊(?!)したことでしょうか。

1 FOMC議事録

FOMCは米国の中央銀行であるFRBが開く会合で、FRBの理事や地区毎の連邦準備銀行総裁で構成されています。米国の金融政策である公開市場操作(国債の買いオペ等を通じて金融機関の資金需給を調整する)の方針を決定する委員会です。

基軸通貨のドルの政策が決まるので、勿論世界の経済に多大な影響を与えています。アメリカの金利が上がれば、米ドルでお金を借りている新興国にはもの凄いインパクトがあることでしょう。そのためとても注目されいて、それこそFOMCの議事録は契約書の様に一語一語精査され解釈されます。その中で注目されるのが下記です。

A number of participants suggested that if the economy continued to
make rapid progress toward the Committee’s goals, it might be appropriate at some point in upcoming meetings to begin discussing a plan for adjusting the pace of asset purchases.

「FOMC参加者のうち数人のメンバーが、もし米国経済が委員会の目標に向けて急速な進歩を示した場合、ある時点で資産買い入れプログラムのペースを減速させることに関する討議を始めた方がいいと提案した」という記述が見られました。

⇒減速に関してプログラムを開始するのではなく、ある時点で討議を始めた方がいいと提案しているということは、形式的にはまだしてませんが、する必要をどこかで始めた方がいいですよ~、と言っている訳です。もの凄い周りくどいのですが、それだけ米国の金融政策は大きな影響を与えるので、慎重に進める必要があるのですね。

結局、アメリカの景気は順調に回復しており、徐々に雇用も持ち直し、インフレが上ってくれば、それにはしっかりと、でもドンと構えて対応しますよ、という意思表示ということですね。あまり知らんぷりしても、白々しいのでマイルドにしっかり気に掛けていますということを明示した訳です。

株式市場は、やっぱりね、ということで20日は全く動揺せず、寧ろ続伸でした。市場は織り込み済みということです。

2021年の終わりには、金融緩和の縮小と政策金利の引き上げが見えてくることでしょう。

2 仮想通貨の暴落とバブルの終了

FOMCの議事録の開示前になりますが、5月19日は仮想通貨バブルの崩壊の日になるのではないかと思います。ビットコインでも一日で20%以上下げました。

FOMCの議事録とは前後しますが、期せずして、金融緩和政策の終わりの始まりが議事録で見え始めた訳で、これまで市場に共有されていたお金が徐々に引き上げられて行くことになり、一旦バブルは終了でしょう。

また復活する日もくるでしょうが、世界経済の流れには逆らえないと思います。

世界の情勢って、ハリウッド映画を見るよりもよっぽどドラマチックです。

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