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ラオス

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#ラオス旅行

仕込み(成形) ~サワンナケートのカオチー④

仕込み(成形) ~サワンナケートのカオチー④

~仕込み「カオチー」を作るために最低限必要な材料とは、「小麦粉」、「塩」、「水」、そして酵母・即ち「イースト」であるが、それに加えて少々の副材料が添加されている。
 作業人員のうち、たいていは年若い「新入り」がその役を担うことになっているらしい、この「仕込み」。生地の配合を覚えるだけでなく、材料が混ざってゆく様子を眺め、捏ねあがった時のその感触を把握する。それがどう発酵し、果てはどういう風に焼き上

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窯入れ ~サワンナケートのカオチー③

窯入れ ~サワンナケートのカオチー③


 昔ながらの木造住宅を思わせる、深い茶色の木箱。着物用桐タンスのようなその大きさの中には、真っ白な生地たちが、じっとおとなしく待っていた。
 思い浮かぶのは、スヤスヤと眠る猫の、グーにした手。…ってべつに毛が生えているわけじゃないんだけど、何となく気持ちヨサソウな、そ…っと触れてみたくなるフックリ感がある。
 体長約二十センチの棒状だが、真ん中部分がやや太く、それから端に向けてやや狭まっているナ

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熱工房 サワンナケートのカオチー②~ラオス

熱工房 サワンナケートのカオチー②~ラオス

 カッとんだ太陽の光を受けた、濃い木陰。
そんな、シンとした暗さに「工房」はあった。
埃のような、木材のような、いや、味噌のような――?倉庫の中のように、そこに在るさまざまなものがじっと息を潜めた匂いが、七、八坪ほどの空間を纏っていた。だが、言うならばそれは「動」のイメージに満ちている。置物のように肌をボロボロした老木でも、その体内では大地と太陽のエネルギーを吸収しながら「生」を繋ぐ壮大な営みが展

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幻のナムパクノー ~サワンナケート・ラオス

幻のナムパクノー ~サワンナケート・ラオス

 葉っぱ――「パクノー」ひと掴みを、ミキサーの中へ。…と、足りないのか、もう少し。
ミキサーというのは、デパ地下や地下街なんかで、フレッシュジュース用に苺とかバナナとか入れてガガガと回す、ジューススタンドに数台あるアレである。…ってここはまさに「ジューススタンド」であり、どこの、というと、ラオス。
 ラオス南部に位置するサバナケット(サワンナケート)である。首都ビエンチャンに次ぐ、ラオス第二の都市

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