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本の感想「環境経済学をつかむ」

会社とは別で参加している「愛知環境塾」の関係で「環境経済学をつかむ」(著者:栗山浩一さん・馬奈木俊介さん)という本を読みました。全7章のうち4章までしか読めていませんが、感想を書きたいと思います。

購入の動機

愛知環境塾の中でグループワークのテーマとして「資源循環」について検討しているため、循環型社会の実現の課題について学びたいと思っていました。チームのメンバーと議論する中で、コストに関する議論をすることが印象に残っていたため、経済と環境の関係に理解を深めることで、有益な提言ができると考えて、本書を購入しました。
特に以下の点を意識して本書を読みました。
①経済学の観点から見た環境問題解決の課題
②環境問題解決の推進に向けた方策とその評価

読んだ感想

全体としては、経済学に関する本を読んだのは本書が初めてだったので、学ぶことが多かったです。
具体的には、本書を通して以下のような学びを得ました。

本書では環境問題の原因は、その影響が市場を経由せずに他者にもたらされるため(外部不経済)発生すると記載されていました(市場の失敗)。個人的にも、リサイクルやポイ捨て禁止は実施しなかった損失が不明瞭なため、個人の価値観に任せられていることが多いという印象を持っていました。かなり単純化したモデルではありますが、グラフを用いて定量的にそのあたりを説明されており、改めて環境問題解決の難しさを理解しました。

本書では環境問題に対しての方策として、大きく分けて環境税と補助金について述べられていました。その違いとして、発生する金額が、環境税は生産量に対して、補助金は削減量という違いがありました。そのため補助金の場合、環境負荷が大きい企業でも恩恵を受けることができることになります。そのような違いから企業の参入・撤退を考慮した長期的な視点でみると、補助金は環境負荷の高い産業構造を招くため、他の政策で目標達成が厳しい場合を除いて、環境負荷低減を達成のためには環境税が適していると記載がありました。実際に炭素税などの環境税が始まる前から、補助金制度が自動車や家電製品にかけられているところからも、上記のような背景からこれら制度の使い分けられているのでは、と感じました。

以上のように本書を通して、環境問題の経緯と方策について経済学の観点から学ぶことが出来ました。

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