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【創業100年の染屋4代目】が提案する、手絞りの浴衣コーディネート①

みなさんこんにちは。
群馬県桐生市に工房を構える染色工場の4代目平本ゆりです。紆余曲折ありつつ、なんだかんだで丸100年、同じ場所で代々染色業を続けてきました。
4代目のわたしはグラフィックデザイナーとして都内に勤務後、2018年に独立してデザインの現場で培ったノウハウを生かし、染色を生かしたブランドを始めました。www.kirisen.com

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もう夏も目前ですね。蒸し暑い日が続いています。
染場は熱湯を使うので、夏は毎日がサウナ状態。
暑さの厳しい日がやってきます。。。

さてさて、今回は私たちが作っている浴衣のコーディネートをご紹介したいと思います。浴衣の販売を始めてから、帯合わせなどコーディネートについても聞かれる事が増えてきました。恐縮ですが作っている私のお勧めをご紹介させて頂きます。

<目次>
①筒染の浴衣(ライトグリーン)商品紹介
②夏帯との合わせ方(キリリと上品に。お出掛けや会食向き)
③半幅帯との合わせ方(カジュアルに楽しみたい方)
④浴衣を着る時に必要なものあれこれ(わたしのオススメ)
⑤浴衣を愉しむ為に持っていたい小物等(わたしのオススメ)

①今回ご紹介するのは、筒染(つつぞめ)の浴衣、色は若草色です。

KIRISENでは、水色の筒染の浴衣と並んで人気の浴衣です。
筒染って何?と興味を持って下さった方!是非桐染のHPにてご一読下さい。
ざっくり言うと、筒を使った絞り染めの事です。写真下の様に染め上げます。この染め方は祖父の代から続けていて、生地が重くて染液の中に入れられず、私は画像の様に機会をうまく使って染液に浸す方法で染めています。

写真左から(生地を手で筒に巻きつけて絞る→染液へ浸す→筒から外して洗う)

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染めた自分が言うのもなんですが、色が上品なので幅広いコーディネートが楽しめます。帯や小物の色合わせがしやすいのと、浴衣のみならず、夏着物としてお召しいただく方もいます。(お客様から話を聞いて参考にさせて頂くこともあります。)

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②まずは夏帯と合わせたコーディネート。
浴衣をメーンに作っているのですが、浴衣を着る時私は大抵「お太鼓」結びにしちゃいます。お太鼓を難しいと言う方もいますが、半幅を結ぶより個人的には簡単に思っています。半幅も良いのですが、結び方を間違えてあたふたしてしまう事があるので(というかほぼ毎回そうなるので)迷ったらお太鼓に結んじゃいます。お太鼓は夏帯(名古屋帯)を使います。

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<コーディネート>
・浴衣:筒染の浴衣(light green)
・帯:麻帯(名古屋仕立て)
・日傘:筒染の日傘
・下駄:日田下駄
・バッグ:あづま袋(板締めlight orange)
帯、帯揚げ、帯紐は私物です。

帯の柄は紫陽花。
今の時期にぴったりな柄です。着物は季節を先取りした絵柄を着ると粋だと言われています。季節の変化を見ながら絵柄を選ぶ感覚が知的で素敵だな〜と、昔の日本人のお洒落さには感服してしまいます。

夏は暑いので、襦袢を着ないで浴衣1枚でさらりと着つつ、帯はしっかりお太鼓でカジュアルになりすぎず綺麗に見えます。日傘と浴衣の色合いを揃えるとスッキリ美しい!のでお勧めです。

次は、同じ浴衣と帯で小物の色合いを少し変えてみます。

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<コーディネート>
・浴衣:筒染の浴衣(light green)
・帯:麻帯(名古屋仕立て)
・下駄:日田下駄
・バッグ:あづま袋(板締めlight orange)
帯、帯揚げ、帯紐は私物です。

同じ浴衣と帯でも小物を変えるだけで印象がガラリと変わります。団扇も合わせて夕涼みや屋形船に乗ってみたり、ちょっとしたお出かけが夏ならではの洒落でより一層愉しくなります。

今度は藍色の花の模様が美しい麻帯を使ってコーディネートを組んでいきます。画像5

夏帯だったら麻の帯は見た目も涼やかでお勧めです。
私はusedの帯をアンティークショップや骨董市などで見つけてそれを楽しんで着ています。最近はそんな帯も譲って欲しいと言われるので、古物商の資格?を取ろうかと考えています。

持ってる浴衣は1枚でも、帯や小物は幾つか揃えておくとバリエーションが増えて気分に合わせて変えられるのでお勧めですよ!
私は渋めの麻帯をついつい選んでしまうのですが、浴衣の色が爽やかなので、渋い帯を締めてもバランスがとれるので、気に入った渋い麻帯は見つけたら冬でも購入しちゃいます。

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<コーディネート>
・浴衣:筒染の浴衣(light green)
・帯:麻帯(名古屋仕立て)
・下駄:日田下駄
・バッグ:あづま袋(板締めlight green)/あづま袋(板締めemerald)/あづま袋(籠染light blue)※6月中旬発売予定
帯、帯揚げ、帯紐は私物です。

あづま袋はいくつか持っているとその日の気分で色を変えられるので、2〜3色持っているとコーディネートの幅が広がります。

続けて、同じ麻帯と浴衣を使って小物を変えてみます。
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<コーディネート>
・浴衣:筒染の浴衣(light green)
・帯:麻帯(名古屋仕立て)
・下駄:日田下駄
・バッグ:あづま袋(籠染 navy)※6月中旬発売予定
帯、帯揚げ、帯紐は私物です。

帯の藍色の花に合わせて、帯揚とあづま袋も藍色で揃えてみました。今年は帯紐も藍色で着てみようかとこの写真を見て思いました。

今度は私が3年前に買ったきり、箪笥に眠らせていた麻帯を合わせたコーディネートをご紹介します。

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竹の模様が素敵なこちらの麻帯。
見た目よりも合わせ方が難しく、箪笥で眠らせたきりでした。。でも、若草色の筒染の浴衣にぴったりだと気が付き今年はこちらのコーディネートも愉しめそうです。

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<コーディネート>
・浴衣:筒染の浴衣(light green)
・帯:麻帯(名古屋仕立て)
・下駄:日田下駄
・バッグ:あづま袋(板締めlight orange)
・クラッチバッグ:H&M
帯、帯揚げ、帯紐は私物です。

昔、H&Mにて衝動買いした竹のクラッチバック。
こんな所で活躍してくれるとは思ってもいませんでした。スタイリストの伊藤正子さんもH&Mなどファストファッションも上手にコーディネートに取り入れていらっしゃるので、こんな風にプチプラな小物も見つけたら買っておくのも良いかもですね。

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いかがでしたでしょうか?

1度自分で着てしまえば後は慣れるだけなので、苦手意識を捨てて着付けを覚えちゃえば後は早いです。私が着れる様になったのだから、みなさんも直ぐに着れる様になりますからご安心下さい。笑

浴衣は着るのは簡単です!
時を見て、浴衣の着方もご紹介したいと思っています。

思ったよりも長い文章になってしまったので、半幅のコーディネートはまた次回(近日中)にご紹介したいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。
つづく。。。

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