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「陽かげりの街」(1975) ペドロ&カプリシャス ドラマ主題歌の隠れ名曲!

今回は久しぶりに昭和歌謡です〜。

先日ラジオを聞いていたら、歌手の髙橋真梨子さん、この2022年にラストコンサートツアーを行うんですね。告知CMで知りました。

一昨年に中止、延期となっていた全国ツアーの再開だそうですがラストとは驚きました。この2年間で歌手やミュージシャンの方々は相当に疲弊してしまったのではとちょっと考えさせられます。

さて、その髙橋真梨子さんと言えばかつてはペドロ&カプリシャスというグループのリードボーカル。1973年から5年間務めました。
グループの代表曲といえば初代ボーカル前野曜子さんが歌ったデビュー曲「別れの朝」、2代目真梨子さんの「ジョニィへの伝言」「五番街のマリーへ」辺りでしょうか。

特に真梨子さんが歌った2曲は阿久悠、都倉俊一コンビの傑作としても有名。よく知られていますよね。

しかし、私個人はある刑事ドラマの主題歌として流れていたこの曲も、カプリシャスの隠れた名曲ではないかと思っているのです!

1975年10月10日発表、9枚目のシングル

「陽かげりの街」ご存知でしょうか?

作詞 杉山政美・麻生幸太郎
作曲 ヘンリー広瀬 編曲 萩田光雄

作曲はカプリシャスのフルート担当のヘンリー広瀬さん。後の真梨子さんのプロデューサーで旦那さんとなる方です。
この曲、歌謡風なメロディなんですがなかなかイイんですよ〜。


歌詞と共にこの時代らしく譜面も掲載!

歌詞は、行きずりの愛に今日も誰かが泣く。どうか貴方、私の元へ帰って下さい。棄てたはずのあの日の愛が蘇る。もう一度逢いたい。けれど流れて今日もさすらうだろう…
といった内容。

イントロから哀愁のトランペットが渋いですが、聞きどころは2コーラス歌った後の大サビで盛り上がるメロディ。
真梨子さんの哀願するような歌声に震えます! (;_;) 何かを訴えてくるような切実さがあるんですよ〜。
ドラム、ベースのリズムセクションもかなり達者。リーダーのペドロ梅村さんのラテンパーカッションと相まって堅実ながらグルービーなノリがカッコいいです〜♪


ちなみに私がこの曲を知ったキッカケがこちらの刑事ドラマ!ご存知でしょうか?

『はぐれ刑事(けいじ)』1975年10〜12月まで
日本テレビ系列で放映。全13話。

出演は平幹二朗、沖雅也のダブル主演、脇には田中邦衛、夏純子、ホーン・ユキ、火野正平など。藤田まことさんの同名ドラマシリーズとは無関係です。

東京・浅草を舞台に先輩の風間刑事(平幹二朗)と若手の影山刑事(沖雅也)が、下町らしい人情味あふれるストーリーのなかで活躍する刑事ドラマ。
音楽担当は鈴木茂、劇伴は何とティン・パン・アレー。第1話にはペドロ&カプリシャスも演奏シーンで出演するんですよ〜。

以前にもお話したのですが、私は俳優沖雅也が大好き。このドラマでの影山刑事役がどこか直後の『太陽にほえろ!』のスコッチ刑事を想像させるんです。身勝手なところとか。
もちろんドラマから発されるこの時代ならではの黄昏れた雰囲気が何よりの魅力!

オープニング映像がこちら。

どうでしょう?昭和50年の浅草、隅田川の映像にノスタルジーを感じませんか?
これ、実はよく聴くとシングル盤とはテイクが少し違うんですよ〜。

また劇中で挿入歌として流れるのがシングルのB面「ラスト・シーン」
作詞 麻生香太郎 作・編曲 佐藤つぐとし

これまた最高!ユーミンの「卒業写真」ぽいイントロですが、曲中のフェンダー・ローズのトロケそうな音色が心地良いメロウな楽曲です。和製AORな感じがして素敵!

『はぐれ刑事』の世界観は、市井の片隅で生きる人々の愛のもつれや裏切り。これが「陽かげりの街」の歌詞とピッタリと合うんですよね。

私も恥ずかしながらロケ地探訪とばかりに、数年前浅草を訪問。浅草寺や隅田川の水上バスを訪ね、この曲をリピートで聴きながらドラマの世界に耽りました(笑) 景観もかなり変わってしまい、気分は昭和50年!という訳には行きませんでしたが…楽しい思い出です💦


最後にレコードの話を。何故かこの曲のシングル盤、無茶苦茶カッティングレベルが高いのです。同じワーナー・パイオニアの他のカプリシャスのシングル盤よりも明らかに音がデカい。ビックリします。
プレス上の偶然かと思い、もう1枚買ってみました〜。

左が1975年10月発売、マトリックスは1-A-17、定価500円。右が76年6月再発盤、マト1-B-31、定価600円。カンパニースリーブの色も異なります。

結果はどちらも音がデカかったです。ただし細かい事を言えば、写真左の定価500円の初期盤の方が高音の伸びが若干明瞭。たった数ヶ月のプレスの差ですがドーナツ盤にも音の違いはあるようです。勉強になりました。
この盤はホントに音が良く、地鳴りのようなベースが楽しめる盤なので興味ある方は是非オススメします。

いやぁ、昭和50年。いい時代だなぁ…。

またいつか昭和歌謡で逢いましょう〜(^^)

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