「えとらんぜ」(1981) 林 紀恵 第5回ホリプロスカウトキャラバン優勝アイドル
今回は久しぶりに昭和歌謡の中からB級アイドルを取り上げます。
私が普段、散歩をする幾つかのコースの1つに、途中リサイクルショップがありまして、先日久しぶりに立ち寄ってみると、以前は置いて無かったアナログのドーナツ盤がギッシリ有るのを発見。
ついつい釣られて散歩を中断、しばし箱に詰められたドーナツ盤を漁らせてもらいました。
演歌、ムード歌謡、洋楽ポップス、フォーク、ニューミュージック、アイドル、はたまた地方高等学校の校歌??など様々なジャンルがホコリを被って投げ売りされている中、見つけた1枚がこちら。
林 紀恵(のりえ)さん、ご存知でしょうか?
私は何年か前に『爆報! THE フライデー』というTV番組で彼女のことを知りました。
1964年生まれ、北海道札幌市出身。
第5回ホリプロスカウトキャラバンで優勝(1代後輩は堀ちえみ)、1981年3月デビュー。
レコードデビュー同期は近藤真彦、伊藤つかさ、沖田浩之、竹本孝之など。
これは彼女のデビュー曲。あっ!あの時の人だと思い出し、迷わず購入しました。
針を落としてみると、これがなかなかどうして味わい深いアイドル歌謡。最近のお気に入りで結構な頻度で聴いてます。
「えとらんぜ」
作詞・中里 綴 作曲・小田裕一郎
編曲・大村雅朗
(初めて動画を貼ってみました)
イントロをはじめ、度々副旋律で登場するストリングスの音に古さを感じますが、基本はシンセが伴奏のディスコ風。
そこに年頃の女のコの失恋心情が、マイナー調の歌謡メロディに乗せて歌われます。
♪Bye-bye dreamy day〜
すこし えとらんぜ…
林 紀恵さん、結構真っ直ぐな発声です。
歌詞の内容を要約すると、
といった感じ。乙女の傷心を丁寧に描写した、なかなか秀逸な歌詞です。
演奏面ではサビに入ってからのドラム、ベースがグルービーで渋い〜。
しかし個人的に耳を引いたのが、ワンコーラス直後の間奏で唐突に入ってくるシンセサイザーのリード!
突然のスペーシーな世界に面食らいますが、これが結構クセになります。
早逝した大村雅朗氏の尖ったセンスを感じます。曲メロよりこっちの方が目立ってます笑
作曲の小田裕一郎氏は松田聖子「青い珊瑚礁」などで有名ですね。
作詞の中里 綴さん、あまり聞かない名前だと調べてみたら、この方元々は、由美かおる、奈美悦子らで知られる西野バレエ団、レ・ガールズの出身。
歌手としてデビューするも芽が出ず、その後作詞家に転身という異色の経歴でした。
だだ悲しいことに、音楽プロデューサーだった元旦那に1988年に刺殺されたとの事。何とも痛ましい…。
歌っていた林 紀恵さん本人は、アイドル歌手として4枚のシングルを発表するも、全く売れなかったようです。このデビュー曲「えとらんぜ」もオリコンの100位にも入らず。
前述のTV番組によると、その後カメラアシスタントとの恋愛が事務所にバレてしまい、
自由に恋も出来ないアイドルなんて窮屈と、1983年に高校卒業と同時に芸能界引退。活動期間は2年。
その後、田舎に帰って就職、結婚、出産、離婚。パニック障害を患った過去も。
現在は愛知県内にて介護ヘルパーの仕事をされており、その様子が36年ぶりのテレビ出演で紹介されていました。年相応にふっくらした婦人美となりましたが、かつての面影も残ってました。
その後の人生模様も知ってこのデビュー曲を聴くと、何だか感慨深いもの。
あの時代、売れずに終わったアイドルなどそれこそゴマンといたとはいえ、つい遠い目になる私です…。。。
でもお元気そうで良かった!!
さてアイドル時代の林 紀恵さんの画像を見ると、当時から少しふっくらして、垢抜けないけど元気そうな女のコ。彼女のキャラクターからすればもっとメジャー調の曲の方が良かったのかな、とも思いました。
ちなみに2ndは「素敵なラブ♡モーション」というタイトル。きっとこちらは溌剌とした元気な曲なのだろうと睨んでおります。が、まだ聴いた事はありません。
この御時世、インターネットを使えば一発なのは重々承知ですが、ここは敢えて我慢。偶然の感動もあります。同じようにまたいつか何処かのリサイクルショップで、突然の再会となるのを密かな楽しみにして置きます。
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