世の中には美味しいものについて書かれた食エッセイがたくさんある。不味いものより美味しいものを食べたいのと同じように、不味いものを不味そうに書いたエッセイより、美味しいものを美味し…
- 運営しているクリエイター
記事一覧
3 金剛三昧院の梨のコンポート
絶対に梨のコンポートではないことだけは分かっている。ただ見た目が梨のコンポートに似ていただけである。味は似ても似つかない。
あの味を何と形容したらいいのだろう。まず甘くない。まったく甘くないんである。食感は非常に柔らかい。柔らかいというか口に入れて舌で押すとびしゃっと崩れる。何とも不愉快な口触りである。つまり不味い。とても不味い。何なんだこれ。
梨の味は全くしない。どちらかというと瓜系、冬瓜と
2 中尊寺のほおずき
今まで食べたもののなかで一番不味かったものと言われたら、まず一番最初に思い出すのが中尊寺の駐車場横にある食堂の定食に添えられたプチトマトだ。あれは凄かった。カルチャーショックだったと言ってよい。食べていいものの味とは到底思えぬお味で、本当にプチトマトだったのかも自信がない。赤くてプチトマトほどの大きさだったというだけだ。こうやって書いているとどんどん自信がなくなってくる。あれは本当にプチトマトだっ
もっとみる1 トップバリューのたまごふりかけ
田舎は田舎でもイオンに支配された田舎と支配を免れた田舎がある。そうと知ったのはつい最近のことだ。私の父の実家があるH県A市はイオンの支配下だった。だから田舎はすべてイオンに駆逐されているのだと思っていたのだが、決してそんなことはないどころか、非常に優秀な地域チェーンが存在する田舎もあることを知った。
私の父の実家の最寄りのスーパーマーケットは8km先、もちろんジャスコ。今もイオンとして健在である