楽器紹介④
今日和、キリヒラです。各都道府県で緊急事態宣言が解除された週末、WEEK END。4回目いきましょう。
今回は2012年~15年くらいに使用していたYAMAHA BX-5です。
80年代に流行ったヘッドレススタイルの先駆け“スタインバーガー”を、その波に乗れとばかりに国内メーカーが生産した亜流モデルの一つがこれ。FENCE OF DEFENSEの西村さんが使ってました。当時の近未来的感覚を投影したこのシェイプが堪らんです。今でいうとレトロフューチャー。当時のスタインバーガーはグラファイトやカーボンといった木以外の材で作られていましたが、BXは木。残念。
本来、5弦ベースはルックス的に好きじゃないので自分が使用するうえで選択肢になかったのですが、このBXは見てのとおり全てがコンパクト。さらに変型好きな自分の心を揺さぶるシェイプという事もあって持たない理由はなかったです。BXは他に4弦仕様のBX-1というのがあります。ルックスは断然そっちの方がカッコイイです。BX-5は弦が1本増えてるだけにちょいとおデブ。
スルーネックで24F。材は知らないので調べてみましたところ、ボデイ材はナトー+メイプル+マホガニー、指板はストライプドエボニーの多層構造だそうな。ネックの反りを出来るだけ防ぐ強度を稼ぐための工夫なんかな? 先ほど木で残念なんて書きましたが全く残念ではないですな。
ヘッド~ブリッジ、ピックアップまわり。
スタインバーガーとは違って専用の弦ではなく通常のベース弦でOK。ブリッジにボールを引っ掛けてヘッドでロック。チューニングはブリッジで。
問題はピックアップ。実は4弦仕様のBX-1と同じものが搭載されております。当時は、多弦ベースがそこまで出回ってなかった頃で多様にパーツがなかったというのが理由だそう。弦間が非常に狭いので音が拾えてるのかな?とも思いましたが、あきらかに5弦にパンチが感じられないのはその影響でしょうね。
コントロールは2ボリューム、1トーン。トーンノブはプッシュアップ可能。アップ時はスラップなんかが似合う音。余談ですが、チョッパーっていう呼び名の方がうさん臭くて自分は好きです。
パーツはYAMAHA独自のパーツが使われていてパーツがトラブった時は即対応できないので困る。一度、パーツが逝ってしまった時、ダメもとでYAMAHAに問い合わせたらギリギリ在庫があったのはラッキー。今はメーカーの手持ちも無いので中古を漁るしかないですな。大事にせにゃ。
素の楽器の音としては、ローに物足りなさを感じつつもミドルとハイはブリっと鳴るといった感じでしょうか。
レコーディングでは『月蝕のサーカス』、『スベテキエテナクナレ』、『影孕む密葬、月は静寂』で使用しました。
厳密にいうと、この機体の前に黒い1号機があってRECやMVはその1号機です。ライブの時に1号機は壊してしまいました。パーツは生きているので大事にとってあります。
そんな1号機が頑張ってくれていた当時のMVがこちら。
【MV】臓物にジグソウ https://www.youtube.com/watch?v=TQKhfYmhIEA
↓ 上記の各音源はこちらで聴けます ↓
●amazon music
https://www.amazon.co.jp/music/prime
●Spotify
https://www.spotify.com/jp/
●Google Play
https://play.google.com/store/music?hl=ja
●iTunes
https://www.apple.com/jp/itunes/
ということで当時の。
【使用当時のこと】
『月蝕のサーカス』という音源を作っている時、手術で入院したんです。音を録り終えた後ですけど。
手術したその日、目が覚めたらCDのプレス担当の方から凄い数の着信履歴が入っていて、電話したら『こちらのスケジュールのかけ違いで明日中に印刷関係のデータをもらわないと納品が間に合わないです』と言われて。翌朝、主治医さんに頼み込んで外出許可をもらってマッハで仕上げたのを凄く凄く覚えています。
あと、この時期、他にこんなベースを使った事がありました。
Epiphone レスポールFlame Top 5弦
2000年初頭に販売された機体で日本未発売(だったと思います)。ボディーはマホガニー、トップはフレイムメイプル。セットネックで指板はローズウッド。ピックアップはDual Railハムバッカーを2基。2ボリューム、1コントロールとセレクタースイッチ。
『影孕む密葬、月は静寂』の数曲とライブで1回だけ使った記憶。
とにかくデカい! 重い! 指板も太い! 5弦ベースが好きじゃない理由がすべて詰まっている機体です。レスポールの5弦という物珍しさだけで試したくなったという、、、。音は各弦でバランスが悪かったり作りが雑だったり。何とか良くしよう、なろう、と努力をしないでもなかったのですが、そんなわけですぐに放流してしまいました。あくまで僕が使った時の感想ですのであしからずです。
映像も写真もどこかにあるんでしょけど、今は見つけられなかったです。
ライブで使用したのはたった1回でしたが、そのライブには佐分利さんが観に来てくださいました。佐分利さんもこの楽器に興味津々だったみたいで色々とお話させていただきました。その時にいただいたライブの感想や僕にかけてくださった言葉は宝物です。
佐分利さんを想う時、僕は佐分利さんがドラムをたたいているNUDEというバンドの“SILK”という曲を聴きたくなります、という余談でした。
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