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スザンヌ・ヴェガ「トムズ・ダイナー」「ルカ」、定かでないこと、、深夜書店。

 想像力につながっていくのは、。
 定かでないことがはっきり明確につたわってこないからともいえる。
 だからこそにも、。
 詩のようなものや、楽曲が沁みてくるのかも、。
 涼やかな風のように、目に映ることもなく透明であるけど、。
 触れることも感じることもできるから、哀しみを流していく、。

 心だけでなく身体に沁み込ませている感覚は、あれこれあるやろうけど、。
 それほどに感じない者であったはずでも、、。
 孤独、という感覚。
 意外と日々のいろんなものにすりかえて過ごしているのかもしれない。
 
 風にのって校内放送や、子供たちの声だとかが聴こえたりすると、
 不意に鼻孔の奥がツーンとなって、泣けてくるような感覚とか、。
 
 近くには中学校があって、ベランダから校庭が一望できるところに住んでる。
 学生たちの活気を否が応でも感じたりできるくらい近所だ。
 いまの時節の寒空なんて、ものともせずに平日の体育の授業で声あげて走り回ったり、休日でも野球やソフトボールしたりしてる。
 若い生命の躍動する姿や、声が聴けるのはええことではある。

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 とはいえ、けして若くない者にしたら、、。
 最近、瞬(またた)く間に時間が流れていく、。
 ど~いうこっちゃねん、と。
 これもまた歳月を経てこその感覚なんかも。

 日暮れになると、
 想い馳せるものや、実際に映るもの、。
 みてるものすべてが、定かでなくなる感覚。

 それは、さみしい、?
 ん?
 俺が?くそったれ野郎でしかなかった俺が、?。
 ・・
 さみしい、?

 (笑)
 「・・俺(詩人)として、生きてるからとちがうのん?、、」
 詩人で恋人だった面影の声、。
 ・・聴こえてきそうにも、。
 ぼやけて、となりに寄り添ってくれてるみたいに、。
 みてるものすべてが、定かでなくなるのなら、。
 体温や表情すらも感じたらええだけのこと。
 
 哀しみ、にも詩があって未来につづく希望がある。
 だれかに届く、きっと、心という場所に。
 流れるひととき、を心地よく聴くみたいに。
 そそ、
 あいつなら小鼻が猫みたいにひくひく、、させるんかもな。
 いい曲を聴いてるときみたいに、、。
 
 喪うことの苦しみを噛みしめたからこそ、。
 生まれて、たくましく生きるものもある、と。

 無邪気で、、。
 美しい佇(たたず)まいを醸(かも)しながら生きつづけてる。
 無色透明な、涼やかな風のように、。
 
 「さみしい」とか「会いたい」といった言葉が唄われているわけではないのに、
 歌詞は恋人と別れて朝の時間をトムのダイナーで過ごしている者の独り言という表現で歌詞の行間、空白から孤独感が滲んでくるような詩、。
 最初から最後まで、独り言が途切れることなく、流れていく。
 スザンヌ・ヴェガ の曲「トムズ・ダイナー」を聴きたくなった。
 動画↓。Suzanne Vega 「Toms Diner (Official Music Video)」3分44秒

【和訳「トムズ・ダイナー」】

【椅子に腰かけて
 朝の時間を過ごしてる
 このダイナー(食堂)は
 街の通りの角にある

 隅っこのカウンター席に腰掛けて
 店の男性がコーヒーを注いでくれるのを待ってる
 なのにその人はカップの途中まで
 注いだところで止めてしまった
 文句を言おうと思ってると

 その人は窓の外へ目をやって
 そこにいる誰かが店に入ってくるのを
 そのままそこで見ている
 「いつもありがとうございます」
 カウンターの後ろから男性がそう言って
 声をかけるのが聞こえてくる

 入って来たのは女性で
 その人は傘についた雨の滴を
 振って床に落としてる

 視線を逸らせてよそを向く
 その人たちが挨拶の
 キスを交わしている時は

 見てないってフリする
 そんなふたりのことなんか
 だから気づいてないって感じで
 その代わりにコーヒーに
 こうしてミルクを入れてる

 手元にあった新聞を
 開いて読み始めると
 ある俳優の記事がそこに載っている

 その人は酒を飲んでいる時に
 死んでしまったらしいけど
 知らない名前だったから
 そこはさっさと飛ばしたまま
 星占いのページに行って
 それからマンガを探した

 そしたらなんとなく
 誰かがこっちを見ているような
 そんな気がしたもんだから
 新聞から顔を上げてみたら

 そこに女性がいて
 店の外から中の様子を覗いてた
 あたしのことを見ているの?って
 そんな風にも思ったけど

 別にその人は
 こっちを見てたわけじゃない
 その視線の先には
 窓に映ってる自分の姿があったから

 頑張って
 気づいてないフリした
 その人が自分がはいてるスカートを
 グイっと引っ張り上げてたから

 その人はストッキングも直してたけど
 そうするうちに
 髪の毛が濡れてきた

 朝から降ってるこの雨は
 これからも
 お昼になるまで続きそう
 耳を澄ますと
 鐘の音が
 大聖堂から聞こえてくる
 そしたら思い出した
 
あの人の声だとか

 真夜中のピクニックとか
 
ずっと昔の思い出を
 あの頃は
 まだ雨は降ってなかった

 コーヒーを飲み干そう
 そろそろ電車が来る頃だから】

 スザンヌ・ヴェガは、10代の頃より始めた作詞・文学・演劇を背景に、社会派のアーティストとして非凡な才能を発揮し、数々の賞を獲得している。
 2008年「グラミー賞」受賞。
 ファーストアルバム「街角の詩」から、二年後に発表されたのがセカンドアルバム「孤独(ひとり)」
 その収録曲にして1曲目「トムズ・ダイナー」につづいての2曲目が「ルカ」
 
 「ルカ」は何も知らずに聴くと、明るいポップス曲に聴こえる。
 けど、内容は深刻な児童虐待をテーマにした曲。
 虐待を受ける少年の視点から描かれた歌詞。
 これを読み込んでいくと、痛くて切ない気持ちなる。
 耳心地がいい曲であるからこそに、、世の中の上っ面(つら)だけ捉(とら)えようとしたり、。
 きれいごとや、理想的な眼差しでしか物事をみつめへん弱い心を戒(いまし)めてくれたりする。
 動画↓。Suzanne Vega 「Luka (Official Video)」3分50秒

【歌詞和訳「ルカ」】
【My name is Luka
I live on the second floor
I live upstairs from you
Yes I think you’ve seen me before
僕の名前はルカ、2階に住んでる
あんたの部屋の上だ
そう、僕を見かけたことあるよね】
【If you hear something late at night
Some kind of trouble. some kind of fight
Just don’t ask me what it was
Just don’t ask me what it was
Just don’t ask me what it was
もしも夜遅くに
もめごととか喧嘩みたいな騒ぎ声を
あんたが聴いたとしても
「何だったのか?」なんて
僕に聞かないでね
お願いだ、どうか聞かないで
【I think it’s because I’m clumsy
I try not to talk too loud
Maybe it’s because I’m crazy
I try not to act too proud
僕って不器用なんだ、だからだと思う
あまり大きな声では話さないように努力はしてる
それか僕は馬鹿だからかな
えらそうにも、していないつもりなんだけど…】
【They only hit until you cry
After that you don’t ask why
You just don’t argue anymore
You just don’t argue anymore
You just don’t argue anymore
あの人たちは泣くまで殴るだけなんだからさ
それが終わったら「どうして?」って聞かないことだよ
それ以上言い争ってもだめ、口論しても無駄なんだ】
【Yes I think I’m okay
I walked into the door again
Well, if you ask that’s what I’ll say
And it’s not your business anyway
うん、僕は大丈夫だと思う
またあの家に戻った
もしあんたが聴いてきたら僕はそう言うしかない
でもどっちみち、あんたには関係のないことだよね】
【I guess I’d like to be alone
With nothing broken, nothing thrown
Just don’t ask me how I am
Just don’t ask me how I am
Just don’t ask me how I am
ただ、ひとりになってみたいかな
そしたら何も壊されることもないし
何も投げつけられることもないだろうから
僕に「大丈夫?」なんて聞かないでね
「どうしてる?」なんて聞かないで
お願いだから】
【My name is Luka
I live on the second floor
I live upstairs from you
Yes I think you’ve seen me before
僕の名前はルカ、2階に住んでる
あんたの部屋の上だ
そう、僕を見かけたことあるよね】
【If you hear something late at night
Some kind of trouble, some kind of fight
Just don’t ask me what it was
Just don’t ask me what it was
Just don’t ask me what it was
もしも夜遅くに
もめごととか喧嘩みたいな騒ぎ声を
あんたが聴いたとしても
「何だったのか?」なんて
僕に聞かないでね
お願いだ、どうか聞かないで】
【And they only hit until you cry
After that, you don’t ask why
You just don’t argue anymore
You just don’t argue anymore
You just don’t argue anymore
あの人たちは泣くまで殴るだけなんだからさ
それが終わったら「どうして?」って聞かないことだよ
それ以上言い争ってもだめ、口論しても無駄なんだ】

 この世界のあちこちで、、。
 虐待を受けている子供たちがいる現実の世の中。
 死、という最悪の結末を受けた子供たちも、後を絶たない。
 それがニュースになって初めて、こんな状況があるということを世の中は知るだけ、。
 今もどこかで、助けを求めている子供たちがいるのではないか。
 もしかしたら自分の近くに、、。
 何かできることはないんかな、とか考えたり、。

 定かでないこと、、想像したりもする。
 
 真夜中のピクニック、。
 昔、詩人で恋人だった面影とよく散歩してたみたいに、。
 このところも、よく歩いてる。
孤独(ひとり)で。
 俺(詩人)やし、。

 想像力につながっていくのは、。
 定かでないことがはっきり明確につたわってこないからともいえる。
 だからこそにも、。
 詩のようなものや、楽曲が沁みてくるのかも、。
 涼やかな風のように、目に映ることもなく透明であるけど、。
 触れることも感じることもできるから、哀しみを流していく、。

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【歌詞「トムズ・ダイナー」】

I am sitting
In the morning
At the diner
On the corner
I am waiting
At the counter
For the man
To pour the coffee
And he fills it
Only halfway
And before
I even argue
He is looking
Out the window
At somebody
Coming in
"It is always
Nice to see you"
Says the man
Behind the counter
To the woman
Who has come in
She is shaking
Her umbrella
And I look
The other way
As they are kissing
Their hellos
I'm pretending
Not to see them
And Instead
I pour the milk
I open
Up the paper
There's a story
Of an actor
Who had died
While he was drinking
He was no one
I had heard of
And I'm turning
To the horoscope
And looking
For the funnies
When I'm feeling
Someone watching me
And so
I raise my head
There's a woman
On the outside
Looking inside
Does she see me?
No she does not
Really see me
Cause she sees
Her own reflection
And I'm trying
Not to notice
That she's hitching
Up her skirt
And while she's
Straightening her stockings
Her hair
Is getting wet
Oh, this rain
It will continue
Through the morning
As I'm listening
To the bells
Of the cathedral
I am thinking
Of your voice
And of the midnight picnic
Once upon a time
Before the rain began
I finish up my coffee
It's time to catch the train

動画↓。Suzanne Vega 「Toms Diner (original )」2分10秒










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