勤路記44.夏を嫌いになる夏

積乱雲の陰影がわざとらしいほどにくっきりと浮かび上がる。「summer」というフィルターがあれば、きっと今私が見ているこの空の質感なのではないか。

慎重に弱冷車を避けた車両、ブワっとくる塊の冷気、隣の人のノースリーブと小型扇風機のウィーンと小さなモーター音。
なんかもういいよ。
夏ってこんなに嫌いだったっけ。

今朝、先週比で気温下がってるのになんやねんこの暑さ、と文句を言ってたら夫が「湿気がな。サウナのロウリュと一緒や」とサウナ好きらしいことを言っていて、なるほどと納得はしたけれどうんざりが治るわけでない。

肘の内側にあせもをこしらえた次男は機嫌が悪く、口ばっかり達者なことを言うので腹が立ちケンカになる。
夫は「成長と思えば」と言うが、成長の喜びとアホなくせに生意気な奴への腹立ちは同時多発可能だ。

しかし怒るとさらに暑くなるんだよな。
もろみ酢飲んで乗り切ろう。

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