ボンおわり

夫が五山の送り火中継をYouTubeで見ていた。
テレビを子どもらが使いたいから変えていい?と聞くと、スマホで見るからもういいよ、との返事。

山に字の火が燃えてる(だけの)やつ、スマホにしてまで見るんだ。
と思い、素直にそれを伝えたところ「ばあさん初盆やしな」と。

京都の人だ。ほんまの京都の人が家にいる。

お盆の時は、家にお寺さんがきて、おばあちゃんがメロンやらマスカットやら八百屋に注文してぎょうさんお供物して、親戚が集まってご馳走食べて、送り火があって、昔の家からは妙法以外が見えて、「今年もちゃんと帰らはったかねぇ」と話して、賑やかな日々が終わった寂しさと「来週は地蔵盆や」と終わりかけの夏休みを思う。

京都市内、西はずれで育った夫の夏休みをなぞって、なんかええなと思った。

私は大阪の東端のニュータウン育ち、家に仏壇もなく父母の地元も早盆で立ち会ったことがないためお盆の思い出がない。地蔵盆も知らない。

送り火も1、2度見に行ったことがあるけれど「燃えてんな。これいつまでここで見るん?」が心の感想だった。

さらに我々夫婦は「お盆休み」がない勤務先のため、うちの子たちは私よりさらにお盆について何の感慨もない大人になるんだろう。

湿気が多く気温が高い季節と、死んだ先祖が戻ってくる風習、非常に土着感があってナイスなんだけどな。残念に思うけれどくいとめる術もない。

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