中学生になったSODA（1976年＠昭和）～変に人生を達観していた中学生の素顔～（還暦SODA、聞こえるきょうだい④）
SODA（ソーダ、聞こえるきょうだい）の体験。今回は「中学生になったSODA」というタイトルで鈴木浩さん（還暦のSODA（ソーダ）、兄の立場、妹がろう者）に書いていただきました。第４弾です。
年下のSODAや保護者、先生、周囲の大人の方々に役立つように「いろいろ『語りたい』気持ちがありますね」「家族が向き合う大事さを早く知ってもらえたら」という大切なメッセージをいただいています。
最後の一文、「こんな話、ＳＯＤＡと何が関係あるのかと言われそうですが、読む人が読むと、うんうんと頷かれると思います」とあります。
読ませていただきながら、途中、「こんな出来事があったんですか・・・！」と言葉を失いつつ、最後の絶妙な一言にクスっと笑いながら「うんうんっ×10」と頷きました。（編集：平成の中学生だったSODA＠人生の先輩からヒントを学びたい）
”放ったらかし”に育てられた野球少年、中学生に
1976年、私は、地域の中学校に進学しました。
とにかく放ったらかしに育てられてきたので、いろいろなことがよく分からないままに、学ランに袖を通したのです。
ところで、両親の名誉のために言っておきますが、私へも愛情は妹の３分の１ぐらいは注いでくれました。少年野球チームに入った（少年野球ってその頃から始まったのです）私の応援にも来てくれたりはしたのです。
ですから、父は、仕事は適当、母は、家事に専念。そうでなくて、そんな生活はできるはずがありません。家族第一。異常なほどのマイホーム主義。
私は、勉強するという行為がよく分からず、授業には積極的に参加していましたが、テストとか、提出物とか、どうすれば「よいポイントになるか」なんて全く意識していませんでした。
父は妹の学校のために転勤を断り退職したが・・・失業、病気、再就職
話は少し遡りますが、私が小学校に入学したころ、父は、妹を横浜聾学校に通わせるために、会社（某大企業）を辞め（転勤の話があった）、母の兄の仕事を手伝うことにしました。
ところが、私が、中学生のときに、叔父（母の兄）の体調が悪くなり、仕事を続けることができなくなってしまったのです。父は、半年ぐらい失業し、全く収入がない状況になりました。
なんとか、小さな会社に就職したのですが、そこで、腹部に大きな腫瘍ができ、入院。もし悪性ならば、絶望的という状況でしたが、幸運にも良性で、切除して退院。その後、もう少し大きな会社に再就職することができて、家計も安定し、父も、結局その会社に長く務めることになります。
私の中学時代の３年間は、そんな家庭の状況でした。
子ども時代から「自分のことより他人のこと」というＳＯＤＡ的な特性を発揮していた、そんな中学生の素顔
妹は、私の４つ下ですから、中１と小３という関係。ですから、妹にすれば、私の中学３年間は、小３，４，５ということになります。
高学年になると、自分で登校するようになりますから、母の負担もだいぶ減ったとは思います。家から聾学校までは、バスを乗り継いで行きますが、それほど遠くはありません。
それでも、両親は、私には、ほとんど構わず、私も、それをいいことに、いい加減な暮らしをしていました。とはいえ、小学校からずーっと学級委員、中学でも学級委員をし、中３には、生徒会長になるはめになりました。
「自分のことより他人のこと」というＳＯＤＡ的な特性を発揮していた子ども時代でした。
子どものころから変に人生を達観し、老成していたので、私は、異性を好きになったことがありませんでした（話が合わない）。普通、青春時代と言えば、恋の季節なのでしょうが、そういうこととは縁遠い。アイドルなどにも全然興味なし。野球部でしたが、下手くそ。そんな中学生でした。
こんな話、ＳＯＤＡと何が関係あるのかと言われそうですが、読む人が読むと、うんうんと頷かれると思います。
ＳＯＤＡ、聞こえるきょうだい、って？ 聞こえないきょうだいをもつＳＯＤＡの会
鈴木 浩(ゆたか) さんプロフィール
1963 年 横浜生まれ 妹は全聾。妹の配偶者も全聾。
1986 年 中央大学文学部史学科卒
同年より、横浜市立中学校の社会科教諭として勤務
4月より再任用となる。
共著『教室から学ぶ法教育』『教室から学ぶ法教育2』など
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お読みくださりどうもありがとうございました。連載は不定期で続けていきたいと思います。
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「きょうだい」がいつか辞書などにも載るコトバになりますように！！