見出し画像

宝塚星組「ロミオとジュリエット」にゾクゾク!話題の“死”にもクギづけ

島田薫です。


前回の投稿で触れた、この春の“ロミオとジュリエット祭り”。

「なにわ男子」道枝駿佑くん主演の「Romeo and Juliet -ロミオとジュリエット-」に続き、宝塚歌劇星組による「ロミオとジュリエット」を観劇しました。


宝塚大劇場公演を経て、4月16日に東京宝塚劇場で始まった同公演ですが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けて5月10日までの公演が中止に。キャスト替えでA日程とB日程がありましたが、私の予定していたB日程はなくなってしまいました。

ただ、落ち込んでいたところに無観客ライブ配信実施のニュースが!B日程最後の日となった今月2日に、配信で観劇することができました。


同公演でロミオとジュリエットを演じているのは、星組トップの礼真琴(れい・まこと)さんと舞空瞳(まいそら・ひとみ)さんのコンビ。2019年に誕生した明るくて可愛らしい2人ですが、日に日にトップらしさが増しているように感じました。

なにより、この2人は歌がうまい。結婚式を前に歌う『エメ(フランス語で「愛する」の意味)』は、同作を代表する愛の歌ですが、2人の歌声でより心にしみ渡ります。

また、結婚式のシーンでは、それまでの若くエネルギーにあふれていた2人が一段と大人になったような雰囲気を出してきます。しかし、そこからが悲劇の始まり。大切な人たちが命を落とし、ロミオは町を追放され、すれ違いと誤解で悲惨な結末へと展開します。


「ロミオとジュリエット」はバレエ、ミュージカル、ストレートプレイなど、様々な分野で上演される名作ですが、宝塚がこの演目に最も適しているのではないかと思えるほどハマります。そこには、女性が思う理想的な男性像があり、幻想的で美しい世界で愛と死が交差し、切なさが伝わってくるからです。


ところで、今回、「ロミオとジュリエット」が上演・配信されるたびに、ツイッターでトレンド入りしたのが、星組2番手の愛月ひかるさんの“死”の役。作品の象徴的な存在で、セリフも歌もなく、踊りで魅せます。

通常は比較的若手が配役されるため、こんな上級生、しかも2番手が演じるのは珍しく、当初はこの配役にざわつきがあったりもしましたが、そんなざわつきもよそに、愛月さんの“死”は大成功でした。

彼女は男役をやるために生まれてきたような人で、173cmの高身長で手足が長く、肩幅もあり、“ザッツ宝塚”という容姿に恵まれています。それなのに、今回演じた“死”は、どこか女性らしさを感じるというか、性別を感じさせない中性的な魅力にあふれ、色香が漂っているのです。聞けば、本人はもともと、娘役希望だったとのこと。どうりで…と納得することができました。

ちなみに、ほかの出演者にカールヘアが多い中、愛月さんの前髪までストレートのロングヘアはそれだけでセクシーさ倍増。動くたび、踊るたびに目がクギづけになります。


特に、ロミオが『僕は怖い』を歌うシーン。礼さんの圧倒的な歌声と愛月さんの圧倒的な存在感にゾクゾク。私がどうしてもB日程を見たかった理由は、まさにここにありました。


さて、今回はやむを得ない予定変更で配信観劇となったわけですが、配信には配信のよさがありますね。私的にはまず、自宅で好きなワインを飲みながら楽しめること!また、気になるキャストがいればすぐに調べたり、書き留めたりというのも、広い場所で好きにできます。

今回も、ジュリエットの結婚相手・パリス伯爵役を演じた極美慎(きわみ・しん)さんがキラキラしていて、つい確認。「2014年入団の100期生か~!若い!さすが豊作と言われる年だな」などと、独り言も言えます。


そんなわけで、配信のメリットも満喫しつつ、ショーにも大満足。何度でも観たいと思わせるものでした。唯一足りないのは観客で、どんなに歌っても踊っても拍手がない。

たとえば、『世界の王』という曲では、通常だと観客の手拍子が重なり、盛り上がっていくのですが、配信だともちろんなし。やはり客席は舞台にとって最後のピースで、観客がいて初めてパーフェクトなんだなと感じました。

早く劇場に行って、観客も一緒に舞台を作っているのだと実感したい!A日程は劇場に行けますようにと強く思いました。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?