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ferm LIVING Stories vol.36 サスティナブルのお話

近年、その重要性からモノづくり側にとっても、消費者側にとっても、大きな焦点となっている「サスティナブル(持続可能性)」という言葉。

この言葉の先進国とも言えるデンマークに拠点を置く ferm LIVING も、力を入れて取り組んでいるテーマであり、その姿勢は生み出す製品にも表れています。

先日ご紹介した Desert Lounge Chair もその一つ。


そこで今日は、このデザートチェアに採用されている「サスティナブルな生地」についてのストーリーをみなさまにお届けしたいと思います!

〜 PET テキストの背景 〜


100%再利用の使用済プラスチックでできた、Desert Lounge Chair に使われているテキスタイル。今日はその生産の舞台裏へと皆さまをお連れしよう。
捨てられたプラスチックが美しくて耐久性のある、柔らかなテキスタイルへと生まれ変わるまでの旅路に、いざ出発だ。

〜 モダニズムデザイン 〜


私たちの Desert Lounge Chair は、モダンなデザインとサスティナブルで機能的なつくりが組み合わさっており、生活の内と外、その両方に最適なデザインとなっている。

この多面的かつ合理的なデザインは、再利用された使用済プラスチックからできたテキスタイルが特徴だ。
その上、同様のプロセスを経て作られている Wayシリーズなど、私たちにはそのほか多くのテキスタイルコレクションがある。

では、いかにしてプラスチックごみが美しくて丈夫な、まるでウールのような柔らかさをもつテキスタイルに生まれ変わるのだろうか?

〜 プラスチックから糸へ 〜


私たちの繊維メーカーはインドにあり、まずプラスチックごみを全国から集めて純粋なプラスチックかどうかチェックし分別される。

プラスチックごみはその後リサイクル工場に送られ、そこで圧縮、粉砕されて、しっかりとしたブロック状にする。
ブロックはさらに小さなプラスチックチップへと細かく切断され、それを加工して柔らかな短繊維が作られている。細くて空気を含んだようなこの繊維は、髪の毛のようだ。


これで糸に紡ぐ準備が整った。

私たちの工場に原料が届くのは、この段階からだ。
工場があるのはウッタル・プラデーシュ州、バドヒという街。
この地域は織物の豊かな歴史と文化が息づく土地であり、その技は、何世代もの手を経て洗練されてきた。

プラスチック繊維が到着すると、ここで糸へと生まれ変わることになる。

最初のステップは、繊維を機械に入れ、均一に分散させてから回転ブラシでブラッシングすることだ。それぞれの繊維がまっすぐになれば、布のようなシート状の多孔質の塊へと変貌する。
この柔らかで繊細なシートは小さな開口部を通り、緩い糸になるのだ。


次に機械から糸を取り出し、紡績工場で糸によりをかけて、材料を目的の太さと密度に仕上げ、太い羊毛にも似た丈夫で耐久性のあるPET糸をつくる。


糸はその後指定された色に染色されて、美しい生地におられる準備が完了となる。

〜 出来上がりは美しく、耐久性があり、柔らかな肌触り 〜


ここから、生地、ラグ、クッションを織る作業は、新しいウールで織る場合と全く同じである。製品は熟練職人たちが織機を使い手作業で作るため、
それぞれのテキスタイルにはユニークさがある。

その結果、柔らかで高級感ある仕上がりになるのだ。

しかし、製品は完全にプラスチック製であることに変わりはなく、特性をそのままに、長く使える耐久性とメンテナンスの少なさを実現している。


屋内外で使用できるうえ、再生PET糸はリサイクルが可能とはつまり、長年愛用した生地を廃棄する際には、再びリサイクルして再利用することができるということでもある。

ferm LIVING では、革新的でサスティナブルな素材を積極的に取り入れたモノづくりを選択している。


それらの素材を取り入れることはデザインの段階で不可欠なことだ。
新しいコレクションや新製品のたびに、私たちは新たな持続可能性を持つ素材を使うことにチャレンジし続け、サスティナブルな解決策や素材をポートフォリオに加え続けていく。
私たちがそれを行うのは、それが私たちの信じていることであり、私たちの持つ責任の一部であると感じているからだ。


ferm LIVING のデザインは、持続可能性への焦点がさらに重要になってくる未来に向けたものなのである。





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いかがでしたでしょうか?
デザートラウンジチェアのシート1枚を作るために使う再生プラスチックの量は……


なんとペットボトル53本分!!!


すでにあるものを有効に再利用して、その寿命後には再び再生できるというモノづくりへの取り組み。
今後も、その未来に向けた ferm LIVING のデザインに注目ですね。




本日のサステイナブル素材はこちら
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