【米国株2/21~2/24まとめ】PCE上振れで緩まないインフレ。エヌビディア決算ビートで市場牽引。金利高の重力で下がる指数がSMA200到達
こんにちは、Kojiです。
今週のハイライトは以下の4点でした。
①金利の重力に引き寄せられる週
②FOMC議事要旨はサプライズなく通過
③エヌビディア(NVDA)が決算ビート
④PCEが予想を上回ってインフレ長期化懸念
金利高が続く中、PCE上振れでインフレがまだ続くことから、FRBは利上げを続ける観測が強まります。FRBはソフトランディングが可能だと発言を続けているが、今後市場がどちらに傾くかで相場は揺れ動くのだろうか。来月もPCEが上振れるなら、インフレ抑え込めずFRBはより引き締めを目指すか?
ニュースとチャートを振り返っていきたいと思います。
マーケットサマリ
2/20(月)
休場
2/21(火)
PMI(購買担当者景気指数)は上振れ。
中古住宅販売件数は予想を下振れ。
前月比プラス予想だったがマイナスとなった。
2/22(水)
ブラード総裁
・金利は5.375%になる予想
・FRBはターミナルレートまで到達したら減速すればいい
・FEDのリスクは、インフレが下がらないか、インフレが再加速すること
ウィリアムズ総裁
・労働市場も非常に好調
・金融政策は、需要と供給の均衡を回復しなければならない。
・インフレ期待が下がらないようにしたい。
2/23(木)
GDPは下振れだが、コアPCEは上振れでした。
翌日のPCEに警戒感でたでしょうか。
2/24(金)
メスター総裁
・今でも5%より少し高くする必要がある
・インフレ指標は改善されましたが、依然として過度な高水準
・低成長は続くが、景気後退はない
・インフレリスクは上方に偏っている。
PCEが予想上振れ。
緩まず12月より加速しています。
PCE発表を受け、10年金利が急上昇しました。
ジェファーソンFRB理事
・ディスインフレにコストがかかることを受け入れるべきであるという主張は、十分な根拠がある
・高インフレはゆっくりではあるが、下降していく可能性
・非住宅コア・サービスインフレの見通しは、労働需要が労働供給とより良くバランスするようになるかどうか
ブラード総裁
・低い生産コストを伴う「信頼できる」ディスインフレ
・ソフトランディングは可能
・市場は、財政スタンスの変化や、より積極的なFedの可能性を織り込んでいます。
コリンズ総裁
・より多くの金利引き上げが必要
・最近のデータは、さらなる利上げの根拠となる
・ソフトランディングを達成することができると楽観視
・長期にわたって金利を維持する可能性
メスター総裁が再び発言。
・ファンドレートを5%以上に引き上げ、しばらくはそれを維持する必要があります
・インフレ率が目標値である2%に持続的に戻るためのトレンドにまだない
・新しいインフレデータは、さらなるFRB利上げの根拠となる
ターミナルレート予想は5.25%継続だが、5.5%予想のシェアが上昇
6月5.5%予想がじわじわと上げてきています。
5.25%予想がやや下がっています。
10年金利は年末の天井を超えて3.9%台に上昇
2年金利の急角度な上昇が続いており、10年も引っ張られている。
実質金利は期待インフレ率上昇が続いてるため、10年金利ほどの上げ幅にならず
最新の2/24数値は1.57(チャートは1~2日遅れ)
期待インフレ率が引き続き上昇しているため、10年金利ほどの上昇ではない。が、上昇は続いてるため、先週書いた通りで株式にはネガティブに作用している。
ドルインデックスは金利高にともない上昇継続
ドル円は136円台に上昇
S&P500(週▲2.67%)
週足
高値は3週連続で切り下げ、安値も2週連続で切り下げ。
サポートライン(緑色線)をやや下回ってブレイクダウン。
過去のトレンドライン(赤色線)まで戻ってきて、今週はやや反発で終了。
トレンドライン上が買い場と言う人もいるが、次週もこのトレンドラインを割れるかどうか試される可能性がある。
反発できてもレンジ推移だろうか?
トレンドライン割れすると、3,800付近が見えてくる。EMA200付近まで調整進める可能性もありえそう。
日足
今週の振り返り
2/17のハンマーは上昇とならず、今週は下げ加速で推移した。上がり続ける金利の重力には逆らえない結果となった。水曜のFOMC通過で反発したが、金曜にはPCE上振れもあって再び下落。フィボナッチ50%を下回って今年の上昇分は半値戻し。
PCE上振れは、FRBの利上げの根拠となりうることから10年金利は3.9%台まで上昇している。市場はソフトランディングやノーランディングから、ハードランディングの見立てに傾き始めているだろうか?
下落した先は、トレンドライン(赤色直線)とSMA200が混線してる場所で反発が試みられた。
今週も9月高値を上回って推移したが、2/2高値まで戻すことなく失速。出来高は2/3以降やや下がったまま。
次週のシナリオ
①トレンドラインから反発成功できる場合
トレンドライン(赤色直線)から反発できてサポートライン(緑色直線)の内側に戻れた場合は、EMA200前後で右往左往する可能性がある。
数種類のEMAが集中する場所だが、今週はもみ合いから下抜けている。次週この場所に戻れても簡単に上抜けさせてくれるかは疑問。
上昇するためには10年金利・実質金利の低下が必要だろう。
②トレンドラインの下に潜る場合
金利高が続くなら重力に逆らわず、そのままトレンドラインの下に潜っていく可能性がある。トレンドラインの下にはSMA200の岩盤があるが、サクッと下抜ける場合もあるでしょう。トレンドライン・SMA200付近での攻防が数日続くかも?
いずれも下抜ける場合は、フィボナッチ23.6%が1次試験会場。試験合格で反発する場合はSMA200の上に戻れることを確認したい。
試験失格でさらに下に潜ると、12/22安値があるがここまで試すのかは金利次第か?
MA200より上にあるS&P500銘柄
先週末66.2%➡今週末57.25%(▲8.95pt)
山頂のような見た目の山になりましたね。
ナスダック100先物(週▲3.06%)
週足
3週連続の長い上ヒゲの後、しっかり陰線で下げました。9月高値付近のゾーンが意識ライン(薄紫色)は簡単には超えさせてもらえません。
下げた先はEMA12(黒曲線)でやや反発して終了。
金利の重力にはS&P500より反応しやすいナスダックは上値が重い。
日足
今週の振り返り
重力に逆らえず火曜と金曜に大きく下げている。12/13高値がこれまでのレジスタンス・サポートとなっていたが、今週火曜はサポートにならずEMA200下まで突き抜けた。
水曜にはFOMC通過もあって木曜まで一時的に上昇したが、木曜は12/13高値付近が上値目処となってしまい、金曜のPCE上振れでSMA200まで下げた形。SMA200まで到着したものの、ぴったり止まって買い戻しが見られた。
S&P500のSMA200・トレンドライン攻防の結果次第でナスダックも値動き決まるだろうか。現状では上下どちらもありえるポイント。
次週のシナリオ
①SMA200で反発成功できる場合
次週もSMA200を試す場面はあるかもしれない。SMA200で再び買い勢力の攻勢で反発する場合は、EMA200や12/13付近まで戻す可能性がある。12/13がふたたびレジスタンスとなるかは要確認。
SMA200で反発した後に上昇する場合は、金利低下を見せてくれることが条件となりうるか。
②SMA200を下回る場合
SMA200を下回ると、そのままEMA75は突き抜けそう。フィボナッチ50%がすぐ下にあるが、そこで反発できないなら、38.2%を目指す可能性がある。下値目処を探る延長期間となるが、出来高が多い価格帯でもみ合うか確認
MA200より上にあるナス100銘柄
先週末67.32%➡今週末55.44%(▲11.88pt)
急落してますね。
セクター
エネルギー以外は週間マイナス着地。
月初来でもかろうじてテックがプラスだが、ほぼ全滅。
各種指標
Fear&Greed Index
Greed継続(前週69➡今週59着地)
先週崩れ始めていると書いてたが、今週きれいに下がっている。
Put/Call Ratio(Equities)
上昇傾向ですね。
機関投資家センチメント NAAIM Exposure Index
前々週 85.4 ➡ 前週 81.43 ➡ 2月22日時点 57.09(▲24.34pt)
内容みるとロングは変化ないが、ショートのポジションが積まれました
炭鉱のカナリア ハイイールド債HYG
HYGは火曜に急落したが、その後は持ち直している。とはいえEMA12(黒線)の下にいるため、短期的には下落中。
右上がりの平行チャネルからレンジにやや形が変化してきている。
個別株の決算発表
WMT ウォルマート
ガイダンスミス
PANW パロアルトネットワークス
ガイダンス売上ミス
KEYS キーサイト・テクノロジー
ガイダンス売上ミス
WSC ウィルスコット・モバイル・ミニ・ホールディングス
EPSミス、FY22売上ミス
FVRR ファイバー・インターナショナル
売上ミス、ガイダンス売上ミス
NVDA エヌビディア
クリア
U ユニティ
ガイダンスミス
TMDX トランスメディクス
クリア
MRNA モデルナ
Q4/FY22 EPSミス
SQ ブロック
Q4/FY22売上ミス
決算発表予定
2/27週の予定
イベント
3月1日 ISM製造業景況指数
3月3日 ISM非製造業景況指数
アノマリー
新月相場(2月20日~3月6日)
おわりに
次週はISMとハイグロ銘柄の決算が多い週です。金利高かつPCE上振れで下げる指数がSMA200を死守できるのか見守る週になりそうですね。
次の記事を書く励み、定期的に更新するモチベーションになっています。 サポートしていただけたら、投資・チャート分析のインプットに役立てたいです。