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【米国株2/13~2/17まとめ】CPI/PPI上振れでインフレ鈍化しない?小売堅調もフィリーが弱く経済成長の揺れ

こんにちは、Kojiです。
今週は
①CPI・PPI上振れでインフレ再燃懸念、
②小売売上高は好調も、フィリーが大幅下振れで製造業は不調、
③失業申請が予想下振れで、雇用も強さを示しました。

高インフレ継続のまま景気堅調が続くノーランディングの可能性も指摘されています。しかし今週の製造業の弱さのようにノーランディングへの疑義も出ているモヤがかかった状況です。
ノーランディングなのかハードランディングなのか行く末が決まらない環境下を過ごす必要がありそうですね。
また、Fed高官は金利は高く長く維持をここ最近はずっと発言してます。

ニュースとチャートを振り返っていきたいと思います。

マーケットサマリ

2/13(月)

ボウマン理事
・経済およびインフレの見通しは、依然として極めて不透明
・労働市場は依然として非常に好調ですが、インフレ率は我々が望むほどには緩やかになっていません。
ソフトランディングのコンセプトは、実現するのが珍しい。

2/14(火)

CPIは前年同月比が予想上振れ。

バーキン総裁がCPI発表後に発言。
・インフレ率を目標値に戻すには時間がかかる
・インフレ率が目標を上回って推移した場合、追加的な措置が必要となる
金利を長く維持することは、非常に良いケース
・今のところ、私にとっては、やりすぎることのリスクの方が、やりすぎないことのリスクよりも大きい

ローガン総裁
・労働市場は「より良いバランス」を達成しなければならない。
・コア・サービスの改善を示す証拠はほとんどない。
サービスインフレはもっと緩やかでなければならない。
・政策引き締めが小さすぎることが最大のリスク。
・状況が許せばさらに引き締めなければならない。
・過度の引き締めや急激な引き締めは、労働市場を必要以上に弱体化させる危険性がある。
・FRBはかなり長い間、バランスシートを縮小し続ける

ハーカー総裁
・今年のコア・インフレ率を3.5%程度、2024年に2.5%、2025年に2%目標に戻ると予想
・景気後退は予想していません。
・5%よりどこまで上げるかは、入ってくるデータ次第
しばらくは5%以上を25bps刻みで継続する必要がある
バランスシートを切り崩しながら、金利には慎重にならざるを得ない

ウィリアムズ総裁
・インフレ率を2%に戻すには数年かかる
今年のコアPCEインフレ率は3%に達する
・失業率は今後1年間で、4%から4.5%まで上昇する
・賃金上昇率は高く、雇用市場は極めてタイト
最近のデータは、追加利上げの根拠となる
・2024年と2025年にFRBがインフレ率の低下を反映して利下げを行う可能性
・FRBが現在の予想以上に利上げを必要とする可能性があります。
年末のFF金利は5.00%から5.50%が妥当

ブレイナードFRB副議長が辞任予定。FRBに欠員が生じる。
国家経済委員会の次期委員長に就任予定。

2/15(水)

小売売上高は予想を大幅上振れ。
前月比 前回 -1.1% 予想 1.8% 結果 3.0%
コア前月比 前回 -1.1% 予想 0.8% 結果 2.3%

NY連銀製造業は予想上振れ。
前回 -32.9 予想 -18.0 結果 -5.8

2/16(木)

PPIは予想上振れ。

フィリーは予想大幅下振れ。
前回 -8.9 予想 -7.4 結果 -24.3
ずいぶんと弱い。

住宅着工件数は予想下振れ。

メスター総裁がタカ発言。
・直近のFOMCでは、50bpsの引き上げに説得力があった
・物価安定への復帰は痛みを伴う。
・FEDの金利が5%を超え、長期間その状態を維持すること。
・FRBがどこまで5%を超えるかは、データ次第
経済の需要サイドは我々が予想したほどには軟化していない

ブラード総裁も発言。
・インフレ期待は、現在、比較的低い水準
・現時点では、政策金利は5.25%から5.5%の範囲が適当
・インフレ率の低下に対する信頼感から長期金利が低下し、インフレプレミアムの必要性が低下すると予想
・3月に50bpの引き上げを支持することも否定はしない。
・最近の市場価格の底堅さは歓迎される

2/17(金)

バーキン総裁が再び発言。
・労働市場はまだかなり熱い
・25bpの引き上げを支持
・さらなる利上げが必要であり、その回数は見極める必要がある。

ボウマン理事
もっと進展が見られるまで利上げを継続する必要がある
・1月の雇用統計は、景気が減速していない
・地政学的な緊張がエネルギー価格に影響を与える可能性

ターミナルレート予想は5.25%に上昇

5.00%から5.25%に予想上昇しました。

10年金利は年末の天井に到達

3.86%に上昇、引けは3.82%で一服。

実質金利はさらに上昇

最新の2/17数値は1.46(チャートは1日遅れ)
期待インフレ率の上昇が継続。
実質金利は年末の値にはもう一段上があるが、期待インフレ率が上がってるから届いていないようだ。これ以上、実質金利が高くなると株式にはアラートか。

ドルインデックスが一段高

S&P500(週▲0.28%)

週足

2週連続で高値切り下げでした。安値は先週比で切り下げ。
9月高値を上回った後は失速して下落している様子。
しかし4,000を下回ることなく調整は踏みとどまっているようだ。また、今週はEMA75を下回ることもなかった。
ただし3週連続で上ヒゲの存在は上も重そうな印象を与えるか。

上下どちらとも言えない方向感だが、PCE以降で動き定まるだろうか?

日足

今週の振り返り
今週も9月高値を上回って推移したが、2/2高値まで戻すことなく失速。出来高は2/3以降やや下がったまま。

木曜からの下げは、PPI上振れ・失業下振れによるインフレ再燃の懸念、フィリー大幅下振れのハードランディング懸念と、組み合わせによる見方が下目線を強めたか。

木曜から金曜は12/13高値を再び下回って着地。金曜は下ヒゲが長いハンマーで、下の底堅さを示したのだろうか?12月高値付近のテストの可能性。フィボナッチは61.8%まで届かず反発している。

次週のシナリオ
①ハンマーから反発上昇を形成するケース
反発上昇でフィボナッチ78.6%を上回るなら、赤色のレジスタンスラインを上抜けするか1次試験会場。
上抜け合格なら、2月2日高値を目指す動きとなるか。

②下落継続するケース
EMA20を下回った金曜のローソク足から、次週も下落する場合は、緑色のサポートラインが1次試験会場。ここが押し目となるか下回るかが問われる。
サポートライン付近はEMA200・EMA75・上位足の20週EMAが集中しているラインなので、もみ合いになる可能性も。
下抜けた場合は、フィボナッチ38.2%付近が見えてくる。

MA200より上にあるS&P500銘柄

先週末68.19%➡今週末66.2%(▲1.99pt)
再び低下。

ナスダック100先物(週+0.39%)

週足

3週連続で上ヒゲが長めでした。
薄紫色の平行線あたり&9月高値が点が集中している場所で、意識されやすい。今のところは上値目処として機能している状況。

EMA75(オレンジ線)がローソク足の実体ベースでは跳ね返しポイントになってる見え方。

もう一点気になるのが、実質金利を反転させた逆数(水色線)。
通常は実質金利にある程度相関して動くが、最近の株価の上昇は実質金利との相関が外れている。
これが再び相関もどって、下目線となるかどうか。

それとももう少し下げたところで押し目となるか来週のPCEで方向感が決まるだろうか?

日足

今週の振り返り
2/10(金)に12/13高値を押し目にして、その後は上昇。
しかし9月高値付近まで戻すことなく失速。引けは短期フィボナッチの23.6%に着地。

木曜からの下げは、経済指標による下目線材料がSP500よりナスのほうが大きな反応を示している。

次週のシナリオ
次週はNVDA決算発表があるので、サプライズ次第では半導体銘柄の値動きが荒くなる可能性もありそう。ナスダックがそこに引っ張られるか要注意。

①押し目を作って反発

2/10が12/13高値を押し目にしたように、次週ももう一度押し目で反発するシナリオ。
この場合は、赤色のレジスタンスラインをまずは目指す可能性。
レジスタンスに到達できたときはここが1次試験会場。レジスタンスを上抜けできるなら、紫色の平行線が2次試験会場。

②12/13高値を割り込んで下落
12/13高値を割り込むと、ダブルトップの下落を加速させる可能性がある。
付近のEMA200を下回って推移する場合はEMA75と上位足の20週EMA付近が次の試験会場となる。

①②いずれでも気になるのはMACDがそろそろデッドクロス付近。上昇パワーが弱くなりやすいかも(?)
週足で述べたとおり、一足先に上がった実質金利と相関してくるかも下目線の懸念事項。10年金利がここから低下してくるなら、その波も弱まる。

下抜けたときは、1月~2月頭でひいたフィボナッチの61.8%や50%のどこで止まるか観測が必要。

MA200より上にあるナス100銘柄

先週末67.32%➡今週末67.32%(+0pt)
奇跡的に先週末と同値に着地。一時的には2022年最高値を超えるタイミングもあった。

セクター

先週強かったエネルギーは反落。テスラが牽引。

テスラが強いですね

各種指標

Fear&Greed Index

Greed継続(前週70➡今週69着地)
数値はほぼ横ばいだが、グラフ見ると崩れてきている。

Put/Call Ratio(Equities)

横ばい推移でアラートにならず。

機関投資家センチメント NAAIM Exposure Index

前々週 78.37 ➡ 前週 85.4 ➡ 2月15日時点 81.43(▲3.97pt)
下がり始めました。内訳見ると弱気-50がつきはじめた点が先週と違うところ。Quart2も低下。

炭鉱のカナリア ハイイールド債HYG

HYGは下落を続けたが金曜は上昇で前日を包む形。上位足の20週EMAを下回って推移。何本かのEMAが集中してるが上値重いか?金曜の勢いが続くか様子見。

個別株の決算発表

PLTR パランティア

ガイダンスミス

MEDP メッドペース

FY22EPS、ガイダンスEPSミス

KO コカ・コーラ

FY22EPSミス

MAR マリオット

クリア

ADI アナログ・デバイセズ

クリア

SHOP ショッピファイ

クリア

DDOG データドッグ

ガイダンスミス

HUBS ハブスポット

クリア

SWAV ショックウェーブ・メディカル

クリア

決算発表予定

2/20週の予定

イベント

2月20日 休場
2月21日 PMI、中古住宅販売件数
2月22日 FOMC議事要旨
2月23日 GDP
2月24日 新築住宅販売件数、PCE

アノマリー

  • 新月相場(2月20日~3月6日)

おわりに

次週はFOMC議事要旨、PCEとつないでいく週です。FOMCでタカ寄り発言がみられると金利高・株売りの材料にされる可能性はあるだろう。
CPI・PPI上振れの今週でしたが、FRBが気にするPCEの結果次第で、方向感が定まってくるかもしれませんね。


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