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「あんぎお日記」(1991年12月13日)

十二月十三日(金)
 肩を軽く叩かれて目覚める朝六時前は室内も窓の外もまだ暗闇。意識が夢の余韻におぼれ、外界に対しての準備ができぬうちに、横向きで浣腸される。夢の勢いは猛烈に残っていて手脚の先でもうずいているが、具体的な内容は咄嗟には思い返すことができない頭を携えてトイレへとスリッパを引き摺る。
 トイレで夢が帰ってくる。自分の片眼の拡大写真を撮ってもらう。60x30㎝大。パフォーマンスのシリーズで取り挙げてもらえることが決まって、出来上がった立派なパンフレットを持って宣伝に回る。あのクアトロのスケジュールのようなもの。自分にそっくりの中国人名のパフォーマーが屋外で座禅を組んで頭に変なものを被っている写真が、前回のパンフレットに載っている。髪を切った貞吉と未魚軒氏の座る店内にドッサリとパンフ類を置いて話す。

 手術へ。


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