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王様のレストランという奇跡

Kさんへ

先日、たまたま気にかかって『王様のレストラン』というドラマを観ました。調べたら1995年という、とても昔に作られた作品でした。以前、再放送でしょうか、観た記憶はあったのですが。

ユーモアがあって、ハートフルな、そういう映像が観たかっただけなんですが、とても癒されました。

なんというか、登場人物が皆、社会人としてはどこか抜けているのに個性的で魅力的なんです。私たちは心のどこかで、キッチリカッチリできている人が魅力的だと勘違いしている気がします。

「オレをよ、ただの役立たずだと思うなよ。運が悪かっただけなんだ。ほんのちょっと歯車が噛み合わなかっただけなんだ。とてつもなく、長い厄年が続いているだけなんだ。」
- ドラマ『王様のレストラン 第9話』 -

こう言ったのは、本当にダメダメな総支配人。経営状態を悪化させ、家庭でも問題を作り、やることなすこと上手くいかない。彼自身に問題もあるけど、でも、それでも憎めない。

ダメな人だから、好かれないわけでもなくて。ダメな人だから、人生うまくいかないわけでもない。なんというか、そういう人生の実は緩いところを上手く表現していたと思います。

ちょっと言い過ぎでしょうか。

いくつもある名言でもう一つだけあげておきます。

しずか「言っときますけどね、私はただの三流のコックですからね。」
千石 「そうです。しかしあなたには可能性がある。」
しずか 「ないよ!」 千石「ある!」
しずか 「ない!」 千石「ある!」
しずか 「悪いけど私は自分のことよーく知ってるんです。」
千石 「あなた自分のことしか知らない。私は100人のシェフを知ってる。」

- ドラマ『王様のレストラン 第4話』 -

あなたは素晴らしいと伝える時に、喧嘩腰になってしまう場面。こんなに強く、人に想いをぶつけることがなくなっていたことに気づきました。しかも、相手のことを思って。

仕事場という特殊な環境のみで描かれた、本作。こんな仕事場がもしあったら、きっとその人たちの幸福な居場所になれているのだと、そう思います。

従業員を本気で思える、という組織としての理想系を観ました。

もちろん、ただのドラマではありますが。

それでは。

切手に