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確定申告を税理士に依頼し始めて12年。依頼した経緯と、そこで考えたこと。

この時期にTwitterやstand.fmなどのSNSでよく見かけるテーマが「確定申告」。

フリーランスなど個人事業主の方を中心として、今は書類作成など大変なことだと思います。私は2008年に独立起業しました。顧問税理士をつけたのが2010年。

ということで、過去11回分の確定申告を税理士に託して、現在12回目の確定申告をお願いしている最中です。

同じような背表紙が並ぶとテンションあがります(私だけ?)

なぜ税理士に依頼するようになったか

起業して2年はとくに依頼を意識せず。

起業当初はとくに税理士に依頼するつもりはありませんでした。それよりも自分でできることが楽しいと思っていました。せっかく独立したんだから色んなことをひとりでやってみたい。その気持ちで起業した年の2008年は白色で、2009年は青色で申告を行いました。

白色申告はとても簡単で、わかりやすく言えば、入ってきたお金と出ていったお金がわかればそれでいいって感じ。とくに経費の内訳がどうとか、こまかく出す必要がない。8月に開業をしたので経理処理が少くすんだというのもあるし、経費を使いまくるほど収入があるわけではなかったのが正直なところ。

ひとまず白色でやってみるか、という感じでした。

依頼を考えるきっかけになったのは2009年の確定申告。

2009年は、「去年白色だったから今年は青色でやってみよう。」その程度の意識でした。弥生会計のソフトを買っていたのでそれに仕訳しながら入力をしていく。はじめてのことなので全て楽しかったですね。これは何費にすればいいんだろうとか、書籍も読んだりして、考えながら毎月やっていましたね。

わからない時に相談できない

ここで少し困ったのが、どの費用で計上すればいいかわからない場合に、インターネットで調べることはできてもそれが本当に正しいのかどうかわからないということです。専門家に聞きたくても知り合いがいるわけではない。ある程度いくつかサイト記事を読みながら自分で判断をしていきました。

確定申告会場に行って「よし、今後は税理士に依頼しよう」

今はオンラインでの申告も普通になっていますが、当時はまだ申告会場に出向いて申告をされる方も多かったのではないでしょうか。毎年大きなコンベンションセンターなどに申告会場が設置されるので、そこに書類を持っていきます。

まずそこで出会う光景がずら〜っと並ぶ人の数。申告期間は2月15日〜3月15日。そうですインフルエンザの季節です。まずここに長時間並ぶ手間とインフルエンザにうつってしまう可能性が0ではないというリスクがとにかく嫌でした。フリーランサーはとにかく病気できない、怪我できませんもんね。起業したての私は「今週はカゼ引けないのよ」と毎週言ってました

さて、その会場には税理士に相談できたりするブースがあったりします。でももうすでに書類を作っているのに今さら相談するって…。

申告書を渡す相手はおそらくバイトの方たち。ざっと提出書類を確認してくれるのですが、それも本当に大丈夫なのかはっきりしない。

というわけで2009年の申告を終えたあと、「ほんとうにあれで大丈夫なの?」と不安でしかありませんでした。

結局、


  • 提出書類の正確性が判断できない(税理士に依頼すると、申告決算書の依頼税理士の欄に税理士名が記載できる。これは税務署にとっても正確性が担保できる証しになると思う)

  • 申告にかかる拘束時間が長い

  • インフルエンザにかかる可能性


この3つの理由で、「よし来年は税理士に依頼するぞ」と決めました。

依頼時に考えたこと

税理士に依頼する時、「知り合いの経営者に紹介してもらう」、こういう選択肢もあるかもしれません。実際聞けば教えてくれたはずです。ただ紹介って、本当にその税理士ができる人かどうかわかりませんよね(口が悪い…)。しかも紹介だと肌が合わない場合にお断りするのも難しい。

自分の仕事がWEB系だったりオンラインでの領域がメインということもあり、自分の事業領域について多少は明るくないと話にならないなと考えていました。またこれも経験なので、せっかくなら自分で探したい、というのもありました。

県内所属の税理士をすべてピックアップ

今思うととてもめんどくさいのですが、まず私が住んでいる税理士の一覧を印刷しました。さらにその一覧から一人ずつWEB検索をしていきました。そして自分の判断基準に合わせながら横線をひいたり、丸をつけていく。もはやどこかで見た刑事ドラマの地道な捜査です。

ここでの判断はまず、

ちゃんとWEBサイト(自分で作った)を持っているかどうか。

最近ですとWEBサイトを持っている方も多いと思いますが、当時は持っていない会社や士業も多かったと思います。士業はとくにサイトで集客をする必要もありませんもんね。とにかく私がオンライン領域で仕事をする以上、WEBをしっかり作っている人から選びたかった。 WEBサイトも税理士会が提供してるのか同じフォーマットで作っている人も多かった、そうじゃなくてちゃんと税理士が自分で見せ方やメッセージを考えて作っているサイトがよかった。

さらには、年上すぎる税理士を除外しました。

当時の私は33歳。長年やっている士業の方は私にとって起業の先輩のようなものです。逆に向こうからしてみたら起業したての若者です。変なマウントを取られるのが嫌だったんです笑。客観性を担保してくれていたとしても起業家の先輩として、無意識のうちに上から言われる可能性も否定できないと考え、同年代の税理士から選びたいと思いました。今から思うと我ながらすごい考え方です。

そしてできれば同年代の女性税理士がいればやりやすいと感じていました。起業前の会社にも多くの経理スタッフがいて女性が多かったのですが、こういう会計的なものは、女性の細やかさがあっているのではと思っていたので(完全なイメージだけですけど)、もし条件に合う人がいればいいなと考えました。

結果的にひとりしかいませんでした。それが今の税理士です。

男性や女性という以前に、税理士が作っていたサイトの中で一番しっかりと作り込まれていて、人柄も感じてお話を聞いてみたいなという税理士はひとりしかいませんでした。

この人がいなかったらどうなってたんだろう。

そして私の当初の希望通り、同年代で女性の税理士でした。お話を伺ってみるととても実直で真面目な方で、すぐに顧問契約を依頼しました。

こんな税理士はやめたほうがいい(かもしれない)

私が思う一番依頼したくない税理士は、自分のやりたいことに、マーケティング的、営業的、投資的判断を挟んで助言してくる人ですね。

これらの助言が欲しい方もいるとは思いますが、税理士にはあくまでも自分たちが”出した数字”に対してのフォローやフィードバックをしてほしい。(融資については別です、これについては税理士の助言もしっかりと聞くべきだと考えます。)未来の”作っていきたい数字”については、自分たちで責任を持って、覚悟を持ってやることが大事です。そういった未来の数字を作る上でもし助言を受けるなら、税理士よりもマーケティング専門のコンサルタントから助言を受けるほうがいいと思いますね。そこから出た利益の試算を税理士に確認してもらい、税務的なフィードバックをいただくのが顧問税理士との正しい付き合い方かなと思っています。

ひとりでやっているからこそ、税理士に依頼する。

さて、その顧問契約を交わした税理士さん。そこからは毎月訪問をしてくれて、私がまとめた前月の銀行口座情報、カード支払い(未払金帳)、現金払いのレシート、その他売上情報などの情報を印刷してお渡しします。提出したデータの微調整は税理士にお願いします。

税理士からは先月渡したデータから算出した2期比較損益比較表、2期比較貸借対照表、月別推移表(3期比較)をいただいて、簡単なフィードバックをもらいます。

税理士がいてくれるおかげで、申告に大変であろうこの時期も何も考えることなく、日々の仕事にフォーカスができます。はじめに確定申告をお願いしている最中と言いましたがちょうど昨日税理士の訪問があり、昨年度の数字が出揃ったのでここから確定申告作業に入ります。

といっても、私は翌月税理士から確定申告済みの申告書をいただいて、棚に差し込んでおくだけです(最初の写真ですね)。

税理士の顧問料はさまざまですが、だいたい個人の場合だと1万円〜3万円くらい、決算申告料は月間顧問料の4〜6ヶ月分です。自分の時間単価とも相談しながら、税理士に依頼するほうがメリットが大きいようならぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

そして今年の確定申告の準備をしているみなさん、頑張ってください〜!

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