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〈エッセイと小説〉深海魚たちはどんな夢を見るのか【しょう】

みなさん、こんにちは!
今宵はここまでに、しょうです。
ちょっと長めに書いてます。
小説が読みたいよーという方は目次からジャンプしてください!

野球は苦手なんだよ!笑

みなさんは第95回記念選抜高校野球大会、通称「春の甲子園」を見ていましたか?
私が勤める介護施設では入所されている高齢者の方々が集まるデイルーム(食堂のようなもの)ではおはようからおやすみまでN〇Kがつけっ放しになっているので朝ドラと甲子園は見なくてはならない仕組みとなっております。

そのため朝ドラ「舞い上がれ」は休みの日以外は仕事しながら見てました。(仕事せい!)
最終回は大阪万博までに完成を目標とされている空飛ぶ乗用車を実装実験するところで終了したし、新卒入社時代の同僚も出ててエモかったな~。

さてさて話を本筋に戻しまして。
私ね、野球苦手なの!笑
何が苦手ってプレーじゃなくて野球そのものが!
プレーも苦手だけれども!

こっからは野球の偏見ね!
(野球ファンの方本当に申し訳ないです)

あれ、ピッチャーのポジションだけ責任重すぎひん?
いっちばん疲れるやん!絶対に!

一番遠いところ守ってる3人暇やん!絶対に!
バーーーンって打たれて、「あ、これ入ったわ~」思いながら見送ったり、どんなに走ってもフライとして処理できんから進塁されても困るし急いで取って近くの塁に投げる感じみせとこ~とか絶対に思ってるやろ。
思っちゃうのよ!私が野球選手だったら!

当然、チームの勝利のために努力はするけど、全員が全員ピッチャーやスラッガーになりたいかっていうとそうじゃないと思う

どんなスポーツもそうだけど、
バレーボールなら落とさなければ点は取られない
サッカーは入れられなければ点は取られない

それと同じことが野球でも言えるんだけど
野球の場合は打たれなければ点は取られない

バレーやサッカーは全員で攻めて全員で守るけど
野球は一人で投げてみんなで守るじゃんか(継投あるやんってツッコミはなしで)

もう一回言う。ピッチャーの責任重すぎひん?


尊敬する後輩の言葉

そんなひねくれ者の私が春の甲子園準決勝みてて、
すんごい膠着で9回表まで1-1でめっちゃいい勝負だったんだけど
一気に打たれまくっちゃって6-1でそのまま裏で反撃できず負け。
ピッチャーがあまり泣いてなくて、他の守備してたチームメイトは泣いてるのね

あれがすっごい謎で。それが分からないのはきっとその程度の気持ちで部活動に打ち込んでいた私に問題があるんだよね...

そんな話を職場の後輩(ごっりごりの野球少年で今も草野球してる)と話していると

「それすっごい分かります。僕も全部員おんなじ距離走りこんだり、同じ回数筋トレしてました。不公平ですよね。でもそれって今思い出せば同じ釜の飯を食らうじゃないですけど、同じしんどい思いをすることで、精神面での連帯感を育ててるんですよね。だから傍から見るとピッチャー全責任な感じに見えるかもですけど、他の選手もちゃんと泣けるんですよ。」

この言葉にすんごいハッ!とさせられました。

それが国民規模になったのがWBC優勝やワールドカップのPK戦だったんだよね。

で、もう一つの準決勝のピッチャーと、その相手のキャッチャーが元バッテリーだったそうじゃない!(急におばちゃん口調)

ピッチャーの所属高校は高校野球の超強豪校で全国から甲子園優勝を夢見て猛者たちが越境入学してきて寮生活をしている高校で
(よくこういうのセコいって言うけど、同じ学部でも師事したい教授のいる大学に進学するのと同じじゃん!)

今亡き我が故郷岡山が生んだ名将星野仙一監督がスマップスマップのビストロスマップのゲストで来てて(情報古すぎ)
大の巨人ファンを公言してる中居さんが当時阪神タイガース監督だった星野さんに「強いチームの監督をしたくないですか?」的な質問をしたんですよ。当時巨人はAクラス、阪神はBとCの間をうろうろな戦績。
(今の若い子はスマップスマップ知らへん子もいるみたいよ怖)

星野監督はその時「ドリームチームは集めて作るもんじゃなくて育てて作るもんでしょう」って言ったのがすごく印象的で。

そこで考えてみたいのはプロ野球監督と高校野球監督は何が違うのか。

それは年間計画が立てやすいってことになるかも、と考えたのです。

高校は3年間で成長するし、新入生が入ってくるし、ですが
プロ野球は今の最もいい鮮度の選手をいい環境を与えてある意味パズルのピースをはめていくようなイメージ

学生スポーツと商業スポーツの差異が悪い方に働かないことを切に願う今日この頃。

深海魚たちはどんな夢を見るのか

そろそろタイトルの深海魚って何?って思ってきたでしょ?

またまた元野球少年の後輩の言葉を引用するんだけど(この後輩、めちゃめちゃ尊敬してる)

「よくネットニュースで「大学野球で才能開花!甲子園優勝校に隠れた逸材!」ってのが出てるのを見かけるけど、隠れてたわけじゃ全然なくて周りの同級生が猛者過ぎてスタメン取れずにベンチを温めざるを得ないだけなんですよね。彼らもいつか輝ける日を目指して努力を重ねてきたわけで腐らなかったってのが一番の価値でありその子の勝ちですよね。せっかくドラ1で入団したのにプロの洗礼を受けて埋もれちゃったり、早くしてケガで引退を余儀なくされたりする中で、大学に進学して自分の興味あることを学びながら好きな野球を続ける。高卒で職業プロ野球選手、よりも野球しながら大学でキャリアのベースを磨くって面では、今の高校球児たちにとってのドラ1の価値が変わってきてる気がします。」

後輩くんは何かの評論家か何かなの?ってくらい考え方がしっかりしてて、尊敬度が高まりまくった言葉でした。

そう考えると超強豪校の補欠部員は、実は他校の不動のエースになりうる資質をもっていることはざらにあって
監督の望む選手像という釣り糸に食いつく選手は目立ってて、深海魚に届くところまで釣り糸ってたらされないんですよね。
だからこそ自分の泳ぐ海の選び方って本当に重要で、かくいう私も深海魚でした(先週の私のエッセイ参照)

これってスポーツだけじゃなく勉学でも同じことが言えて
毎年東大京大〇名合格!とかの超進学校のおちこぼれは地域の公立高校の成績トップだろうし
入試で高得点さえとれたら大学は入れるってことを考えると、後輩の言葉の通りで
「どんな環境でも腐らず努力し続けること」これは本当に本当に重要だなと思うんです

私自身も30歳で読書を始めて、気づけばともやさん、ゆかこさんと出会えて、こういった発信をnoteで出来るようになったし、超超小規模ですが読書好きを集めたコミュニティを運営できるようになったし、でこれについてはちょっと深海魚と違うかもだけど腐りそうになっている中で読書が救ってくれたから今がある。

あ~読書始めてよかった!(ブルゾンちえみ風)

やっぱり読書っていいもんだよね。
次回はドラえもんの話なんていかが?

今宵はここまでに
しょう

過去作の引用ですが
野球にちなんだ小説をおひとつ

小説『少年少女』

私は甲子園球場に来ている。
ロシアのウクライナ侵攻が激化している中私といえばバズーカ砲にも似た楽器を吹いている。

あ、打った。

ソーファーレードレファソファソー

とりあえず決まりだから吹いた。
野球は9回からとはよく聞くけど9回でヒット3本ってどうよ。
誰が甲子園決勝で0−20ってボロ負けを予想できた?

そんなことより
直射日光に照らされすぎて楽器が熱すぎて持てない。
近くに座ってる子のクラリネットの音がおかしい。
チア部の女の子は暑すぎて顔死んでる。
そういや甲子園の野球雑誌なのに何で毎回表紙はチアの子なんだろう。
さっきから超望遠レンズのカメラ構えてチアの子の写真ばっか撮ってるっぽい人いるし。
後ろの端の席で日傘にサングラスしてマスクしてアームカバーしてるオバさん。そこまで日焼け対策するくらいなら家で見ればいいのに。
前の方の席で膝の上に甲子園に行けなかった息子の遺影もって観戦している人は、どんな気持ちでこの大敗を見ているんだろう。
ってかベンチ入りできなかった部員たちが両手にメガホン持ってやる変な踊りって意味あるのかな。
客席を取材する係のアナウンサーさんとカメラさんの表情、早く終われ感がすごい。
そういえば玄関の鍵閉めたっけ。
ってかコンクールや定期演奏会でもないのに、野球部が甲子園行ったからって、炎天下の中で吹かされるの、割に合わなくない?
それなら私たちの定演の客席でバットの素振りとかキャッチボールとかするのかな。それはそれで迷惑だけど。
そもそも甲子園球場じゃなくてドームでよくない?
これだけ炎天下とか熱中症とかで健康被害出てるのに、夢のとか、念願のとか、伝統とか、思考のコスパ悪くない?
甲子園の砂って言ったって負けた高校が持って帰って減ったとしても補充されるじゃん。ってか甲子園の砂、フリマアプリで売られてたし。
そういや宗教団体と政治の癒着とかニュースで言ってるけど、政治家も自分に投票してくれる人を少しでも増やそうと思って講演してるだけだし、どこで誰に向けて喋っても、投票は国民の義務で、投票先は個人の意思ならそれはそれでよくない?とも思う。
「応援してます!」「ありがとう」は政治家だってアイドルだって同じだと思うし。第一印象でどこの誰かもわからない人に「ちょっとお前怪しいから私の応援しないでね」って言えるわけないよね。

あ、打った。

ソーファーレードレファソファソー

ってか相手の高校だけだけ無観客って怖くない?
どこの学校だったっけ?

決勝の対戦相手は、インターネットで授業を行うスタイルのネット環境の高校。

莫大な資金力で、野球だけに打ち込むための環境と指導者を準備して、それを売りに全国の優秀な高校生たちを転校させまくったらしい。

しかも母体がネット環境の高校として注目されてるから、予選なしの次世代枠での出場。

甲子園球場で、初めまして同士の選手もいる。

ベンチ入り含む選手全員がプロに行くらしい。

それならもう甲子園やらなくてよくない?

あ、終わった。

整列する選手全員、目が死んでる。

球場内にアナウンスが響く。
「ご覧のように0対20で○○高校が勝ちました。
 勝ちました○○高校の栄誉を称え、同校の校歌を斉唱し、校旗の掲揚を行います。」

開校して僅か3年、創部2年で甲子園出場。学校の教育方針や選手層の厚さ、練習風景など日夜ワイドショーで○○高校の特集が組まれた。
○○高校にはもともと校歌はなく、甲子園出場に伴い勝利した時の校歌斉唱はどうするのか、と物議が醸されたが、生徒の自主性を重んじ選手の好きな曲を歌うという異例中の異例も話題になっていた。

甲子園の異様な雰囲気と死んだ目をした選手。

球場全体が虚しさで一体となって甲子園は閉幕した。

数日後○○高校野球部の優勝メンバーは全員、プロ志望届ではなく退部届を提出したらしい。

野球部のみなさん、青春は終わりましたか?

さよなら
さよなら
せめて笑いながら手を振った。

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