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立憲民主党はなぜ人々から支持されないのか

自民党の総裁選が盛り上がる中でどうも立憲民主党はパッとしない。彼らは人々のニーズをつかめているのだろうか。最近ではアベノミクスの検証などを行ったりして格差是正を訴えたが、その具体的対策にどうやって立ち向かうのか漠然としている。確かにアベノミクスが格差を広げたことも明らかだ。だが格差がなぜ生じたのか。枝野代表は、新自由主義や競争社会のせいとしているが、実態はすべてがそうではない。少子高齢化や解雇規制、さらには産業のオートマチック化によって格差社会が嫌でも出来る構図になりつつあるという現状をわかっていない。このままポピュリズム全開の消費税減税と法人税・所得税値上げだけでは日本の問題は解決できないことは確かだ。なぜ構造改革・税制改革といった面に姿勢が向かないのかわからない。

最近Twitterで立憲民主党のガバガバ経済論がやたらTLで見かけるのでいつもは競馬にうつつを抜かし淫夢動画で笑うクズ大学生が、今回はクソ真面目に立憲民主党がなぜ支持されないのかということを分析していきたいと思う。ちなみに私の立場は基本的にノンポリであるが、維新や国民民主のようなミニ政党に親近感を覚える立場だということは記しておこう。

まず野党共闘自体が、枝野代表の最初に言った発言や立憲民主党の当初の意気込みなどに矛盾する仕組みとなっている。確かに自民党に最大限勝つには野党共闘で票の最大化を狙うのがセオリーである。実際に自民党も公明党や維新と事実上組んでいるのだから、我々は共産党と組むのは何がおかしいんだ!という意見もよくわかる。だが共産党という党の本質を考えて欲しい。彼らはあらゆる軍事行動・拡張に反対し、経済成長よりも分配を徹底的に重視する党だ。そして彼らは意見をほとんど曲げることがない。過去の共産党の事件や、オリンピック開催の是非、集団的自衛権の賛否を見ればわかるだろう。もし仮に枝野内閣が誕生したとして共産党の意見を聞けるだろうか。軍事行動・拡張に反対したところで中国や北朝鮮との緊張する外交関係は続くだろうし、オリンピックだって大きな外交・経済イベントなんだからそう簡単に取り潰せるようなものではない。集団的自衛権の賛否だってアメリカに日本は守って貰っている同盟の立場なのに、日本がアメリカを守らないのは不義理であるのは確かなことだろう。票の最大化のために共産党と組むことは多少あっても、共産党の意見を聞くのは難しいと思うのは明らかだ。しかしながら、枝野代表は市民団体を通して共産党にドップリと繋がっているイメージがある。人々の問題を解決するリベラル的な政策(選択的夫婦別姓・LGBT法etc…)に賛成するのはいいと思うが、繋がりすぎるとリアリズムに即した政治が出来なくなってしまう。そして枝野代表が立憲民主党(2017年第一次立憲民主党)の当初に言った発言を思い出して欲しい。

永田町の数合わせに与せず、国民の皆さんと共に進む『草の根』の民主政治の実践という初心を貫き、「右でも左でもなく」、目先のことに右往左往することなく、焦らず着実に一歩ずつ「草の根」をはりながら、ご期待にお応えできる力をつけていきます。

枝野代表は当時の志を持っているのだろうか。

さてそんな自由民主主義であるが、日本ではどうだろうか。戦後自由民主党と社会党の55年体制が続き崩壊後は政権交代が2回あったものの、自由民主党が政治をする時代が長らく続き、自民党と野党のスキャンダル追及を中心にワイドショーで展開されるくだらないショーが繰り広げられていて自由民主主義とはほど遠い印象を受ける。
そしてこのような政治はコロナ禍で明らかになったように、いろんなサービスや法がなかなかうまくいかないという日本の現状を示している。なぜこうなってしまうのだろうか。
これは自由民主党の性質にある。自由民主党は利益団体の意見の代弁と様々な意見の集約によって政策を決定するという課程がある。無論この課程に野党も入る。例えば今年2月の特措法改正の時もそうだが、日頃争ってる立憲民主党はコロナ特措法に関しては罰則規定を取り下げる形で合意し形成された。そして立憲民主党はコロナ特措法改正に賛成したのである。

かつての55年体制でも重要なことは野党第一党と取り合ったうえで決めるという政治的合意がなされた。だから自由民主党は、結果的に多数の人々の意見を汲んで選挙に勝つことができるし、社会党は万年野党に甘えながらも自分たちの政策をある程度通すことが出来る。しかしこれは野党や国民、そして利益団体のごますりによってなされるため、長期的プランが立てず、シルバー民主主義であり、縁故で決まるという悪しき習慣となっているのも事実だ。今の時代に自民党のような縁故主義はいらないと私は思う。選挙で戦えて政権交代出来る野党が欲しい。

そんな閉塞感あふれる政治をだはしようと野党第一党の立憲民主党に期待がかかるのだが、支持率がなかなか上がらずに苦しめられている。最近では与党の失態もあり支持率は多少上がっているがそれでも都議選の結果は、民主党が政権から降りた時よりも低い。つまり今の立憲民主党は政権交代の甘さをつきつけられた悪夢の民主党以下の存在だということを自覚してほしい。

なぜここまで立憲民主党は国民から信頼されないのか。それは立憲民主党の大きなダブルスタンダードにあると思う。
立憲民主党の枝野ビジョンでは政策面に関しては語らずに反新自由主義と支え合いをテーマにしていたが具体性はなかった。政策を見ても目玉のようなものはなく無党派層が引きつけるものもない。党首の新書を見てもポエムのようなものだったので、政党HPで政策を見ると、立憲民主党はケインズ主義(大きな政府)政策、女性・LGBT政策、透明度の高い政治という三つの大きな方向性があることがわかった。
だがその三つとも現実のやってることが大きく矛盾してくるのだ。

まずケインズ主義に関してだが、日本共産党と野党共闘をすることでその前提があやふやになってしまっている。ケインズ主義は金持ちから貧乏人に分ける「分配」を重視し、金持ちが現存し格差も是正する政策をとる。今でも主流の経済学である。しかしながら共産主義は金持ちをなくし、生産手段を皆で公有するという金持ちの存在を否定し階級社会をなくす格差平等を掲げる政策だ。(かなりおおざっぱだが要点が複雑にならないよう簡潔にまとめました)一見分配でまとまってるように見えるが、その本質は全然違うものである。だから増税含めた経済的な政策などは出せない。本来枝野代表は、大きな政府を目指して高負担・高福祉のベーシックサービスをやりたいのだと思う。ところが、共産党は消費税を完全否定し金持ちへの課税・成長否定を徹底的に唱える。高負担・高福祉の社会を作るには多少なりとも貧乏な人への課税も重要だ。実際北欧の国々は消費税率がかなり高い。しかし立憲民主党は共産党にソンタクしなくてはいけないがうえに、ベーシックサービスをやるといいながら、消費税5%という矛盾する政策を唱えてしまっているのだ。ここで熱心な立憲民主党支持者は金融資産課税を提唱しているというかもしれない。だがそのためにはマイナンバーと銀行口座の紐付けをして金融資産を把握する仕組みを作るべきだと思うのだが、共産党はマイナンバーを監視社会と言いながら反対しているし、そして立憲民主党も共産党にソンタクしなくてはならないので反対している 一体どうやって金融資産課税しようとするのだろうか。私には理解できない世界である。
次に女性・LGBT政策だが、これに関しては女性議員を多く立候補させチャンスを与えてる点は評価したい。特に塩村議員は都議時代の経験を生かしよく仕事をしていると思う。だがこれも表層的だ。彼らの多くは労組などの利権団体によって支えられており、正規雇用を守ることには熱心である。しかしながら日本型雇用システムでは年功序列・終身雇用制で出産の制約のある女性はなかなか活躍しづらい。考えてみれば当たり前だ。日本型雇用システムの範囲ではのだから出産や育児等で女性が職場を離れるのであれば、女性の給料は必然と伸びにくくなる。現行の社会では女性が活躍するには『オンナ』を捨てて子育て育児を放棄し、会社に貢献するしかない。女性らしさと労働をどちらも大切には出来ないのだろうか。しかしながら立憲民主党は労組という正社員の特権を大事にする団体が支えている。労組自体を批判するつもりはない。だが正社員のいびつな構造に踏み込まない限り女性政策でジェンダー・ギャップを埋めることは難しい。現行の社会では女性が活躍するには『オンナ』を捨てて子育て育児を放棄し、会社に貢献するしかない。その問題に向き合ってるだろうか。

LGBT法に関しても歯が浮いてしまう。虹マスクなどをつけて枝野代表がLGBT法案に関して言う姿を見て、ゲイやレズビアンの人たちを政治的に利用してるとしか思えなかった。虹マスクを付ければゲイやレズビアンは幸せになるのだろうか。ゲイやレズビアンの人たちが尊重出来る社会とはどのような社会だろうか。私はややバイセクシャル?(男に綺麗だなとか好きだなみたいな感情は抱いたことがある)なのだが、公然と手をつないで歩いたり、同姓でも子育て出来たり、個性として認められることではないだろうか。それならこれまでの伝統に挑むべきではないだろうか。ここで憲法第24条を見てみよう。

第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

左派の人たちにとって聖域化してる憲法で、不戦の誓いのために憲法改正反対と言うが、この24条を見て『両性(男・女を指す二つの性しかない)』『夫婦(男女のカップル)』という言葉が個人的には印象的だ。この憲法で同姓愛が完全に認められるだろうか。私は憲法学は素人だがどうせなら夫婦をカップルとしたり、両性を双方にするだけで人権の幅が広がり、LGBTの人たちが真に権利を得ることが出来るのではないだろうか。左派の伝統にこだわらず、憲法というパンドラの箱を開ける必要性がリベラルにこそ求められていると思う。

そして透明度の高い政治は、立憲民主党は国会を開くことや情報開示を求め透明度の高い政治を要求するが、現状は国対という密室政治が行われているのが実情だ。実際に今年の5月くらい?の投票法改正の時も国対間で改正議論を3年延長する見返りとして賛成に寝返った経緯がある。護憲と縁故主義に固執してるので日本の政治システムも変えられないのである。当然与党の事前審査制や国会の開く時期の明確化も出来ない。

普段自民党は、よくバッシングされるがなんだかんだでケジメを取る。菅総理はオリンピックや処理水の問題を解決して去り、総裁選で厚い民主主義を展開している。河野・高市・野田・岸田…様々なイデオロギーがぶつかり会いながらだ。しかしながら立憲民主党は矛盾を大きくはらむ政治で最近では支持率低下のため共産党と組まざるをえず、去年は国民民主党と立憲民主党を合流させ『永田町の数合わせ』をしたうえで党員投票もしない『泉vs枝野』という事実上の出来レースという代表選だ。埋没すると自民党の逆張りをするしかなくなり、国民はますます呆れるばかりである。

象徴的なのは立憲民主党が掲げる「まっとうな政治」である。まっとうな政治とはなにか。よくわからないし具体性がない。政策が言えないからこんなふわっとした言葉でまとまるしかないのだ。立憲民主党は烏合の衆であり、反自民に徹するのも敵を作ることでしかまとまることができないからなのだ。
そして若い人ほど自民党を支持するのは、メディアのダブルスタンダードを見抜ける状況にあり、古いイデオロギーである共産主義と組みと反発だけして生産性のない姿は滑稽に見え投票しないのだろう。たとえリベラルな考えをもってしてもだ。その代わり維新の支持率は若い世代では多く、ネットでは立憲民主党よりも支持率が高いネット世代の人は若い世代が多いと考えられるので、若者の間では維新>立憲民主なのだ。大阪府知事の影響もあるだろうが、100人以上いる集団より、20人しかいない政党の方が若者の支持率が高いというのか情けなく思わないのだろうか。若者は改革を望んでいる一方で、古いイデオロギーに固執するフレッシュさのないおじさんの党には投票しないのだ。
私は自由民主主義が真の意味で出来てほしいのである。中国が拡大化する中でリベラルな野党が政権を取り、憲法を変え、多様性に配慮し、そして女性の雇用政策を大胆に掲げるアクティブなリベラルが欲しい。
立憲民主党が守旧派を排し共産主義と距離を置き新しい「まっとうな政治」を作れるか、それとも国民民主が復権しかつての民主党に近づくのか、維新がリベラル寄りになり改革を実現するのか、それとも共産主義革命を議会で起こし、ネオ共産主義を共産党が果たすのか。少なくとも自民党一強だけでは将来はよくならない。しかし日本にはオリンピックもなんだかんだ出来るし、ワクチンもある程度は進んだ。コロナもメドがついて来たし、今日も政治家は演説を頑張ってらっしゃる。

私は政治に呆れる一方で、日本の自由民主主義と底力に期待をしている。そしてこのnote見た人はぜひいいねをしてくれると嬉しい。

ここまで立憲民主党を批判してきたが、私は立憲民主党に拒絶感を持って書いてるわけではない。本当に嫌なら5000字も書きません。これは個人的な感情ですが、泉さんや津村さんなどに期待はしています。

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