採用をしたことがない?企業とのアポの話
以前は転職支援ということで、どちらかと言うと求職者側のサポートをする立場でした。
育休明けで復職と共に多少役割が変わり、今はどちらかと言うと求人側、つまり企業側の採用支援をする立場にあります。
一般的に、企業からの「採用したい」という依頼があって、「じゃあどんな人を採用したいのか詳しく聞かせてください」という流れでアポに至ることがほとんどです。
そのため、私からは、採用したい背景(退職による人員補充、業績好調による人員増、組織若返りetc.)を聞いたり、配属先の組織構成(何人くらい、年代は、直属の上司になる人はどんなタイプかetc.)を聞いたりしていきます。
そうして、具体的に任せたい業務だとか、それならこんなスペック感(=応募要件)ですかね、とターゲット像を絞っていきます。
先日あったアポでの話。
企業からまず質問。
「御社にはどんな人材がいますか?」
あれやこれやと私が大まかな傾向を答えると、
「まあ、具体的に情報を見てみないとね」
若干引っかかる感じはあったものの、今度は私から、いま採用を検討しているポジションについて質問します。この時点で何も情報をもらえていなかったものですから。すると、
「だからそれも、具体的にどんな人材か見せてもらわないと」
???
このあといくつか質問したりやりとりしてわかったのですが、
どうやら企業の頭の中では、
1 まず人材を見せてもらう(個人情報を含めた具体的な情報込みで)
2 めぼしい人材がいれば選考に進ませる
という流れを想定していたみたいです。
この流れはもちろんほぼありえません。
私からは、こんな流れで採用活動は進めてもらうと説明しました。
1 まず企業がどんな人材が欲しいかを明示する(=求人票を作成する)
2応募者を募る
3応募者がいたら当社から企業に紹介する
4企業が選考を実施する
いやべつにいいんですよ、採用やったことないならフローや流れは知らなくても当然ですし。単にその人が採用業務に絡んだことがないだけ、あるいは面接官をしたことが過去にあるっていう程度なんだろうと思うんですよ。
ただ、私が引っかかったのは。
個人情報の取り扱いに敏感なこの世の中で、なんでいきなり個人情報を含んだ具体的な情報をもらえると思ってるのか。その世間ズレした感覚が、あぁ残念なことだなぁと思ってしまったわけです。
ここでいう個人情報っていうのは、名前や連絡先に加えて所属会社なども含みます。
求職者側の立場に立てば、名も知られてないような会社で、仕事内容も一切公開されていない中で、個人情報だけ公開するようなことは負担が重すぎるだろうなぁ、というくらいの想像力は持っていて欲しいと思いました。
さらには、自社のことを「選び取る立場」だと思い込んでいることも明確に感じ取れました。
この人材不足の時代にあって、むしろ企業は「選ばれる立場」であることがほとんどで、いまは求職者優位な市場です。
こりゃ採用に苦労するだろうなと、こんなやり取りだけでも強く感じました。
一言で言えば、採用活動をするセンスがまったくなかったです。
私も数多くの企業を担当する中で、全ての企業の採用について力になれるわけではありません。言葉を選ばず言えば、頑張って支援する企業と適当に手を抜く企業が出てきます。
こうして私は、手を抜く企業群を1社増やし、他の企業の採用支援を頑張るのでした。
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