障がいのある社員が配慮を求める理由

私は企業で採用担当をしています。
対象となるのは障がい者手帳がある大学生や社会人です。

批判を受けることを承知で書きます。

障がいのある社員が会社に配慮を求める理由を考えてみました。
もちろん、障がいによる難しさや困り事により仕事ができないから
であることは十分理解しています。

けれども、全ての改善を“要求して来る方“と“要求してこない方“がいます。
重度障がいの方でも要望が無かったり、軽度の方で要望が多かったり。
(配慮をお願いしたいが遠慮している場合もあると思いますが、、、)

ただ、気になってることはこの配慮には「終わりがありません」。
というのも、聴覚障がいのある方から字幕を付けてほしいと要望がありました。
当然のことなので、それは対応しました。

次に、手話で日常会話をしている人は文字を読むことに慣れていないので
手話をつけて欲しいと要望がありました。
動画のスピードは遅くできるので、それで対応できないのかと思いましたが、
重要な発表などの場合は手話を付けました。

すると、担当いただいた手話通訳者の手話に
「日本語対応手話」と「日本手話」が混じっておりわかりにくいや、
企業用語(カタカナで表記をするようなもの)の手話がよくわからなかった
ので、企業用語の部分は言葉を説明するテロップを付けて欲しいと
言われました。
もちろん、手話には様々な種類があることは理解していますが、
社員それぞれに「何の手話使っていますか?」と聞いたことはありません。

現在は会社で行う全研修に手話をつけてほしい。
という要望にまでなっています。

決して配慮したくない訳ではなく、配慮を要望してくるその深層心理には
当事者自身も解決しなければならない課題があると思います。

例えば、仕事をお願いした時。

「わかりました!やってみます!わからなければ質問していいですか?」と
言われると、「もちろん、わからない時はそのままにせず聞いてね」と
仕事を任せられます。

けれども、「うーーん、ちょっとできるかどうかわかりません。」と
返事をされると、次に何か同じような仕事を任せたくても
また何かしらの理由をつけて渋られるのかなと思ってしまいます。

ここで、お気づきでしょうか。

この会話には障がいに起因するような言葉は一つもなく、
障がい者だからできる・できないという話は何もしていません。

つまり、障がいの有無に関わらず、相手の人間性やキャラクター
物事の捉え方により、次の仕事につながるかつながらないかだけなのです。

「聴覚障がいのある社員が、残業で残っている時、
自分以外は飲みに行って、誘ってもらえなかった。
聴覚障がい者を排除している。」と苦情がきました。
けれども、私も残業で残っている時、若手社員は飲みにいくとわかっても
誘われません。それはそれで悲しいけれど、毎回全員に都合を聞いて回るのも
変かなと思います。

「下肢障がいのある社員が、出張に行く予定になっているが、
 出張先には“杖をついて歩くので車イスは使用しない、自力歩行ができる“と
 伝わっていたようだ。私は杖はつかないし、車イスも使用しない。
 事前に聞いてくれたらよかったのに」と話してくれました。
 それを聞いて、「これから行くんですよね?自分で先方に伝え直したら
 いいのに?」と思いました。なぜ、その事実を知ったのに、
 それを先方に伝えた同僚を悪くいうのかなと。

組織で働く以上、できないことがある場合それを仲間で補いながら進めるのは
当然です。けれども、自分が持っている人間性を他人が何かでカバーすることはできません。
周りの目を気にして欲しいということではないですが、
自分のスタンスや取り組み姿勢、これまでの発言や主体性。
振り返るべきことはあるのではないかと感じた先週1週間でした。

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