オンラインで裁判?裁判所の変革
裁判所のイメージといえば、何となく難しそうで、敷居が高いイメージがあると言われることが多いです。
確かに、従来の裁判所は、裁判官と原・被告が裁判所に集まる「対面主義」、主張は口頭主義が建前ですが、事実上は殆ど全て書面で行うといった「書面主義」が根強いといえます。
現在は、新型コロナウイルスが猛威をふるうようになり、裁判所でもこのような考え方を改める転機が訪れました。
現在導入されているオンライン裁判について、解説していきます。
従来の裁判といえば
上記のとおり、従来の裁判といえば、口頭(事実上は書面)で双方の意見を出し合い、対面で裁判官が主張を整理するといったやり方が主流でした。
遠隔地に住む当事者や裁判官が争点整理を行う際には、電話会議やテレビ会議システムも用いられていましたが、電話会議では資料や互いの表情を確認できないため、協議が円滑に進まないという課題がありました。また、テレビ会議システムでは、表情が確認できるものの、裁判所同士でしか接続ができないため、弁護士など裁判関係者は、当事者が居住する地域の裁判所へ出向く必要があり、依頼者の方に交通費(日当)などの負担がかかってしまい、非効率な部分が多くありました。
オンライン裁判導入の背景
オンライン裁判の準備は数年前から始まっていましたが、コロナウイルスのの感染拡大によりオンライン裁判は一気に全国的に普及することになりました。
連日のニュースでも、未知のウイルスに対し感染防止対策を行うには、接触を控えること、密を避けることなどが大切であると報道がなされておりますので、裁判所もこれに呼応する形で、オンライン裁判の普及が進みました。福岡地方裁判所は、オンラインのモデル裁判所として、他地域に先駆けてオンライン裁判が導入されることになり、令和2年の2月から、マイクロソフト社のチームズ(Teams)というアプリを使用し、ウェブ会議(ビデオ会議)が導入されています。
オンライン裁判でできること
従来であれば、対面して裁判を行うためには、遠方の弁護士が出張で当該裁判所まで赴かなければなりませんでしたが、片道の交通費や時間も考えると、これは依頼者さんにとっても大きな負担ですし、特に遠方であれば丸一日弁護士のスケジュールを空けなければなりませんので、日程の調整も大変です。
しかし、オンラインで裁判ができるようになると、出張コストが大きく削減され、遠隔地に居ても表情を確認しながら裁判を進めることができるため、電話会議よりも充実した審理が期待できるばかりか、裁判期日日程の調整もスムーズに行えるようになりました。
オンライン裁判は、福岡地方裁判所本庁を含む一部の裁判所で先行して導入されておりましたが、今後順次対応エリアが拡大していく予定です。
今後は、ウェブ会議機能を使って、弁論準備手続(一方不出頭)、書面による準備手続の協議(双方不出頭)を実施できるようになるとも言われています。
まとめ
新型コロナウイルスの影響で、テレワークの導入やオンライン飲み会など、社会全体のデジタルシフトが大きく加速しました。今後も、AIやIoT、5Gなどの技術進歩はさらに発展を遂げることで、裁判手続きもより洗練されたものへと変革していくのかもしれませんね。
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