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“指導”をやめると見えてくること

教師の仕事は、“指導”ではなく“支援”なのだと思います。

教室で、上から下への“指導”をやめると、教室の中がより温かな場になると、感じています。

例えば、教室でよくある一コマ…

(ざわざわざわ…)
(日直)「座ってください!静かにしてください!」
(ざわざわざわ…)
(日直)「静かにください!」
(先生)「いつまでやってるの!?日直の声が聞こえないの!」
(シーン……)

次の日…
(ざわざわざわ…)
(先生)「また昨日と同じことの繰り返しでしょう!!何回同じことを言ったら分かるの!日直さんの声かけが聞こえないの!?」

 ……。

(子ども1)「また、先生怒ってるよ…。」
(子ども2)「ほんとうるさいよね…。」

また次の日…
(ざわざわざわ…)
(よく気がつく子1)「みんな静かにしようよ!」
(ざわざわざわ…)
(よく気がつく子2)「日直さんが前に立ってるよ!」
(先生)「みんなのために声をかけていて素晴らしいですね!みんな聞こえないの!早く座りましょう!」

こんなやり取りをたくさんしてきました。

たくさんしてきて、静かにできない子を叱っても、みんなに声をかけてくれた子を褒めても、子どもたちはあまり聞いてくれないなという印象をもっています。

では、どうするか。
自分が今だったらクラス全体にかける一言は、

「〇〇さんは、どうしてそれをみんなに言おうと思ったの?」です。

おだやかに、ゆっくりと…間を大切にして。

きっとその子は、

「だって、みんなと早く今日の話し合いをしたかったから…」

とか

「日直さんが声をかけているのに、なんだかかわいそうだったから…」

とか

「時間がもったいないなぁ…って思って…」

など、みんなに声をかけてくれた理由を語ってくれると思います。

そこで、さらにもう一言。

「…みんな、〇〇さんの今の言葉を聞いて、どう?」


きっと、教師として、子どもたちのことがもっと好きになれる時間がやってくると思います。


指導は、大切だと思います。

でも、ちょっと強すぎると思います。

教師にできる支援は、子どもたちには見えづらいものを見える化してあげることだと思います。

友達に悪口を言ってしまっている子どもに、

「なんでそんなことを言ったの!?」と責めるのは簡単です。
大人と子どもですから、大人に強く言われてしまったら子どもは太刀打ちできません。太刀打ちできないから、支離滅裂なことを言って、その場から逃げる選択をしてしまう。

でも、「〇〇さんの言った一言で、〇〇さんはこんなことになっているみたいだよ。気づいてた?もし、知らなかったなら、ちょっと一緒に考えてみようか。」
と、寄り添ってみたらどうでしょうか。

以前、お世話になった校長先生に、どんな立場の人にも「寄り添う」立場を崩してはならない、と教えていただきました。
そのときは、あまり理解できていなかったのですが、今ならよく分かります。

子どもの内面を大切にしていきましょう。
きっと子どもたちとの温かな日々が待っています。

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