見出し画像

授業中の“子どもの離席”に悩む先生へ

授業中の立ち歩きに悩まれたことがある先生は多いのではないでしょうか。

私も、もちろん、過去に子どもの立ち歩きに対してどのように指導すればよいのか悩んだことがあります。

落ち着いて授業に参加して欲しい。

他の子の学習の妨げになってしまう。

そんな思いから、ついイライラしてしてしまうこと、たくさんありました。

「席につこうね。」と優しく言えているうちは、いいのですが、それでも状況が改善されないと、そんなつもりじゃなかったのに、つい声を張り上げてしまう自分…。時には、子どもと言い争いに…。
ちょっと言いすぎたな…と反省しているところに、
「先生は間違ったことは言っていなかったよ!」なんて見ていた子に言われて、
ちょっと救われる…。

確かに、「席につこうね。」は正論です。
でも、もっと他の考えようはあると思います。

例えば、
「その子が席について夢中になれる授業をする」
もちろんそうなればよいと思います。
しかし、これはとても難しい。
むしろ、これができたら苦労はしないです。
これが日々できていたら、立ち歩き問題は起きないのかもしれません。

「立ち歩いても気にしない」
これも現実的ではありません。
問題に対して見て見ぬふりをして、放置しているだけになってしまいます。
第一、その子に対する愛情がない…。
担任として、その子に関わる身近な大人の一人として、あってはならない態度だと思います。

私が提案したいのは、

「立ち歩いてもよい学びの場をつくる」です。
座って授業に参加するのが苦手な子がクラスの中にいるのであれば、いっそのこと、動いてもよい授業を考えてみるのはどうかという提案です。

立ち歩きをしてしまう子は、そもそもじってしているのが苦手です。
だから、どうやって座ってできるようにするかという視点から、
そもそも座らなくてもできる授業ってどういうものかを考える方へ視点をシフトしていきます。

このように考えることで、その子も教師も気持ちが楽になります。

例えば、5年生の米作りの学習だったら…
(これまで)
先生は指導書に沿って、1時間の授業で教科書の見開き2ページ分を進めていく。授業の導入で、子どもたちと問いをつくり、その後、資料から読み取ったことを交流し、終末で振り返りを書く。
(これから)
米作りの大まかな押さえるべき内容は、動画などで押さえてしまう。
それぞれが気になったこと、又は、クラス全体で時間をかけて探究したいテーマを設定して、それぞれがノートやPCでまとめる。友達と一緒に活動してもいいし、図書室に行って資料を探してもいい。先生は、個々に助言をしていく。立ち歩きの多いその子にも、教科の内容について声をかける。

例えば、算数の授業だったら、
(これまで)
スキルタイム、自分の席に座って落ち着いて取り組む。
(これから)
スキルタイム、移動してもいいし、友達と相談しながら解いてもいい。
※「声の大きさは配慮し合おうね。」と声をかける

ポイントは、座って学ぶのが難しいのなら、
「教室全体の学び方を変えてしまう」ということ。
これをすると、いちいち目くじらを立てることがなくなります。
もちろん、全ての授業で行うのは難しいです。
でも、取り入れられるところで取り入れていくと、
先生の心も少し軽くなりますよ。
もしかしたら、その子の、特性に隠れた素敵な部分に目を向けられる余裕が生まれるかもしれません。

このような方法では、うまくいかないくらい大変だということもあるのは分かっています。でも、もしも、
「教室に行くのがしんどい。でも、なんとかこの状況を打破したいから検索してみたら…これならできるかも…。」と感じてくれる方にこの記事が届いたら嬉しいです。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?