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ニュースウオッチ9➁隠蔽工作

①信じがたい言い訳からの続き/

ワクチンで亡くなった人の遺族であっても広い意味でのコロナ禍で亡くなった遺族には変わりないと考えてしまった

BPO放送倫理委員会決定第44号より

これはBPO検証委でのヒアリングでNHK職員が述べたとされる内容です。

この説明で納得がいく人なんて、いったいどこにいるでしょうか? 一般常識に照らして、ウイルス感染による死とワクチン接種による死を同等に扱うことは難しい。NHKの人たちがいくら非常識だとしても、相当に飛躍した思考回路をもっていなければ(あるいは正気を失っていなければ)、とうてい思いつかないような「認識」です。

つまり、この説明もまた、でっち上げであり真っ赤なウソなのです。

BPOの放送倫理検証委員会(以下検証委)が公表した意見書にも、「にわかに信じがたい説明」 というコメントがあり、NHKへの不信感がにじみ出ています。きっとNHKの人たちは検証委のヒアリングに呼ばれた時にも、不自然な言い訳をかたくなに繰り返したのでしょう。

事前に「この線で行こう」と内々に決めておき、あとは何を聞かれても同じ言い訳を口にする。どんなに矛盾を指摘され、非難されても押し通す。それが彼らの「隠ぺい」のやり方です。誰が見ても、どう考えても理屈に合わないことを、「丁寧な説明」と称してひたすら繰り返すのです。

相手が根負けするのを待つ戦法なのかもしれません。なにしろ聞いているだけで頭がおかしくなりそうな、支離滅裂なことしか言わないんですよ。私は直接交渉の場でそれをやられてかなり消耗しましたし、検証委の先生方もさぞかしうんざりされたことでしょう。

なによりこの「経緯説明」の言葉は、NW9に出演したワクチン被害者遺族の会の人たちに、追い打ちをかけるものです。ワクチン接種後に家族を亡くし、ワクチン被害を訴えるために番組出演したのに、そのような意向は完全に無視されてコロナ感染死の遺族であるかのように報じられた。それだけでなく、「広い意味でコロナ禍で亡くなった人にかわりない」と無造作にまとめられてしまったのですから。

無礼に無礼を重ねるような言い訳、見え透いたウソをついてまで、NHKの人たちは何を隠そうとしたのでしょうか?

いうまでもなくそれは「故意」「作為」があったという事実です。取材の申し込みから取材当日、編集、試写、そして問題発覚後の対応に至るまで、ごまかしと事実の歪曲が意図的になされていると、検証委の意見書を読んで感じました。担当者と直属の上司に罪をかぶせて上の人たちが無傷で乗り切るために、口裏合わせをしている。だけど、あちこちにほころびがあるからバレバレなんですよね。

かりに「故意だった」「作為があった」と認めていたら、BPOの委員会決定に多少なりとも影響を及ぼしていたでしょう。めったにないことですが、BPOからのお達しが「勧告」までいってしまうと、いろいろ対応しなきゃいけなくなる(再発防止策の提出や訂正放送など)。局内での人事査定にも響くでしょうし、せめてBPOからのお叱りは「意見」レベルにとどめ、「重大な放送倫理違反」ではなく「放送倫理違反」にしておきたいのでしょう。

何よりも、報道機関として捏造は最大の罪であり、信頼を大きく損なうものです。「天下のNHK」の権威が失墜してしまいます。嘘つきだと言われたら、商売あがったりですよね。

そういうわけで、故意に捏造・歪曲したことを制作側は決して認めようとしません。わざとやったということが誰の目にも明らかだとしても、口を割らなければぎりぎりセーフとでもいうように。

故意の捏造であることを隠すためならどんなに荒唐無稽なウソもつくし、番組内で「おわび」するくらいで済むならそうするのです。とりあえず謝っておくか、という感じでしょうか。そこには真摯な反省も心からの謝罪もありません。要は保身です。

しかも、姑息なことに、「故意」ではなく「過失」だと主張して、批判の矛先を逸らすのです。

今回のNW9でも、経験が浅い、確認不足、説明が不十分、認識が甘い、報・連・相をしていない等、担当者と管理者の不手際やミスに起因するものとして片付けようとしています。確かに、私が知っているNHKの人たちの中にもかなり雑な仕事をする人がいますから(誰とは言いませんが!)、うっかりミスや確認不足や連携の悪さが、番組の仕上がりに影響することはあるでしょう。

ただ、こういった過失があったとしても、事実に依拠しない内容が番組VTRにふんだんに入り込んでしまうとか、見る人に誤認させるような内容になってしまうというのは、考えにくいのです。むしろ、何らかの作為によって「不適切な」番組VTRが出来上がったと見る方が自然です。番組制作の過程で、誰かが故意に事実をねじ曲げているのです。

ひきこもりでない人をひきこもりに仕立て、コロナワクチン接種後に亡くなった人の遺族をコロナ感染死した人の遺族に仕立てる。そんな「大変身」は、過失をいくら積み重ねたところで、起こるはずがない。飛躍がありすぎます。

誰がどんな言い訳をしようと、結果が全てを物語っている。放送された番組を本人が観れば、故意にでっち上げた捏造であることが、火を見るよりも明らかなのですから。


【追記】NW9の件では、5月の番組放送直後にSNS等で大きな反響があり、BPOにも視聴者意見が400件以上寄せられたとか。6月には検証委で審議入りしています。
7月には、番組に出演した3人のご遺族が人権委に申立てをしました(その時の記者会見の模様がYoutubeにアップされています。ご遺族の証言に胸が詰まります。ほんとうにやり切れない。)

ところが、BPOのサイトを見ても、人権委で審理入りしたという記述は見当たりません。審理入りに向けて動いているのか、それともご遺族の方で申立てを取り下げたのか? 人権委には見切りをつけて、司法の場に持ち込むことも考えられなくはないけど。
いずれにせよ、まだまだ終わりは見えてきません。NHKは早いとこ検証番組を放送してください。訂正放送もね!!


③「拡大解釈」へ続く 

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