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仁義なき戦い 真のダニエルブーンは俺だ篇

 日本競馬とスペイン競馬で面白い馬名かぶりがあります。ステルヴィオ(Stelvio)とフリオーソ(Furioso)です。

 日本のステルヴィオは2015年産まれのマイルCSの勝ち馬、スペインのステルヴィオは2017年産まれのスペイン・セントレジャーの勝ち馬。日本のフリオーソは2004年産まれのダートGⅠ馬、スペインのフリオーソは2016年産まれのホワイトターフの勝ち馬です。

 同じ名前の馬が別の国で存在することは珍しくありません。ですが、同じ名前の馬が共にGⅠ馬となるのは珍しいと思います。さらに、同じ名前の馬が、ほぼ同時期に誕生し、どちらもGⅠを勝ち、どちらも同じ国で種牡馬入りするなんてことは滅多にないと思います。そんな超レアケースがアルゼンチンで起こりました。

 ダニエルブーン(Daniel Boone)は2012年9月14日にブラジルのサンタ・マリア・ヂ・アラーラス牧場で産まれました。ワイルドイヴェントの産駒です。2016年にブラジルのGⅠを勝利し、2017年からアルゼンチンで種牡馬入りしました。毎年80頭前後と種付けする人気種牡馬で、すでにGⅠ馬を輩出しています。

サンタ・マリア・ヂ・アラーラス牧場はブラジルの生産牧場ですが、アルゼンチンにも拠点を持っており、ダニエルブーンは同牧場のアルゼンチン拠点で種牡馬をしています。

 初代に遅れること2年後の2014年9月27日、アルゼンチンのバカシオン牧場でもダニエルブーン(Daniel Boone)が誕生します。こちらはローマンルーラーの産駒です。2017年にアルゼンチンのGⅠを勝利し、2021年からアルゼンチンのドン・テオ牧場で種牡馬となりました。今年の産駒が初年度にあたります。

アルゼンチン産まれのダニエルブーン。

 アルゼンチンには現在進行形でダニエルブーンという名前の種牡馬が2頭います。将来ダニエルブーン産駒のワンツー決着が発生したとしても、それはダニエルブーン(BRZ)×2かもしれないし、ダニエルブーン(ARG)×2かもしれないし、はたまたダニエルブーン(BRZ)× ダニエルブーン(ARG)かもしれないということです。

 なお、ウィキペディア日本語版には人物のダニエル・ブーンさんが2人登録されています。1人は1734年に生まれたアメリカ・ケンタッキーの開拓者、もう1人は1942年に生まれたイギリス人のシンガーソングライター。馬のほうもこのくらい時代が離れていてくれれば、ややこしい思いをしなくて済んだんですがね。


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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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