コロナ禍の思い出
Facebookって絶妙に時代遅れな感じがしますよね。Facebookの芸能記事とかスポーツニュースに「興味ない」とか書き込んじゃってる人たちの行く末来し方、ほんとに大丈夫なのかしら、とけっこうガチで不安になったりしてしまいます。それをいちいちチェックしている私も私でどれだけ暇やねんという話ではあるのですが、ただ、Facebookの好きなところは「過去のこの日」の投稿をお知らせしてくれるところでして、●年前のその日に自分がどんな思いでどんな投稿をしていたかをお知らせしてくれる。これだけは他のSNSには無い、Facebookのただ一つの長所であり、その長所を今後も活かし続けるには毎日何かしらを投稿し続けるしかないのであり、こうして私はFacebookとの腐れ縁を切断することができずにいる。
近頃はコロナ初年、ステイホームといって安倍ちゃんが犬を抱き、星野源とコラボして国民に喧嘩を売っていた頃くらいの自分の投稿を思い出させてくれ、その頃私が何をしていたかといえば、河原町五条にあるレコードショップ兼バーで働いていた友人の企画した「なりきりレコードジャケット」を楽しんでいたのでありました。
少し前にこちらでも投稿したドナルドフェイゲンのTHE NIGHTFLYに匹敵するほどに個人的にお気に入りなのがここ数日のうちに続けてFacebookに出てきた。
一つ目がこちら。
The Clash LONDON CALLING
↓
The Osouji VACUUM CLEANER
※VACUUM CLEANERは掃除機です
二つ目はこれ。
The Smashing Pumpkins
Mellon Collie and the infinite sadness
↓
The Sakaicityno Pachincoya
Misenonamae Cohyo Nandeyanen Ishin Goddam
堺市のパチンコ屋が休業要請を無視して営業し続けているからお店の名前を公表されたみたいなことがあった頃です。そんなこともあったよな、実際どんな事件やったかしらね、なんかギスギスしていたよね。変な時代やったよね。保守と革新とか、左と右とかさえ、なんかごちゃごちゃになってたよね。よかったとは思わないけど、当たり前が覆された経験のおかげで、自分の当たり前が当たり前じゃないことを知ったし、それでも自分の当たり前だけが正しいと信じる阿呆がいるのも知ったし、自分の当たり前とは違う考えの持ち主を軽蔑の目でせせら笑う人の汚い目も見たし、弱者をさらに痛めつけることで自身のアイデンティティを保とうとする弱者がいることも知ったし、と、まあ、不愉快なことだらけのなかで、なんとか平静を保とうと、面白いことを探し求めていた私にとって、「なりきりレコードジャケット」はオアシスのようでありましたね。
あの頃なんとなく気づいて多分正解なんじゃないかな〜って思うのは、上に立つ人間は別に面白い人である必要はないけど、面白い人をちゃんと評価できる人でないといけない、ということで、それができない人が上に立っている場所はどんどん面白くなくなっていくということですね。それは「面白い」じゃなくてもよくて、「美しい」とか「できる」とか、そういう言葉に変換してもよいのですが、とにかく真っ当に評価できるスキルが上に立つ人には何より求められ、それが著しく欠如している場所からは有能な人材がどんどんいなくなっていく。意外とそういう真実はコロナ禍でもひっくり返らなかったよなー。
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