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1人目の客になり納めた話

涌井慎です。趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。今年は最後に1人目の客になったのが11月。12月は一軒も行けなかったな、なんて思っていましたら、「31日に蕎麦屋さんがオープンする」という情報を入手しました。31日に蕎麦ならちょうどいいではないか、ということで15時オープンのその店へ向かうべく、14時過ぎに四条烏丸を出発しました。風が横に吹き、雪が舞っています。

マスクで眼鏡がくもって仕方ないので歩く分には別にええかな、ということで眼鏡を外したのですが、くもって白い世界か外してぼやけた世界かどちらが見やすいでしょう。目に優しいのはぼやけた世界のような気がするので眼鏡を外してお店のある木屋町松原へと向かいました。どこにあるかは昨日のうちに下調べしておきました。お店のInstagramには「木屋町松原上ル」とあるから木屋町通り沿いを松原から高辻まで何度も往復したのですが、鮒鶴しかないからどういうことやと思ったら木屋町松原の交差点を東へ少し入ったところにありました。

14時20分頃到着。誰も客はいません。暖簾も看板も何もないのですが、ものすごく小さく入口扉に店名が書いてあり、そのガラス戸の向こうには開店祝いの花が置いてありました。

開店のための作業をされているであろう店内のスタッフさんたちを眺めるともなく眺めながら、「わし、ここに並んどるで!」という主張を抑え、スマートフォンにこの文章を打ち込んでおりますと手が冷たくて冷たくてたまらなくなってきます。そこへ、ベビーカーを押した若いお父さんがやってきて、扉を開けて「お蕎麦予約してたんですけど」と伝えています。ただいま14時30分。オープン30分前です。子に話しかけながら待つこと3分ほど。予約の品が手渡され、精算を終えて帰っていかはりました。な、な、な、なんでこのお父さんは開店前に!?

その頃には既に私の後ろに一人、お兄さんが並んでいました。お兄さんも怪訝そうだったので、私は代表して扉を開け、「ひょっとして予約しないとまずかったですか」と尋ねましたが「いえ予約無しでも問題ありません」との答え。「さっきの方は持ち帰りされましたけどここはそういうお店ですか」「いえ、店内でもお召し上がりになれます」「オープンまで待たせてもらってもいいですか」「もちろんです、3時オープンです」

一連の私とスタッフさんのやり取りを聞いていた後ろのお兄さんは私に微笑みかけ、「3時オープンですよね、やっぱり」と安堵の様子。「ええ、そのようです」「ですよね、インスタで見たもんな」私も一安心したのですが、はてさてこの場合、本当に私はこの店の1人目の客ということでよいのでしょうか。あの予約のお父さんは・・・

とりあえず、12月31日・金曜日15時、木屋町松原にオープンした「suba.kyoto」の店内に入った1人目の客は私です。

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