1人目の客になれなかった話 高島屋Ｔ８編

　趣味はオープンする店の1人目の客になることです。大丸と並び、京都を代表する百貨店・高島屋が増床して「Ｔ８」という名前でオープンする、というのがここ最近、京都では話題になっており、私の趣味を知る人たちから「1人目狙うの？」と問われることも多く、そんなところからも「Ｔ８」への世間の関心の高さがうかがえた。
　幸いオープンが火曜日であるため、仕事で行けないということはないのだが、午前8時までは自宅にいなければならないこともあり、さすがに「Ｔ８」そのものの開館1人目の客になることは無理だろうと思いつつ、それでも一縷の望みにかけて、普段は使わない自転車で四条烏丸まで行き、烏丸からは阪急で京都河原町まで行った。
　下車して中央改札口を抜けるとちょうどそこが高島屋の入口であり、「Ｔ８」はそこより幾分、西側に入口がある。
　改札を出たところで既に「ニンテンドーの整理券は奥の10番出口付近で配布しておりまーす！」というスタッフの声。すでに何やらものものしい雰囲気が漂っている。
　先日、内覧会が開かれている折に、入口の場所を確認しにいったのだが、その際に「ここが入口でございます」と告げられた場所から、もう長蛇の列ができている。まだ午前８時20分。
　無理だろうとは思っていたが、まさかこれほどとは。私が到着した頃には、もう「Ｔ８」サイドの壁際にぎっしり行列が連なっており、京都中央信用金庫のATMの入口を塞いでしまう勢いであり、故に「Ｔ８」サイドの行列はそこで途絶え、今度は逆サイドから行列ができあがっていた。おそらく私の前に60人くらいは並んでいる。と、書いているうちに私の後ろにも40人ほどの行列ができた。
　
　もし、この行列のほとんどが7階のニンテンドーへ向かうのであれば、それ以外の店の1人目になる芽はまだある。その可能性にかけるべく、私は行列に身を置くことにした。開店まで1時間20分ほど。

#1人目の客
#note日記 #日記 #コラム #エッセイ
#京都 #高島屋 #高島屋t8